今月の税務情報 vol.56 「令和7年度に適用される定額減税」

今回の税務情報は、「令和7年度に適用される定額減税」についてご案内します。定額減税は、所得税ならば令和6年分、住民税ならば令和6年度分でそれぞれ適用されるものです。ただし、一定の方の場合、令和7年度分の住民税で適用されます。この対象者などについて確認します。
令和4年度税制改正では、中小企業向け・大企業向け双方の給与に関する優遇税制(以下、賃上げ促進税制)が改正されています。特に中小企業向けでは、今回の改正により最大で給与増加分の4割を、税額控除できるようになりました。両者の改正後の概要を確認していきます。
■ 定額減税とは
令和5年の経済対策に基づき、所得水準や世帯構成等に応じて給付金や定額減税が実施されることとなりました。
このうち定額減税とは、所得税や住民税を納付している合計所得金額1,805万円以下の方を対象に、納税者及びその配偶者を含めた扶養親族1人につき、次の金額を減税することをいいます。
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この場合において、定額減税しきれないと見込まれる方へは、調整給付が行われます。具体的には、当初給付として、すでに令和5年の課税状況をベースに、減税前の税額が少なく、定額減税しきれないと見込まれた方には、その定額減税しきれないと見込まれた額(1万円単位)が市区町村から給付されています。今後は確定した令和6年分の所得税額をベースに、当初給付に不足があると判明した場合は、追加で給付(不足額給付)が行われます。この不足額給付は、当初給付の対象でない方が、実際に定額減税しきれなかった場合なども含まれます。
調整給付は市区町村によって対応が異なる場合があるため、詳細は納税者がお住まいの市区町村へご確認ください。
今月の税務情報 vol.55 「申告書等の控えへの収受日付印の押なつが廃止」

本年も宮田知幸税務会計事務所に、ひとかたならぬご高配を賜り、厚く御礼を申し上げます。厳しい寒さが続きますので、健康には十分ご留意いただき、皆様どうか良き新年をお迎えください。今回の税務情報は、「申告書等の控えへの収受日付印の押なつが廃止」についてご案内します。
国税に関する申告書や届出書など(以下、申告書等)を税務署等へ書面で提出する際、提出した事実や税務署等がいつ受け取ったか確認等するために控えを添えて提出し、その控えに収受日付印を押なつの上、返送等してもらう実務慣行があります。この押なつが来年1月から廃止されます。
■ 2025年1月から廃止
国税に関する申告手続等について、オンライン化を推進するなど、デジタル社会の実現に向けた取組が進んでいます。実際オンライン化は年々進んでおり、国税庁から公表された「令和5年度におけるオンライン(e-Tax)手続の利用状況等について」によれば、オンライン利用率として法人税申告は86.2%、所得税申告は69.3%との結果が公表されています。
このオンライン利用率の向上や、今後も利用が拡大する見込みなども踏まえて、これまで行われてきた、書面提出による申告書等の控えへの収受日付印の押なつは、2025年1月から廃止されることとなりました。そのため、1月以降の書面提出は、正本(提出用)のみを提出します。なお、当分の間の対応として、希望者には申告書等を収受した日付や税務署名を記載したリーフレットが交付されます(郵送の場合は、切手を貼付した返信用封筒の同封が必要)。
■ 申告内容等の確認方法
書面提出を行った場合に、提出の事実や申告内容等を確認する方法として、国税庁は次の方法を案内しています。ご参考ください。
今月の税務情報 vol.54 「通勤手当とインボイス」

今夏は近年稀に見る猛暑となり、全国各地で災害級の暑さが記録され、熱中症の危険が高まっていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。お身体には十分ご注意いただきまして、適度にエアコンなどを使用し、定期的な水分補給をお忘れなく、この夏も健やかな毎日となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
さて8月の税務情報は、10月から始まるインボイス制度について、わからないことが多く、皆様からお問い合わせが相次いでいますが、その中から今回は「通勤手当とインボイス」についてご案内します。
従業員へ支給する通勤手当。インボイス制度がスタートすると、どう処理をするのでしょうか。Q&A形式で確認していきます。
■ Q.従業員もインボイスを交付?
| 弊社は消費税の課税事業者で、一般課税によって、納付すべき消費税額を計算しています。そのためインボイス制度がスタートすると、仕入税額控除を適用するために適格請求書等(以下、インボイス)の交付を受けて保存しなければなりません。 ところで、弊社は従業員等に対して毎月の給与に加算して、通勤手当を支給しています。この通勤手当に係る消費税は、現状、全額課税仕入れとして取扱っています。インボイス制度開始後も課税仕入れとするためには、インボイスの交付を受ける必要があると思いますが、従業員等からは難しいと思います。どうしたらよいのでしょうか?。 |
■ A-1.通勤手当に係る税の取扱い
給与に加算をして支給する通勤手当に係る税の取扱いは、次のとおりです。
- 所得税の取扱い -
給与に加算して支給する場合、一定額まで所得税が非課税となります。
- 消費税の取扱い -
通勤手当のうち“通勤に通常必要と認められる部分の金額”は、課税仕入れとして取扱います。この場合の「通勤に通常必要と認められる部分」とは、所得税が非課税となる一定額かは問われていません。通勤をするために通常必要であれば、たとえ一定額を超えたとしても、課税仕入れとして取扱います。
今月の税務情報 vol.53 「新しい賃上げ促進税制」

今回の税務情報は、「給与増加分の4割を税額控除!?新しい賃上げ促進税制」についてご案内します。
令和4年度税制改正では、中小企業向け・大企業向け双方の給与に関する優遇税制(以下、賃上げ促進税制)が改正されています。特に中小企業向けでは、今回の改正により最大で給与増加分の4割を、税額控除できるようになりました。両者の改正後の概要を確認していきます。
■ 中小企業向け
中小企業向けの賃上げ促進税制とは、青色申告書を提出する一定の中小企業者等が、給与総額を一定割合増加させた場合に、その増加額の一部を法人税(個人事業主は所得税。以下同じ)から税額控除できる制度です。
| 【令和4年度税制改正の改正内容】 教育訓練費の要件から認定経営力向上計画における経営力向上の証明を廃止するなど、控除率の上乗せ要件を見直した他、賃上げと教育訓練費それぞれに上乗せの控除率を設けて控除率を最大40%まで引き上げた上で、適用期限が1年間延長されました。 |
■ 中小企業向け 賃上げ促進税制の概要(令和4年度税制改正適用後)
| 中小企業向け「賃上げ促進税制」 | ||||
| 【適用要件】 | 雇用者全体の給与総額 : 対前年度増加率1.5%以上 | |||
| 【税額控除】 | 控除率最大40% | |||
| ■ 控除率を乗ずる対象 | 雇用者全体の給与総額の対前年度増加額 (雇用安定助成金額を除いた増加額が上限) | |||
| ■ 控 除 率 | 基本 | 15% | ||
| 上 乗 せ | 賃上げ | +15% | 雇用者全体の給与総額 : 対前年度増加率2.5%以上 | |
| 教育訓練費 | +10% | 教育訓練費※1の 対前年度増加率10%以上 | ||
| ■ 控除上限額 | 当期の法人税額×20% | |||
なお、令和4年(2022年)4月1日以後開始事業年度(個人事業主は令和5年分)から適用されます。適用時期にご注意ください。
今月の税務情報 vol.52 「電子取引の保存方法」

今回の税務情報は、「電子取引の保存方法」についてご案内します。
来年1月から変わる、電子メールを経由して収受した請求書等のデータ保存の仕方について、具体的にはどのように保存をすればいいのか、国税庁から公表されている 資料(※) を参考にして、確認していきます。
■ 電子取引とは
2021年4月の法改正により、これまで義務ではなかった相続登記が義務化されることになりました。この義務化は、法律公布(2021年4月28日公布)後、3年以内にスタートします。具体的な日は、今後の政令公布を待つことになります。
■ 相続登記とは
1.書類の保存義務
所得税法及び法人税法では、取引に関して相手方から受け取った注文書、領収書等や相手方に交付したこれらの書類の写しの保存義務が定められています。
2.電子取引とは
電子取引とは、上記1.と同様の取引情報(書類に通常記載される日付、取引先、金額等の情報)の授受を、電磁的方式により行う取引をいいます。具体的には下図の他、次のデータの授受も電子取引に該当します。
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上記1.の保存義務者がこの電子取引を行った場合には、その取引情報を電磁的記録により保存しなければなりません。これまでは、書面に印字して保存する方法も認められていましたが、来年1月1日以後に行う電子取引の取引情報から認められず、一定の要件を満たしたデータ保存が求められます。
| 資料(※) 国税庁ホームページ「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_03.pdf ほか |