芸備線 と 持続不能の日本・その5
10月17日に撮影したキハ40系です。
まずは岩国駅のキハ40系ですが、岩国駅は山陽本線・岩徳線・岩日線のターミナル駅でしたが。
岩日線は廃線の危機に陥りながら、第三セクターとして生き残り、錦川鉄道として誕生してから今年7月25日で35周年を迎える32.7kmの路線。
列車の運行は岩国駅が始点ですが、路線としては岩徳線の川西駅が起点です。
錦川鉄道の主要株主は岩国市 45.8%・山口県 16.7%・広成建設 7.5%・山口銀行 5.0%・中国電力 5.0%で、JR西日本は絡むことの無い丸投げ路線ですが。
関連事業として旅行業 = 清流線トラベルサービスや、岩国市営バスの路線委託によるバス運行、 JR西日本岩国駅東口の出札業務を受託。
岩国城やロープウェイの指定管理業務及び錦帯橋の管理運営業務、レンタサイクルの運営など業務は多岐にわたっています。
また、未成線となった錦町~六日町間の内、錦町~雙津峡温泉間6kmの路盤を有効活用した、ゴムタイヤ遊覧車「とことこトレイン」の運行(岩国市錦町総合支所からの委託)があります。
本業である鉄道事業では、開業以来1度も営業黒字を計上していないものの、公的補助を加えると会社全体としての経営には、特段の問題点もなく、今のところ存廃問題とは無縁な鉄道会社です。
これは地元住民および自治体のマイレール意識が高いことと、鉄道運行業務以外の収入が占める割合も高いことから、安定した経営が継続されているのですけれど。
去日、JR北海道が廃止路線として地元へ丸投げした根室本線の富良野~新得間も、4市町村会議にてバス転換を受け入れる意向を公表しました。
また、2030年に開業予定の新幹線札幌延伸において、函館本線の小樽~長万部間の廃線も道と関係9市町が、余市~長万部間のバス転換する方針で合意しました。
本当に線路が繋がっていなくて大丈夫なのか?分断された線路に営業力は保持できるのか?とても疑問に感じます。
今は長引くコロナ禍の渦中ですが、北海道と言えば観光事業による道の収益は、占める割合が高い地域。
観光客がバスに乗ってまで移動するか?と考えた時に、北海道は既に観光地としての魅力は無いと感じられずにはいられません。
北海道へ旅をするくらいなら、海外へ旅行した方が充実するし楽しいだろうと推測されます。
立地条件や取り巻く環境が違うので同一視はできませんが、錦川鉄道や他の鉄道会社の取り組みを、本当に真剣に参考として答えを出されたのか、疑問に思うところが大きいのです。
失われた鉄路は、もう戻らないのですから。
広島も芸備線の存廃問題に直面しており、過去には可部線の可部~あき亀山間の再生と県北の衰退、未だ宙ぶらりんな三江線の三次~尾関山間、廃線後に必要となった段原・宇品地区再開発の宇品線などの経験。
そして平成30年豪雨災害時の、県外のどことも線路が繋がっていなかった時の体験から、北海道の出した答えに少し心配になった故の、今日の記事でした。
あぁ、後半の写真は山陽本線開通120周年記念号と、下関~広島間を定期回送するキハ40系ですが、場所は柳井駅で撮影日は岩国駅と同じく10月17日です。
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