特急富士2008・Vol.6 | 安芸もみじ / Photos, Historys, Trains - Hiroshima JAPAN

特急富士2008・Vol.6

特急富士

夜が明ける頃、ふと目が覚めてまどろみをおぼえることがある。

夜明けはまだ、町は静かだ。

しかしいろんな音が聞こえてくる。

新聞や牛乳を配達する音。

道を掃除する、齢を重ねられた女性たちの話し声。

ジョギングや犬の散歩をしている人も挨拶をしている。

そんな中で、まだ活動を始めることをためらっている脳に、ひときわ心まで響く音がある。

朝一番の汽笛…。

(あの列車はどこまで行くのだろう…)

郷愁をあおり立てるその音色は、子どもの頃の記憶も蘇らせる。

幼い思い出、初恋の人、そして旅立ち。

私は、懐かしさに包まれながら、再び眠りに落ちて行く。

遠くで汽笛を聞きながら。

次に目覚めた時には、喧騒に包まれた普段の朝が待っている☆

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