芸備線 と 持続不能の日本 / 小雪の舞った広島 | 安芸もみじ / Photos, Historys, Trains - Hiroshima JAPAN

芸備線 と 持続不能の日本 / 小雪の舞った広島

-芸備線と維持困難路線・その6-

昨日のRedWing-227系の記事と同じく2月19日に撮影したキハ40系です。

自分が乗って帰って来た8番ホームへ停車しているキハ40系ですが、この時点ではまだそれほどの雪ではありません。

チラチラふわふわという感じです。



さて芸備線ですが、今年2月7日にその利用促進に向けたJR西日本と関係自治体による検討会の3回目が開催されました。 

芸備線は持続可能な運行路線として、岡山県新見市と広島県庄原市を中心に、沿線自治体による路線存続に向けた取り組みを進めています。

2021年8月に始まった検討会のもとでは、臨時快速「庄原ライナー」の運転や、生活利用の利便性を高める臨時増便をはじめ、沿線でのイベント開催など、芸備線の利用拡大の可能性を探る施策が行われました。



その結果、臨時列車とイベント実施などの相乗効果で、土休日を中心に利用客の増加はあったものの、地域住民の生活利用が中心となる平日では昨年比で15%の減少が確認されました。

そもそも日本国において人口そのものが減少しており、山間部では特に加速的に過疎化は進んでいる現状。

落ちた水滴が、全体の乾燥率は同じものの端から乾失して行くのと同じで、どうしても人口密度の薄い場所から廃集落と化して行きます。



人間が文化的に生活しようとすれば、インフラ・ビジネス・エンターテイメントの3つの充実が必要で、これらは人口密度の高いほど多種多様に充実します。

人が都市部へ移住するのは自然な現象で、俗に言う田舎で暮らしたいと言う人が、増えにくい最大要因となっています。

芸備線に見れば、庄原市・三次市が沿線都市部として機能しなければ、人口の流道は広島市・岡山市へと遷ります。



しかし大都市部で生活している人の、田舎で暮らせないけれど憧れるといった人は多く、その辺りのニーズに応えられれば事業として成立します。

実際、広島から三次までは遊びに行く目的を作れますが、庄原へは行ってから何するの?というのが現実です。

当然それは新見から庄原でも同じことで、庄原へ着いてからは移動手段が無いため、どうしても自家用車で向かうことになります。



春の庄原は桜まつりが有名ですが、1年通して人が訪れる他の何かを模索する必要があります。

広島市に住んでいる人間から見ると、東城町も庄原市も観光地としてのポテンシャルは高く感じるのに、当の自治体が分かっていないように思えます。

芸備線自体が使い辛いのも、鉄道の優位性が発揮できないのもJR西日本の責任で、沿線自治体へ人が訪れない原因は、受け入れ態勢の無い各自治体の責任です。



JR西日本が廃線の提案をする前から、未来へ向けた態勢づくりは必要だったにも関わらず、JR西日本がお手上げになってから慌てていることには、滑稽にしか見えないのも仕方ないでしょう。

しかし今からでも遅い訳では無いのも事実で、アフターコロナ時代を見据えて、都市機能として欠けている物を補うよう働きかけ、芸備線を安定的な観光路線へと転換できれば、持続可能な鉄道として存続できるでしょう。

インフラ・ビジネス・エンターテイメントの3要素は、住民へ対してだけでなく観光誘致にとっても必須要件です。





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