年末年始のご予約が大変混み合い、申し訳ありません。
かなり前に殆どの予約枠が埋まってしまい、12月中のご予約は再診の枠が数カ所のみとなります。
初診のご予約は来年1月の後半まで埋まっておりますので、受診を希望される方におかれましては、少しお待ち頂く事をご了承ください。
さて、週末はまた医師向けセミナーでの講演でした。大阪日帰り出張。当院で大活躍中のプラズマ&高圧超音波のレガートと、Radiative高周波機器のテノールを用いた長期結果・患者満足度についてのお話をしてきました。
レガートという機器は、最近では主にケロイドや傷跡などで今まで治療が難しかった広範囲例や難治例に良い結果が出ていますし、またニキビとニキビ痕の併発例に、殺菌効果と皮膚の改善効果両方が得られる治療でもあります。
なかなかマニアックな機器なのですが、形成外科医にとっては本当に望まれる結果を得るために必要な機器であり、当院の診療には欠かせないものになりました。
テノール(たるみ治療機)は前回ブログで書いたように、とうとう新型となりました。黒い鏡面仕上げで見た目も効きそうな感じになりましたが、なによりその効果は「深度調整」と「熱効率」という面で非常に優れています。高周波専用機であり、他の余計な機能はありませんが、そのぶんだけ使いやすく、またしっかりした造りになっています。
テノールの治療というのは、クリニックによっては即効性や、引き締めの熱作用の大きさを前面に押し出しているようですが、私が経験的にそして理論的に感じる最大のメリットはもっと異なる次元です。主に顔面においては非常に深い層にまで十分な加熱作用を有します。瞬時に深部加熱をする機器はありますが、テノールの場合はその熱効果が長時間継続します。
今までの理論では瞬間的に深部をいかに高熱にするかが各社の機器で競われていましたが、それでは本当の意味でのこの手の高周波機器のメリットを生かしていません。
瞬間的な加熱ならサーマクールやウルセラのような機器の方が圧倒的に上です。表面で良ければジェネシスやジェントルYAG、タイタンのような近赤外線機器の方が遙かに効率的です。
かなり深部まで十分に加熱し、それを保持することによって深部組織の加齢進行を防ぐ効果が実は重要なのではないかと考えています。その場その場での引き上げ、たるみ治療効果ではなく、長い期間にわたって老化をマネージメントする、綺麗に年を取るためのものとして、このテノールは非常に優れた力を持っています。
私自身も加熱温度の高さにこだわった時期もありましたが、今では加熱した状態をいかに維持するかにこだわっています。
テノール施術を受けると肌が綺麗になる、調子が良くなる、夕方に疲れたような顔にならない、肌理が整う、これらは大きな引き上がり感ではないですが、誰もが若い頃は当然と感じていた「若さの証」なのです。それを少しでも取り戻せる助けになるのがテノールであり、またその状態こそが若さの維持には重要です。
そしてもう一つ、この7~8年間、テノールをずっと定期的に受け続けている人の顔貌変化を解析すると、深部組織の萎縮が少なく、シワや表面的な細かい老化は進んでいたものの、骨格を含め老化で萎縮する組織構造がかなり保たれていたのです。
加齢による深部の血行・末梢毛細血管やリンパ循環の低下は骨や深部脂肪の萎縮を招き、筋肉の硬さを生じさせることでしょう。深部加熱はここに対してある一定の作用を及ぼすのではないかと推測します。そのため瞬間的な熱よりも持続性こそが重要な鍵となります。
その理論で考えると、新型テノールは深部に熱が溜まりやすく、理に叶っています。ある人は熱感が翌日まで何となく残ったと感じたそうです。そしてそれが均一に確実に起こることは最大のアドバンテージであると確信します。旧型とはかなり差があります。
老化のマネージメントとして、治療のベースに新型テノールを置き、その上で様々な局所や目に見える効果の治療を組み合わせていくのが最近の当院での方針です。