美容医療:アンチエイジング系の治療に対する考え方 | 美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

はっと気がつけば、2週間もブログを放置していました。。。。

医学書執筆の校正や医師向け雑誌のインタビューなど諸々慌ただしく、また年末が近づき、クリニックは毎日が戦争のような状態です。

当院は完全予約制なので、患者数が増えることはないのですが、殆どの方々が相談ではなく、治療をお受けになるため、処置室はバタバタしています。

予約時間を過ぎても少しお待たせすることが多いと思いますが,何卒ご容赦ください。

 

あっという間に今年も終わりです。今年も1年を通じて予約は満員御礼、予約が取りにくい状況となってしまいました。医師は私一人、殆どの治療をおこなっているため、どうしても一日に診察、治療できる数には限りがあります。

もう10年以上同じような状況なので、毎年のように何とか改善策を考えていますが、それでも追いつきません。

また10年以上通院してくださる患者様の数も相当数になっております。「常連様」と言うべきなのでしょうか、本当に有り難いです。

 

「加齢」は病気ではありませんが、常に進行し止まること・リセットされることはありません。そのため治療を続けていくかどうかが長期的には大きな違いを生み出します。

私も美容外科医の端くれであり、加齢に関する手術もおこなっています。手術は一期一会、終わったら患者様とそれ以上のお付き合いはなく、また気になったら受診することが殆どです。しかし非外科的な治療というのは終わることなく、メンテナンスをすること、加齢による変化を予防することも大きな柱です。但し、その効果というのは手術に比較すれば微々たるものです。

さて、どちらが良いのでしょうか。

 

これは患者様自身が決めることです。医師の一方的な考えで手術は駄目、リスクがあるとか、逆に非手術的手法は効果が薄い、意味がないとするのは大きな間違いであると思います。

どちらも正しいと思います。単純なものでもありません。

 

結果が出る、つまり大きく変化することは客観的に見たら良いこととは言い切れません。変化が大きければ周囲の人には知られてしまいます。「あの人は手術した」そう思われる事を望まない人もいます。芸能関係や客商売の方々にとって若く見えることは重要です。しかし大半の人は人知れず綺麗でいたい、周りにはばれずに,自己満足の中で変化を求めるものです。

非外科的な治療の中でも機器によるものはその代表的なものであり、他人にばれず、でも「いつも綺麗ね、若いわね」と言わせる、心の中でほくそ笑むことができるものです。

注入はその手法によって大きく変化させることもできますし、何となく若々しくすることもできます。

 

結果を第一に考えるのか、リスクやダウンタイムを第一に考えるのか、これは患者さん自身が決めることです。

明確に出したい結果がある場合、治療法の選択肢は制限されますし、それを受け入れなければいけません。それが手術でしか叶えられない場合もあります。

ダウンタイムや痛みなどを優先する場合、得られる結果は限られますし、それを受け入れなければいけません。

 

幸い私は形成外科医。スキンケアから手術まで幅広く対応しています。

但し、美容医療は全く初めてで迷う患者さんには、できるステップを決めましょうと提案します。ゆっくり始めても良いのです。

第一のステップは機器、その次は注入、そして糸、最後は手術。まずダウンタイムや痛みなどの事を最優先で軽いものから始めて、納得できなければ次のステップへ。その時は勇気を持つ必要があります。いきなり手術となる患者さんもいます。

 

もちろん手術を実施した上で、メンテナンスとして軽い治療を長期に渡り続けてくださっている患者さんも沢山いらっしゃいます。

 

今の時代、美容に携わる医師はあらゆる治療法を網羅し、理解する必要があります。それぞれに専門があり、手術ができなくても構わない,逆に機器は取り揃えていなくても構わないとは思いますが、一通りの知識は持っておくべきではないかと考えています。

 

来年は医師向けに,それらを全て網羅した初の書籍を出版予定です。もちろん自分一人では書けませんので、その道の第一人者や期待される中堅の先生方にお願いをして、共同で作成中です。この編集作業が忙しくて。。。。