101系 と 103系 / 京都鉄道博物館 | 安芸もみじ / Photos, Historys, Trains - Hiroshima JAPAN

101系 と 103系 / 京都鉄道博物館


京都鉄道博物館にはさまざまなトップナンバーが収蔵されていて、その稀少性が博物館としての格式を上げています。

今日の記事の主役である103系電車も、プロムナードへ収蔵展示されている、クハ103形がトップナンバーです。

クハ103-1は、1964(昭和39)年に山手線用編成の1両として誕生し、首都圏の国電の近代化を加速的に推進させる第一歩となりました。

デビューが山手線だった故に、当初のカラーはウグイス色でしたが、7年後の1971(昭和46)年に京浜東北線に転属してスカイブルー色となりました。





首都圏では中央線での配属がなかったため、バーミリオンオレンジ色にはなりませんでしたが、1976(昭和51)年に大阪環状線へ転属し、この時にバーミリオン色となりました。

国鉄時代からJR西日本の時代となるまで大阪環状線で運用されましたが、2007(平成19)年に阪和線へ転属した際に、再びスカイブルー色となりました。

2011(平成23)年3月にその役目を終えて廃車となりましたが、吹田総合車両所に留置されて見学会や撮影会にて展示され、2016(平成28)年の京都鉄道博物館開館時に展示車両となりました。

京鉄博へ展示されるにあたり、ほぼ原形へ復元 されましたが、その整備の際にバーミリオン色へと変更されました。



原形復旧とは言え、屋根上クーラー室外機と室内空調設備・ブタ鼻ヘッドライト・スカート兼排障器はそのままの姿となっています。

そしてもう1つ、103系電車と言えば営業路線別での単色カラーリングが有名ですが、これによりマリーゴールドイエローとエメラルドグリーンにはなったことがありません。

さてこの2枚の運転席の機器の写真は、上が103系電車のものて、下は101系電車のものです。

101系は戦前形 63系電車とその派生形式を置き換えるために開発された、国鉄初の新性能電車でしたが、運転席のレイアウトでは高性能化によって増えたメーターや他機器と、旧型電車と同じ設計パターンから抜け出せていない、混乱したレイアウトのように感じます。




京鉄博の101系は車番の無い設備品で、101系電車が大阪環状線に投入される際に教育用に製作された、どちらかと言えば モックアップと呼びたい展示品です。

1941(昭和16)年に就役した戦艦大和は、日本の船体の造船技術を世界一へと押し上げただけでなく、電化システムの構築も一気に世界水準のトップへと押し上げました。

艦底から防空指揮所まで12階建てのビルに相当するその船は、砲弾や武器の移送用や荷物用、乗組員用のエレベーターが目的別に配置され、空調完備に厨房や菓子工場など日本初のオール電化建造物でした。

当時の豪華客船以上に豪勢なギミックを満載した戦艦大和は、戦後の日本の復興と高度成長期における設備の確立の礎となり、空調機や電動機の発展にも貢献しました。





101系電車の中には後に新幹線へも発展した主抵抗器などのメカも稼働状態で展示されていますが、弱電の完全確立は旧型電車の集大成である80系電車でした。

1954(昭和29)年以降、大手私鉄ではカルダン駆動方式を採用した通勤電車が次々と投入されていて、国鉄でも1957(昭和32)年に90系電車として登場しました。

カルダン駆動方式は開発当初は高性能電車と呼ばれていましたが、それまでの吊り掛け駆動方式とは根底から別次元のシステムなため、後に新性能電車と呼ばれることとなり、1980(昭和55)年まで国私鉄で席巻します。

カルダン駆動方式はチョッパ制御へと移り変わり、そしてVVVFインバータへと技術の革新は続いて現在に至ります。




90系という形式は、1959(昭和34)年6月に形式称号改訂が実施され、101系という形式名称が与えらレました。

京都鉄道博物館には101系の模型も展示されていますが、こちらもバーミリオンオレンジ色に塗装されていて、中央線や大阪環状線をイメージさせています。

しかし101系は1番最初、マリーゴールドイエローの単色で、中央線も総武線も色分けされずに同一色だったので、模型ぐらいはマリーゴールドイエローであって欲しい気もします。

103系電車は101系電車の試作的要素を廃して大量生産された増備形式で、世代毎に時代に合わせた各タイプが存在します。





最後は一気にズラズラズラっと貼りましたが、これまでにブログで掲載したことのある103系を、少し再掲載してみました。

上から京葉線 市川塩浜駅 での103系、呉線 呉駅 での103系、播但線 姫路駅 での103系、奈良線 京都駅 での103系。

引退前に特別展示された145系 クモル145形も101系電車からの改造車なので、左奥に101系電車が見えるように、そして101系電車の運転台からの写真も再掲載してみました。

そして、京都鉄道博物館展示車両のクハ103-1車内に掲示されているモノクロ写真と、本館内展示資料の″大阪環状線開通記念 絵はがき″の順です。





101系電車と103系電車合わせて4,982両が一大勢力を誇りましたが、現在、日本にオリジナルの103系電車はもう走っていません。

が、オリジナルから延命工事を受けた播但線の103系、九州の筑肥線には車体が201系ベースで105系そっくりな顔立ちの103系が細々と最期の任に就いています。

そしてローカル線用に設計された105系電車が、かつての103系電車を偲ばせてくれますが、かつての長大編成を彷彿とはさせてくれません。

時代は移り過ぎて行くもので、形あるものは必ず失われて、それは自然の摂理であり真理なのですが、解っていてもやはり切なさと寂しさは禁じ得ないところです。


にほんブログ村 鉄道ブログへ
広島ブログ
Please follow the blogxTranslated profile page
安芸もみじツイッター安芸もみじインスタグラム安芸もみじユーチューブ安芸もみじフェイスブック


鉄道から見る広島郷土史
平和記念日と終戦記念日
D51639の日
芸備線と持続不能の日本
湘南形電車誕生の日