直接シワを焼灼する新しい高周波機器 | 美容外科開業医の独り言

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昨日は新しい機器のテストでした。
高周波を用いて皮膚内からシワの局所に狙いを定めて焼灼し、引き締める機器です。ヒアルロン酸の注入なども同時に行えます。
以前からこの手のタイプの機器はあり、当院でも実は所有していますが、実際に使用してみるとパワーが弱すぎて、あまり意味がないということで使用していません。
今回の機種は、例えば食肉片に直接当てるとジュッと焼けて蛋白が変性してしまうようなハイパワー機器です。
3月に韓国に行って、この治療の実際を見てきました(ブログ参照)ので、昨日は本邦初の臨床試験です。もちろん患者様にはできないので、業者さん自身や身内の人にトライ。

針先

物理的に先端の鈍な針を皮膚の下にプスッと刺して、高周波を流します。それにより直接真皮を焼灼、即時の引き締め効果と長期のコラーゲン増加を生じさせます。ジュッと焼ける感覚は、皮膚の下に同様に刺し込んで焼酌する機器アキュスカルプ(当院導入済み:脂肪融解レーザー)でも得にくく、皮膚の下面を焼灼するにはこの機器は非常に優れている印象でした(脂肪融解機器ではありません、念のため)。
今回は焼灼するだけでしたが、ヒアルロン酸注入を同時におこなうと効果も長持ちするとか、まだまだ色々とテストが必要そうです。
治療後の腫れも少なく、痛みは局所麻酔のため殆どなく、日本でも受け入れられそうです。
額のシワや首のシワ、ほうれい線などにテストしましたので、その安全性をもフォローしていきます。焼け具合を間違うと皮膚自体のダメージが大きくなりそうですし、その点は日本人向け設定が不明ですので、慎重に見ていかなければいけません。

新しい機器を借りるだけで感覚的に分かる部分もありますが、実際に国内外のメーカー・業者と一緒にその安全性や出力などの設定を検討していく作業、時間はかかりますが面白い仕事です。それが上手くいった後に我が国で機器が多数輸入されていくと、やりがいを感じます。