芸備線 と 持続不能の日本・その8 | 安芸もみじ / Photos, Historys, Trains - Hiroshima JAPAN

芸備線 と 持続不能の日本・その8

-芸備線と維持困難路線・その8-

新山口駅でのキハ40系。

今回の写真は前回からの続きですが、D51やDD51そしてキハ187系・キハ120系など、やや華やかです。

新山口駅での山口線の風景は賑やかで、人口密度が遙かに高い広島駅の芸備線よりも活気があるように感じます。



しかし芸備線も山口線も、輸送密度2000人以下の単独維持困難路線に数えられていることは、既に周知の事実です。

収支の数字だけで考えるとJR西日本としては、新山口~山口間そして広島~狩留家間は自社路線とし、残りの区間を何とかしてくれと言う所でしょう。

先日、過疎路線の収支を公表したJR西日本ですが、その直前では継続可能な交通形態として今後の在り方に言及した際のこと。




沿線自治体では「非常に驚き。それでいいのかという思いを強くする」と困惑から批判的な コメントが相次ぎました。

芸備線・福塩線・呉線・木次線という対象4路線を抱える広島県では、湯崎知事が「2000人に至らない箇所をぶつ切りにしたら、日本のかなりの部分で鉄道が失われる」と批判しています。

そして路線の継続へ向けた県独自での支援について「われわれが財政出動する計算になっていない」とし、「しっかり国、国会で議論すべき大きな問題と思う」と訴えました。



政府としては国鉄分割民営化の際の建前から、なかなかな重い腰を上げられずにいるのが現状で、諸問題を封印したまま強行した過去の責任を問われることに懸念を示しています。

国鉄民営化そのものは必要な改革だったことは間違い無い事実です。

しかし民営化ありきでその方法や諸問題の対策を蔑ろとなせたのは、中曽根康弘総理(当時)の在任期間中の達成が最終目標だったためです。



この一総理大臣の犯罪とも言えるエゴに、JR7社とその利用客そして沿線住民が今、そのツケの清算に迫られているのが、現状と言ったところです。

今のJR7社における経営危機は、国鉄民営化の話しが出た時から訴えられていたことは、当時を知る人には記憶から薄れることの無い懸念事項でした。

新型コロナウイルスの流行は、その時期を早めただけで、必ず今のような状況に陥ることは確かな未来だったにもかかかわらず、信任選挙で中曽根康弘総理に強行させたのは日本国民自身です。



解りきっている諸問題を先送りにしたその未来が訪れた訳ですから、国民自身が30年前の責任を負うのは当然の義務です。

もし、当時から訴えられていた諸問題を解決しての、準備万端な国鉄民営化なら今の経営危機は民間会社としてのJR7社の経営責任だけを問うことになるのですが。

まだ当時20歳に至っていなかった、または生まれていなかった50歳以下の人には理不尽な話しではありますが、祖父母そして父母の責任を負うのは仕方ありません。




沿線地域にとってその鉄道路線が本当に必要かどうか、必要な路線であればどのように維持するのかはこれからの課題ですが、NTTのような基金の創設や公的資金の投入なども必要でしょう。

国の負債や年金問題と同様に、30年前の責任を今そして未来の人たちがどう痛みを分け合うのか。
ローカル線存廃問題は、新たな時代に移りました。





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