第40回日本美容皮膚科学会参加〜その1〜 | 美容外科開業医の独り言

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さて、久々の投稿です。

週末は第40回日本美容皮膚科学会(会頭 名古屋市立大学 森田明理教授)に参加しました。

 

この学会は皮膚科医を主として形成外科医なども多数参加する学会です。皮膚科のサブスペシャリティとしては最大規模の学会だそうで、今年も大盛況でした。

会場は虎ノ門ヒルズ。当院から徒歩数分の場所です。

ぼく、トラのもん。

 

前日の代議員会は診療を途中で抜け出して出席。

 

さて学会ではシンポジウム2つ、教育講演1つ、企業の共催セミナー2つの合計5つの講演と座長を1つ。参加者の中で一番多い仕事量です。

形成外科医である私が皮膚科の学会でこれだけの仕事をさせて頂ける事は光栄です。しかし歳には勝てず、ややバテてしまいました。

 

まずは初日。朝一番の「アンチエイジング美容医療:施術の有効性と限界、リスク」というシンポジウムで「機器によるRejuvenation」という題で講演。レーザー、高周波やHIFUの有効性や限界点、そしてトラブルケースなどについてお話をしました。機器の治療は基本的に引き締め、引き上げであり、骨などの加齢性萎縮には効果はありません。つまりフェイスラインを主な対象とするものです。ただ最近ではほうれい線や目の下に有効な機器も登場してきています。このあたりを具体的に解説し、またヒアルロン酸や糸などの併用なども含めて、どうすればrejuvenation(若返り)できるのかを説明しました。

 

午後は「レーザー機器の基礎知識」のシンポジウムで「シワ・たるみに対するレーザー治療」を講演。たるみ治療においてはレーザーではなく高周波やHIFUが主流ですが、レーザーでできることや、今までの概念を覆すレーザーによるたるみ治療についてお話ししました。レーザーは基本的に深くまでエネルギーが到達できず、特にHIFU等で狙う筋膜への効果などはありません。深い層への効果を出すためのレーザー波長の選択と、発想の転換で口腔粘膜側からの照射などを解説しました。

 

そして夕方には当院でも好評のムービング式HIFU、リフテラVについて講演。HIFUとは一体どういう機器なのか、歴史なども含めて細かく解説させて頂きました。当院ではHIFUの初号機ウルセラを2008年頃より使用しています。私はHIFUをアジアで初めて本格的に通常の診療で使用開始したという立場から、歴史を語らせると話が長いです(笑)症例も沢山ありますし、トラブルについても特に初期には多数経験しています。10数年かけて安全で有効な治療機器となったHIFUについてしっかりとお話しをさせて頂きました。

 

講演終了後は急ぎ足で会食の場へ。現在米国で流行している超音波たるみ治療機Sofwaveの社長とアジア担当者、輸入代理店の面々とのディナーミーティング。医師はクロスクリニック銀座の石川浩一先生と私の2人。Sofwaveは最初のテストをこの2人で実施検証し、発表などもしましたが、私は効果はあるものの治療時の疼痛がクリアできず導入を見送りました(石川先生は導入済み)。しかし私の友人であるタイの医師が非常に良い結果を出せるようになったとしきりに勧めてくることもあって、詳細を聞いて納得したことから導入を決定しました。丁度秋に国際学会があるので、タイに行ってクリニックを訪問して痛み対策など詳細は見てくるつもりです。

さてSofwaveの社長は、世界屈指のレーザー機器メーカー、シネロンキャンデラ社の社長だった人物。アジア担当者もウルセラの担当者だったため、旧知の仲でもあり和気あいあいと会食でした。しかし久々の英語での会食にて、自分の語学力の無さを痛感しつつの食事でした。。。。

 

2日目の報告は次回へ続く。