国際学会IMCAS Asia2022 in Bangkokへ〜その3〜 | 美容外科開業医の独り言

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学会最終日。まずは朝、旅ランから始めました。今回はあいにく雨の日が多く、やっとです。

バンコクでのお気に入り、ルンピニ公園へ。

 

沢山の市民ランナーが走っています。

 

大きなトカゲも泳いでいます(笑)

 

ということで学会場へ。今日も午前はお勉強。注入はエキスパート向け講演を拝聴しました。解剖学者と注入のエキスパートによるディスカッション。

ヒアルロン酸注入は安全ではありますが、時には血管系の合併症を生じる事があります。

今回問題となったのはこめかみの骨膜上注入における合併症の多発と顎注入時の新しいリスク血管の発見。

こめかみは加齢とともに凹みやすく、その場合は骨の上にヒアルロン酸を入れる手法があります。今まで比較的安全とされていましたが、深部の血管があり、ここに注入する事は血行障害を生じるリスクがあることが解剖学的に最近分かってきました。今回も多くの演者は骨の上には打たないと明言されていました。日本では骨の上に打つし、私も時々実施しますが、ここは安全ではないそうです(ただし私、殆どの場合は側頭筋膜の直下に入れます、難しい手技ですけど)。

顎への注入も骨の上は絶対的に安全とされていましたが、舌の方に繋がる血管が解剖学的に発見され、全体安全とは言えなくなっているそうです。そしてこの血管、日本人解剖学者が発見したとのこと(知らなかった!)。多くの参加者が驚きの声を上げていました。

リスクを避けるためのお勉強、大事です。

そしてデザインについてもまた幾つか学びました。日本では企業命名のコード名(部位に特殊な名称を付ける)を用いた注入手技が広まっていますが、海外ではコード名を言うと解剖学的名称で言うようにと指摘されます。多数の企業が注入剤を製造しており、それぞれに手技が異なります。全く違う概念で組み立てることもしばしばです。私自身は、全ての企業の注入手技を出来るだけ学んで、自分で組み立て直し、自分流ではありますが解剖学的な見地に基づく治療をおこなえるよう日々ブラッシュアップしています。今回の各種講演やディスカッションを聞いて、やはりオンラインでは学べなかった知識が手に入りましたので、また日々の診療に還元したいと思います。

 

さて、IMCAS Asiaも最終セッション。最後に座長の仕事がありました。注入と糸のセッション。2時間と長丁場で、演者が多くて時間のマネージメントが主となりましたが、それなりに盛り上げることができ、無事終了。

さあ、お勉強も終わりです。

 

学会終了後は美味しいディナーを。あらおクリニックの荒尾直樹先生とともに。

 

Paste。ミシュラン星付きです。

最近流行りのThai cuisine。辛さほどほどで美味しかったです。

 

今回も沢山のアジアの友人達と再会。3年ぶりです。

前回までのブログでも何枚か写真は載せましたが、みんな素晴らしい人格者。沢山の知識を惜しみなく提供してくれます。だからこそIMCASのスピーカーに毎回選ばれるのだと思います。

 

 

私の知識と技量は彼らの才能と優しさのおかげです。感謝しています。

 

ちょっとだけ、観光もしました。

ワットパクナム。インスタ映えする本堂も魅力ですが、巨大な仏陀が完成したとのことで、見に行ってきました。

 

 

そして日曜には帰国。疲れましたが月曜から診療再開。

 

 

実は、日曜日は台湾レーザー医学会で講演予定でした。バンコクから台北への飛行機予約も取っていたのです。台湾政府の防疫体制維持ゆえに訪台叶わず、ビデオ講演で参加。私の友人であるアジアを代表する美容皮膚科医Peter Pengが理事長を務める最後の年で、参加したかったのですが残念。

この学会では目の周りの若返りについて講演をさせて頂きました。英語講演をこんなにまとめて引き受けたのは初めての経験でした。