美容医療に関する医師向け講演についての私見 | 美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

ここ数ヶ月の多忙さからか、やや体調不良にて週末は少し家で休養しました。
すっかり元気になりました。

さて、最近学会・セミナーでの講演などが多くなっていますが、私自身は開業医です。教授になるつもりで活動しているわけでもないですし、知名度を上げるためでもありません。
美容医療というのは新しい治療が次々登場するがゆえに、医学書で勉強していたのでは間に合いません。私自身が新しい機器や治療法を先んじて始めたら、当然ですがその経験をシェアしなければいけませんし、各メーカーの機器の良さを自身の経験を基に伝えていかなければいけません。多くのドクターが新しい情報を望んでいますし、スキルアップを望んでいます。5年、10年と同じ治療で止まってることは美容医療ではあり得ないのです。
だからこそ、新しい治療をする立場の医師の義務として講演活動をしています。

私自身は講演活動をビジネスに繋げるつもりはありません。

もちろんビジネスに繋げるべく活動している医師もいますし、それは何も問題ありません。そういう才能がほしいものです。

ただ、医師主導で良いものを広めるようにしなくてはいけません。

というのも、美容医療ではないですが、少し前に製薬会社と医師の癒着が新聞沙汰になりました。我々の業界でも考えさせられるものがあります。

お金をもらっているから悪いのか、それは非常に難しい問題です。ただ、お金をもらっているから良いかどうか分からない薬剤を褒め称える、これはアウトです。
しかし良いと思えば、それをきちんと講演していくことは何も悪くないと思います。もちろん講演料以外に莫大な寄付金や便宜を提供されることはどうかと思いますが、それでも良いものであるという医師自身の確信があれば、便宜を受けたことに左右されない自分自身の思いがあれば、何にも問題ないと思います。


最近は美容医療も本当に新しいものが少なくなりました。業者側も医師に機器や薬剤を販売することが以前のように容易ではありません。売れるためのストーリーを作って医師に協力をさせようとする流れもあります。そういうお話し、沢山頂きます。

ただ、やはり医師側は使ってみて良い機器について自らの責任で話しをするべきです。業者から色々な恩恵を受けて、使用前から良い機器であることを前提に話を進めてしまう、それを医師がしてしまうと、もう信用がなくなってしまいます。誰も見向いてくれません。
そして最悪なことに、そうではない医師までもが同じように見られてしまい、業界全体に大きな悪影響を及ぼします。結局は業界を潰してしまうことになるのです。

製薬会社と医師の問題と全く同じく、我々の業界でも機器・薬剤の評価は公正にしなければいけません。

ファッションの流行と違い、業界が作った流れに医師や患者が乗るのではなく、良い治療だから、効果があるから広まっていく、そうあるべきです、医療である以上。

美容医療を「愛する」からこそ、できるだけ自身の経験と知識をシェアしていきたいです。
偉くなる必要もなく、有名になる必要もなく、出し抜く必要もなく、人より上に立つ必要もない開業医だからこそ出来る、イーブンな立場で多くの医師、最終的には患者もハッピーになれる、そんな仕事をしていきたいものです。
もちろん大学に在籍しているドクターは国内外で講演・発表し、論文を書き、業績を上げ、上を目指す必要があります。開業医はそれと違いますし、私の場合は特にそちらの方に嫌気がさして大学医局を辞めた人間なので、そのような先生方と競うつもりはありません。だから大学系の先生方と仲良くさせて頂いているのかもしれません。

私自身は大きな事を成し遂げた経験はありませんし、知識や経験はそれなり、頭脳はほどほど、ですが、美容医療への探求心、好奇心と一生涯の仕事として愛する気持ちは強いつもりです。