参院選選挙制度協議会試案と参議院のあり方 | 宮沢たかひと Powered by Ameba
参院選での一票の格差是正のために、参院の選挙制度協議会座長の脇雅史参院自民党幹事長は、座長案として一部の隣接する選挙区を統合する「合区案」を提示しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140426/k10014047211000.html

参議院議員定員は長野県4、山梨県2であったものが、長野県と山梨県の合区により合計4となります。当然、これら両県の参議院議員の先生方からは戸惑いと反発の声が上がります。

格差是正を指示する最高裁判決に沿って熟考した結果のようですが、そもそも各地域の人口だけを計算対象にして参議院議員の定数を決めることが、はたして地方住民のためになるのでしょうか?

合区に地政学的および文化的配慮がなされているのでしょうか?

全体的には、地方の議員は減り、大都市の議員は増える一方です。最高裁判所の判決であるとはいえ、拙速に定数を変更していいとは思えません。

そもそも参議院のあり方については従来からさまざまな問題点が指摘されています。あり方が衆議院と異なれば、選挙制度改革の考え方も異なっていいはずです。

私は、審議の迅速化、閣僚の時間的負担軽減、総議員数削減、通年国会運営等が可能となることから、衆議院と参議院の対等合流(参議院廃止ではない)による一院制に賛成の立場です。

二院制にこだわるのであれば、地方分権を目指した道州制を念頭に置いた参議院のあり方を考えるのも一法です。まずは県知事に参議院議員を兼ねてもらい、いずれ道州制が進めば州首相が参議院議員を兼ねるという形もあり得ます。

以上、国民のためにどのような参議院のあり方がベストか、徹底的に議論したうえで選挙制度を改革することが重要であって、一票の格差を是正することが第一の目的ではないはずです。

選挙制度改革に当たっては、「政治とカネ」の問題を解決するために、選挙資金に上限を設けるなどの工夫も必要です。

そのような精緻な議論の結果、国会議員定数が減り、落選する方がいても、それはやむを得ないでしょう。