少量のヒアルロン酸注入でたるみを自然に改善 | 美容外科開業医の独り言

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先週末はヒアルロン酸注入のセミナーで実技指導。

少人数制、当院での実施でした。

 

現在、ヒアルロン酸のメーカー ガルデルマ社の技術指導医としてお仕事をさせて頂いております。

注入には様々な手技があり、ある程度のボリュームを入れて顔を作る方法、靱帯を支えてリフトアップする方法、局所のくぼみを充填する方法、各種の機器等と組み合わせてコンビネーションリフトする方法などがあります。

今回説明させて頂いたのは少量の注入でナチュラルに数歳若返る方法です。顔面の表情筋を支えるように、特殊な筋群の解剖を理解しつつ少量かつ効率的に注入し、頬正面の影を消す程度の僅かなボリュームも含めて自然なラインを作り、リフトアップして綺麗に輪郭を作っていく手法、プレーンリフトです。

True liftという呼称でおこなわれる靱帯をポイントで支えるリフト法もありますが、プレーンリフトはそれとは異なって、ポイントというよりもやや広く薄く、表情筋を繋げる索状構造を利用して緩やかに柔らかく形状を整えていきます。

海外のドクターの手技などを参照にしつつ、最新の解剖学的知見も取り入れ、日本人に合った手法として、ここ数年当院では改良を重ねつつ実施をしています。数ヶ月前からほぼ確立された手法となり、1〜2本のヒアルロン酸で効率的に仕上げていけるようになりました。

人にはばれたくない、変化が怖い、「入れた顔」には絶対したくないし、違和感は無理!という患者様にお勧めしています。どこが極端に変わったというわけではないけど自然でかつ効果ははっきり自覚できる、そんな治療手技です。

 

ヒアルロン酸というのは材質で決まるのではなく、手技で効果が決まるのです。

以前どこかでヒアルロン酸を入れたけど変な顔になった、自分にはヒアルロン酸は向いていないと言う人がいますが、ヒアルロン酸はあくまで材料であって、結果は手技に依存します。

材料に関わるものはいわゆるリスクです。ごく稀に生じるアレルギー、血管の中に誤注入する事による動脈閉塞など共通ですが、仕上がりは手技依存です。

 

但し、

これだけで全ての希望が叶えられるのではありません。

色々な注入手技をマスターし、それを自分なりに応用、患者様の状態や希望によって使い分ける事が重要であり、プレーンリフトはその中の一つに過ぎません。他の手技を否定するのではなく、幅広く柔軟に応用していくことが望ましいと考えます。

最近は特定の手技のみがまるで正しいかのように医師向けにレクチャーされていますが、日本人はマニュアル好き、お勉強は好きかもしれませんが、応用に乏しいのが悲しいところです。もちろんそれも一つの手技。しかし世界ではもっと沢山の方法があり、医師個々にオリジナルがあるからこそ、注入は芸術であり技術の差が出ます。みんな同じ事しか出来なかったらつまらない(?)のです。みんな同じ顔になったら嫌ですし。

 

私自身も全員に完璧な注入が施せるわけではありませんので、常に海外に目を向けて新しい手技を勉強し続けます。

友情の名のもとに包み隠さず様々な手技を教えてくれるアジアの友人達にはいつも感謝です。