たるみと肌の張りはサーマクールCPTで | 美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

最近はサーマクールCPTの予約が多く、患者様のニーズがこんなにあったのかということに驚いています。多くの方が仰るのは、今までは色々情報を集めると痛みが強いと分かって躊躇していたということです。
確かに従来型は非常に痛みが強く、終わると背中に汗びっしょり、でした。かといって弱く照射すると効果も出にくいので、いつも我慢してもらっていました。施術前に「覚悟してきて下さい」と言っていたのです。
麻酔をするという選択肢もあったのですが、従来型は痛みをフィードバックとして安全な出力を決めていたために、痛みを取るということはヤケドなどのリスクが強まるため、メーカーからも推奨されていませんでした。

今回の機種CPTは先端部が強く振動するために、脳が混乱し、痛みが軽減するという仕組み:ゲートコントロール理論というのが主になるのですが、そればかりではなく高周波の発振形態にも工夫が加えられ、これも痛み軽減に大いに役立っているようです。
それでいて効果が早期に出現するのと、表面的に(安全・均一に)熱が貯留されやすく肌の張りを感じやすいために、施術を受けた方の満足度は高いようです。
私の顔も結構張りが出ました。従来型を照射したときよりも効き目を感じました。

案外、費用面で躊躇していた方は多くありませんでした。正直、消耗品などの関係上高いなあというのが私自身も受ける印象でした。それゆえできるだけ安く設定する努力をしたのですが、それでも400発で189000円が、医師の施術としては限界でした。

結局は費用対効果、そして痛みという事への抵抗感なんでしょうね。

サーマクールは世界的にたるみ治療のゴールデンスタンダードであり「スキンタイトニング」です。
もう一方の雄、ウルセラシステムの「リアルリフト」という深部の引き上げ効果と比較して、皮膚の引き締め感、フェイスラインの締まりに優れた機種です。「引き締め」と「引き上げ」の違い、小さいようで大きいものです。
サーマクールは今回の改良で表面的な張り感がより強く出るようになり、自覚的な満足度が上がっているように感じます。
但し、目の下のたるみや法令線には効果は強くないというのは従来と同じです。

従来型の方が優れているという面は殆どないので、現在多くのクリニックがこのCPTに既存所有機種をバージョンアップされています。
でも、それだけ投資も必要なので、ちょっと不安になることもあるのですが、これだけ希望者が多いとそれも杞憂でした。

ちなみに、海外ではサーマクールといっても通じません。サーメイジと呼ばれます(旧会社名)。
先日も韓国のドクターに、ついついサーマクールの新型を買ったよと言ったら「???」な顔をされ、慌ててサーメイジCPTと言い直し、笑われました....。