芸備線 / ダイヤ改正とその行末
広島駅の8・9番ホームに発着する、芸備線のキハ40系です。
広島駅からは山陽本線・呉線・可部線・芸備線の列車が発着し、過去には宇品線という路線もありました。
宇品線は電化されることなく1986(昭和61)年10月1日に廃線となり、可部線は可部~三段峡間が非電化でしたが、2003(平成15)年12月1日で区間廃止となっています。
現在は電車ばかりが往来し発着する広島駅ですが、芸備線は全線非電化路線であり、8・9番ホームのみディーゼルカーが発着しています。
それでも狩留家駅までは広島ネットワークシティエリアで、日中の平日は毎時2本・土休日毎時2~3本の運行で、朝夕は運行本数が増え特に下り列車は、7時台の広島着の列車は5本の運行でした。
またこれ以外に"快速みよしライナー"が平日4往復、土休日は下り6本・上り5本設定されており、キハ40形・キハ47形が華やかにディーゼルエンジンを響かせていました。
そして今回の2021年3 月13日にJR西日本広島支社ダイヤ改正を迎えました。
日中(9:00~15:59)の運転本数について概ねの対比ですが、広島~下深川間は16本と維持されましたが、下深川~狩留家間は13本から8本へと5本の減便、狩留家~志和口間は7本から5本へと2本の減便、志和口~三次間は5本と現状維持となりました。
土休日は広島~下深川間は16本、下深川~狩留家間は13本から9本へと4本の減便、狩留家~志和口間は7本から6本に1本の減便、志和口~三次間は6本の運行となりました。
16:00以降については時間単位で変動しており、細かくなってしまうので省略しますが、芸備線沿線は過疎化が進みつつあり、この度のコロナウイルスの影響が追い打ちとなりながらも、それなりの運転本数は維持されたと言うべきかも知れません。
終便繰り上げに関しては、三次行き22:11発から21:09発へと約1時間の繰り上りとなり、新幹線との接続は東京16:51・新大阪20:01発 のぞみ51号と、博多20:01発 のぞみ78号に。
志和口行き最終列車は23:11発から22:39発に32分繰り上がり、新幹線との接続は東京18:30・新大阪21:02発 のぞみ103号、博多21:09発 みずほ614号。
芸備線最終列車となる23:46発の下深川行きは、23:20発と26分繰り上がり、新幹線からの乗り換えは東京19:09 ・新大阪21:38発 のぞみ105号と、博多発21:51発 さくら408号で充分間に合います。
尚、博多21:40発 こだま878号は広島23:19着なので、乗り換えはかなり厳しいと思われます。
余談ですが、列車が楽かバスが楽かは好みによりますが、三次経由庄原行きが21:15発で、三次行き22:45発という高速バスが、広島駅新幹線口から発車するようです。
さて、このような改正となった今回ですが、コロナウイルスが終息したとして、山陽本線・呉線・可部線は利用者の様子を見ながら元に戻ると思われますが。
去日の2月22日にJR西日本は『経営が悪化しローカル線の維持は難しい』と公式に発表し、広島県と沿線自治体は危機感を抱いています。
芸備線は広島~新見間を結ぶ山間路線ですが、新見~備中神代間は伯備線となり、廃止想定区間は利用者数1ケタとなっている東城~備後落合なのか、備中神代~三次間のもっと広い区間となるのかは明らかとなっていません。
ただそれは好意的に見た考え方で、今後の話し如何では広島から三次までも線路は届かなくなる可能性も孕んでいます。
JR西日本は利用者の少ないローカル線について、廃線も視野に見直しを進める考えを明らかにした背景には、過疎化とコロナウイルス感染拡大による利用者の減少で、会社全体として今年度の純損益が過去最大の2,400億円の赤字が見込まれることから、厳しい経営状態を改善しなければならない責務からで。
具体的な施策はこれからなので、具体的な対象路線名は明らかにしませんでしたが、『西日本管内は、かなりの線区で問題を抱えている。広く沿線自治体と課題を共有させていただきたい』と、今後の地元自治体と話し合いを進めていきたいとしています。
JR西日本管内で昨年度の1日1キロあたりの輸送密度で、最も小さかったのは備後落合〜東城間の11人で、この発表があって誰もが芸備線を思い浮かべたようですが、実際はもっと維持困難路線は多く、今後の動向が注目されます。
JR西日本がどこまでを見直し対象とするかは不明ですが、もし底辺密度の裾野を広げると、芸備線は広島~志和口間のみとなり、志和口~備中神代間は廃止という推論意見も現実味を帯びてきます。
芸備線の利用促進に向けて、広島県や沿線自治体は協議会を立ち上げて、近年ずっと活動を続けてきましたが、昨年はPRイベントも中止が相次ぐなど、さまざまな活動が制限されてしまいました。
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オリーブオイル、家にある?
今後どうなるかは現時点にといて、全く予想ができない現状ですが、芸備線のみならず各ローカル支線の沿線自治体とJR西日本は、対策を練りつつ協議を早急に始めることとなります。
広島県は特に、2018(平成30)年に廃線となった三江線の折り、JR西日本が廃止届けを提出した後に三次~尾関山間の存続願いをするなど、初歩的な失態を犯したらしく、速やかに対策会議を沿線自治体と繰返し、綿密なスケジュールを策定してJR西日本との協議にあたって欲しく思います。
と言うことで今日はオリーブの日。
1950(昭和25)年3 月15日、昭和天皇が小豆島を巡幸の際にオリーブの種を撒かれたことにちなんで・・・・と、つい最近この記事を書いたような気がしたのですが。
実はもう1年も経っていました。
1年って、早い。
ちなみに昨年の3月15日は『251系 スーパービュー踊り子 ー①』でした。