新幹線60周年 / システムパッケージの奇蹟
全ての新幹線はこの日から始まり、世界中の高速鉄道はここから始まった•••••••,今月朔日 ── 去日となる10月1日に、新幹線は開業60周年を迎えました。
一般的に〇〇線 開業〇〇周年と言われる通り、東海道新幹線が開業して還暦を迎えました•••••••,と言われるものなのでしょう。
その祖を求めても結局は鉄道開業〇〇周年に行き着いてしまうので、新幹線も東海道は東海道、山陽は山陽、東北は東北、上越は上越として至極普通なのだと思われます。
が、新幹線って、高速で営業運転をし続けるために″発明″された、システムパッケージですよね。
操縦者と言う概念でのオペレーターはそれまでも存在していましたが、コンピュータと人間の協調、そしてコンピュータと人間の能力の融合。
未来は既にAIと言う新時代に足を踏み入れました。
新幹線の″ものすごさ″を語る時、ほとんどの場合で触れられない″世界初の核心部分″ですが、これは冷静に考えるととてつもない人類の偉業です。
そしてもっと凄いと感じさせられるのが、世界各国はこの技術革新を認めているにもかかわらず、当の日本人は全く無頓着なところでしょうか。
アポロ宇宙船を遥かに超えて、国際宇宙ステーション = ISSを実現可能にした、その基礎となるシステムパッケージ•••••••,それが新幹線。
なのに、日本の暮らしの中で、新幹線は当たり前の存在であって、世界を作り変えたその偉業を認識できていないでいる。
そう、認識しなくても構わないほど、新幹線の存在は身近である″凄さ″は、諸外国からすれば驚異でしかありません。
まずは鉄道と言う観点から、新幹線は世界へ広がりを見せます。
高速鉄道を開発するに至って、諸外国の鉄道界そしてメーカーは、高速で走る車両だけを開発しても、全く意味が無いことを理解し始めます。
高速で走る車両を支える新しい軌道 = 線路だけを建設しても、全く意味が無いことを悟ります。
時速200kmを超え、続いて時速300kmを超えて走るには、線路と車両を支えるシステム•••••••,トータルシステムの構築が必要であると気づくのです。
世界最先端のメカに人間が乗って操縦する•••••••,それは1972(昭和47)年10月から始まった、永井豪とダイナミックプロ・集英社・東映・フジテレビが作り出した金字塔作品「マジンガーZ」。
永井豪(ながいごう)氏は「渋滞に巻き込まれた自動車を見ていた時に、自動車から脚が延びて前の車をまたいで乗り越えて行けたらいいのに」と感じたことから、“乗り込んで操縦するロボット”の着想の根源になったと語っていました。
21世紀の現代、辺りを見回してみると、SFやアニメで空想のものとして描かれていた道具やメカが、とてもたくさん日常の中に存在しています。
マジンガーZそのものは、ヨーロッパを始め世界で人気を博した日本アニメ最初の作品でしたが、先進国の技術者たちの中でも、新幹線は1つの答えと認識されました。
アポロ計画 + マジンガーZ = 新幹線 ── 未来へ向けた新しいシステムパッケージ。
前述した国際宇宙ステーション = ISSは、1976(昭和51)年から実施されていたソ連による″恒久的に有人の地球周回ステーション″の発展的運用と。
日本でもその考え方はあって、やはり具現化の過程で誕生したものが戦艦大和でした。
そこへ、まだまだ原始的ではあるものの、コンピュータと言うシステムの誕生から、完成体として誕生したのがシステムパッケージとしての新幹線。
当時、夢の新幹線と呼ばれた日本の高速鉄道は、世界から見ても未来の乗り物でした。
アポロ計画がスタートしたのが1961(昭和36)年、新幹線が開業したのが1964(昭和39)年、月面着陸が成功したのは1969(昭和44)年。
無住力空間へ行くには特殊な科学技術も必要ですが、地上を300km/hで走り抜き続けるには、それもまた特殊な科学技術は必要です。
例えば地震が発生して揺れが到達するまでに、列車を安全に停止させるための″地震感知システム″も、新幹線のトータルシステムとして、パッケージされている機能の1つです。
保線車両や保安装置などの他、駅と言う存在もシステム化されてパッケージへ封入している新幹線。
新幹線が世界のShinkansenと呼ばれるその根源は、世界が真似しようともそれが叶わない、安定と安全を高速運転と共にパッケージした、トータルシステムによります。
高速鉄道を発展国へ輸出する際に、日本の新幹線は予算が高いと言われますが、その理由もこのシステムパッケージによるものです。
災害などがあった時、人命を守ることのできる高速鉄道。
それが高いのか安いのかは、その国の価値観によるものでしょう。
欲しいのは安定と安全を保障した日本の新幹線•••••••,だけど、お金は無いの ── も、その国の事情でしょう。
誕生から60年•••••••,還暦を迎えた新幹線パッケージのトータルシステムは、今後どのように進化するのか予想もつきませんが、N700S系のように、諸外国の事情も取り入れながら日本の高速鉄道を堅持する形は、今後の新幹線のあり方の1つです。
そして新幹線と言えば、0系で打ち立てた世界最速のタイトルは、永らくヨーロッパの鉄道に譲っていたものの、500系がタイトル奪還をしたのも、懐かしい思い出です。
今回は東海道新幹線60周年と言うことではありますが、新幹線というシステムパッケージが発明されてからも60周年なので、東北・上越・北陸・秋田・山形・九州の各新幹線も、写真を貼りました。
東海道新幹線をメインに、新幹線が表紙の時刻表も、全部ではありませんが貼ってみました。
今日は、各形式の表記や説明はしない方向でいたのですけれど、やはり形式だけは最後に記載しておこうかな?と、ここに明示します。
冒頭は60周年のイメージ画として、100系と200系200番台をアソートしてみた写真と、続いては過去に作成した0系と200系のアソートです。
そして0系・300系・500系・700系・N700A・N700Sと、1000系そして歴代のドクターイエロー、4000系・SFM-C 1030形・912形機関車・911形機関車です。
200系更新タイプ・400系・E1系・E2系・E3系・E4系・E5系・E6系・E7系・E8系そして800系・N700Sかもめタイプ、100系と951系と並んでいます。