新しい機器を知る | 美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

先週はアメリカで皮膚科学会があり、新しい機械の発表が相次いだようです。
以前は学会に行かないと情報を得ることができませんでしたが、最近はネットの発達とともに、学会直前に色々と情報を得ることができます。私は専らネットの情報と、メーカーからの事前のお知らせ、そして学会に行った業者からの速報、それらから今年はどうするか思案をします。
今は1年で一番暇な時期(仕事も学会も含め)なので、ここできちんと計画を立てることが、この1年間のクリニック運営にとって重要です。
先日来、私が非常に効果に納得しているスターラックス1540は、しばらくすると少し改良されて1540-Zとして登場するようです。この会社(パロマー社)は業界で3~4位くらいの位置づけですが、今年は2位に躍進する心づもりだとか、学会でも積極的に新しいものを展示していたようですし、技術力も非常に期待できます。

さて、古いお付き合いをさせていただいている業界1位のキャンデラ社はというと、既存の機器を改良し、組み合わせたものを登場させただけでなく、えっ本当??というようなすばらしい技術を搭載したレーザーを発表しました。Qスイッチレーザーというシミや入れ墨を取るスタンダードなレーザーなんですが、先端部のみで波長を変化できるレーザーです(マニアしかこの凄さは分かりません!)。こんな機械は今までありませんでした。もちろん1台の中に2台、3台のレーザーを詰め込んだ機器はあったのですが、完全に1台のレーザー(つまりレーザーヘッド・出力源が1個)で3種類の波長が出せるというのは先端部の負荷が相当かかりますから、あり得ない高度な技術なのです(同業の先生方でこれをお読みになっていればすごく興味があると思いますので、是非キャンデラのサイトを見てください)。さらにレーザーを照射する時間(パルス幅)も可変できます。これに関しては、実は私がキャンデラ日本法人に提案し、アメリカ本社が試作した機械を治験、採用に至ったという経緯もあり、ずっとワクワクして待っていた機械なんです。
それとは別にレーザーでごく薄くピーリングする機械も登場しています。アメリカでは何社かそういった機器を登場させていますが、キャンデラの機械は本当にごく薄いレベルでレーザーを安定して照射できるそうなので、現在あるサイトン社の機械より安価で、日本人向きかもしれません。

その他、私が高く評価しているアルマレーザー社も頑張っているようでした。ここの技術責任者兼社長のカーニー氏は、レーザーオタクの権化みたいな人で、すごく話が合うのですが、技術ばかりが突っ走っている会社です。バラエティに富んだ種類のレーザーや光を出しているのですが、開発が楽しいのか、どれを何に使うのが良いのか、適応が後からついてくるような会社です。医者としてはそういった意味では腕の発揮しどころがある機械を作ります。

ただ色んな機械があり、何を購入するか、非常に悩みどころではあります。やっぱり高いですから、基本的機器を購入するのか、時代の先端を行くアンチエイジング系の機器を買うのか、本当に悩みます。
機械貧乏になるのは好ましくないですし、経営も大事です。レーザーって高級外車よりも高価なので....。ものによってはマンションが買えます、本当に。
だからこそ自分の頭で、知識で機械が選択できるように常に勉強しないといけません。日々精進。