化粧品:一般ニーズと医療ニーズ | 美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
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先日、某大手化粧品メーカーの開発者と色々と話をしました。
もともと製品開発にあたって様々なアドバイスをさせていただいていたのですが、やはり医療機関向けの製品と一般向けとは大きく異なります。
医療機関向けは、効果効能がはっきりしていて(謳ってはいけませんが)、かつ治療の補助になるものやアフターケアという用途が中心です。医師主導で購入が行われる、購入の選択肢が医師側にあることもしばしばです。また単に使用感が良いとか、そういったものだけでは難しい市場です。一方、一般市場向けのものは、消費者への投げかけが重要です。根本的に使用感が良いものが好まれますが、それと別軸で、効果などをある程度分かりやすく伝える必要があります。

医療機関向けではある程度効果の差異が出ないと商品としての開発が難しくなってしまう側面があり、今回協力した製品も、その点がどうしても十分ではなく、ちょっとストップという感じです。
その製品を一般向けに方向転換し、濃度等調整して再開発していく場合、今度は分かりやすい効果やイメージ戦略というものが絡んできます。
成分が似ていても、その開発におけるコンセプトは似て非なるものとなっていくものです。

幾つかのメーカーの製品開発に関わっていくほど、このあたりが面白く思います。そして実は一般向け製品においても、我々臨床医家が普段聞いている患者様の悩みの声、そして診察していて気づく肌質というものから得られる知見というのはアイデアの宝庫なのかもしれません。
互いにフィードバックしながら、より良いものが開発されていけばいいなと思います。