今後のフラクショナル炭酸ガスレーザー、技術革新とは。 | 美容外科開業医の独り言

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レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

今回は少し前に書いた内容と似ていますが、視点を変えて書こうと思います。

今月は、新しい世代のフラクショナル炭酸ガスレーザーを2台ほど、デモにて借ります。
1台は新世代というより、既に販売されていて、他機種にはない面白い波形のもので、まだその有効性をメーカーもしっかり把握できていないために、それを見極めるための依頼、もう1台は正真正銘の新しい世代のものです。
少し前にも書きましたが、フラクショナル炭酸ガスレーザーの開発は技術的にはそんなに難しいものではないようで、ただ単にフラクショナルにレーザーを出すだけなら小さなメーカーでも部品の組み合わせで開発できてしまいます。それゆえ、韓国などでは多数のメーカーが参入している状況です。ただ、レーザービームの性状など、ある程度大きなメーカーでなければ調整できない部分もあり、それはレーザーを通すファイバーだったり、波形の調整だったり、コンピューター制御の仕組みだったりします。
そのために医師側からすると、ある程度技術力のあるメーカーの機器を使わないと、単なる集客道具になってしまう可能性もありますし、逆に使い方に習熟して応用が利くなら、安価なメーカー製品でも良い結果を導くことができるかもしれません。
より熱作用を強めたり、より蒸散(削る)力を強めたり若しくは適切なコンビネーションによって、にきび跡や傷跡を変化させる作用というのは異なります。安全性とのバランスになりますが、単純な仕組みではないほど、それを見極めることも難しくはなります。
今回はそのチャンスでもあるので、ちょっとワクワクです。それに加え同じフラクショナルでも高周波の機器も試験できる予定ですので、さてどうなりますやら。

今のレーザー開発側の視点から見ると、フラクショナルレーザーという理論が登場して以来、エポックメイキングな技術革命は起きていません。レーザー自体、開発としては成熟期にあるかもしれません。今までが急激に進みすぎました。
当たり前ですが、他の医療分野のように、一旦技術的に落ち着いて、しばらくしてからまた発展していくのか、もしくはレーザーではなく高周波や超音波、マイクロ波などの新しいエネルギーソースでまだまだ開発余地のあるところを攻めていくのか、様子を見守るべき時期が来ているのかもしれません。

当院でも、次期フラクショナルレーザー系の導入を見極めたあとは、従来機種の経年に伴う買い換えや、他のエネルギーソースの機器の導入を中心に、数年間は見ていこうかなと思います。
そんな事言ってて、良いものが出たら欲しくなるのが、辛いところです....

今回はちょっと一般の方には分かりにくい内容だったかもしれませんが、美容医療機器の今後という意味で、熟慮する時期にあると思っているために、私的意見を書いてみました。