肝斑に対するピコレーザー治療〜アジアの見解〜 | 美容外科開業医の独り言

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週末は台北出張。本日帰国しました。

ピコレーザーでの肝斑治療という非常に限られた分野をテーマに台湾医用レーザー学会(医用雷射光電学会)の国際フォーラムが開催され、講演をしてきました。

 

こんなニッチな内容だけで開催されるなんて、ちょっと驚きです。台湾の美容医療に対する盛り上がりを肌で感じます。今台湾の医師は4万人、そのうち1万人を超える医師が何らかの美容医療に関わっているとか。

 

 
今回、この会を主催した学会の会長はDr. Peter Peng。私の古くからの友人です。同世代で何かと話が合うことも多く、いつも仲良くさせてもらっています。
講演したのは台湾のドクターが6人と海外のドクターが6人。勿論全員がアジア人です。肝斑はアジア共通の大きな問題ですが、欧米人は全く興味がない話題なのです。アジアでこのような国際会議が催された事は非常に有意義であると思います。
私の講演は、ピコレーザーの照射時間がメラニンに対していかに影響を与えるか、そして開発中のハンドピースがどのような革新的効果をもたらす可能性があるのか、機器の理論をベースにした新しい治療とその臨床効果について、でした。日本代表として恥じないようきちんと講演してきた、つもりです。
マニアックな内容にも関わらず、聴衆は溢れんばかり。
 
へなちょこEnglishで真面目な討論。
 
面白かったのは、今や肝斑のピコレーザーによるトーニング治療は4週間の治療間隔で実施するのが標準と結論づけられた事です。私自身も最近ではそのように実施していますが、これは日本ではなかなか知られていない事実です。我が国のトーニング反対派ドクターは治療間隔の短さと炎症後色素沈着の抑制,再発遮蔽に関わる問題を指摘されており、私もそれに従い、治療間隔を再考してきました。そういった意味でも今回の結論は誰もが納得するものになったのではないかと思います。さて、これを日本でどのように広めるべきか、商業的なトーニング治療からの脱却への一つの方向性が示せるかもしれません。
これ以外にも沢山の知見を得てきました。
 
最近、この手の国際的な会によく呼ばれます。有り難い限りです。国内をベースに仕事している片言英語の頼りない私ですが、これもまたお役目。日本からの情報発信と海外の標準的な考えの国内への流布という、与えられた役割を果たせるよう精進していきます。まだまだ働きなさい!という天の声ですかね。
 
 
ただ、講演した医師の殆どは顔見知りであり、和気あいあい。いい歳のおっさん達がこんな感じです。世界共通。
トーニング治療生みの親、Niwat先生(左端)も一緒に。
 
Peter から賞状も頂きました。
 
 
もちろん、グルメも。
到着日は台北101の欣葉食芸軒。
 
まずは製造から18日間限定というビールで喉を潤し、
 
前菜
 
フカヒレ
 
伊勢海老
 
渡り蟹の茶油そうめん炒め,等々
 
85階からの、素晴らしい夜景。雨で残念。
 
 
会当日朝は龍山寺に参拝して
 
 
お気に入りの小籠包のお店でブランチ。
 
 
楽しい出張でした。また月末は、今回講演をご一緒したLee Geun-Soo先生が学術責任者であるKorea DERMA2019にて講演してきます。韓国最大級の美容皮膚科関連の学会。日本の美容系学会より遙かに規模が大きく、日本の著名な先生方も講演されます。日本人医師の参加者がまだまだ少ないとか。週末を利用して参加できる学会なので、参加者が増えると良いなぁ。