臨時国会での質問主意書の答弁書がかえってきました。

 

 一言で言えば、説明回避、説明不能というところでしょうか。あるはずの(あったはずの)資料をないことにしたために、説明のしようがなくなっています。こういう姿勢をつづけることは、現場の職員の「全体の奉仕者」としてのプライドを傷つけるものです。安倍政権は、正直に国民への説明責任を果たす立場にたつべきです。そして、内閣府職員のみなさんにも、「全体の奉仕者」として勇気を発揮してほしいと思います。

 

 さて、報道によると、今日も菅官房長官は、招待者名簿の破棄について、「ルールに基づいて遅滞なく破棄」と繰り返したそうです。

 

 菅官房長官は、公文書管理のルールを知らないか、ルールを知りながらすっとぼけているのか。

 

 「行政文書の管理に関するガイドライン」という内閣総理大臣決定があります。文書の保存期間に定めた部分の一部を抜粋します。

 

(5) 1-(1)の保存期間の設定及び保存期間表においては、歴史公文書等に該当しないものであっても、行政が適正かつ効率的に運営され、国民に説明する責務が全うされるよう、意思決定過程や事務及び事業の実績の合理的な跡付けや検証に必要となる行政文書については、原則として1年以上の保存期間を定めるものとする。 

(7) 1-(1)の保存期間の設定においては、通常は 1 年未満の保存期間を設定する類型の行政文書であっても、重要又は異例な事項に関する情報を含む場合など、合理 的な跡付けや検証に必要となる行政文書については、1年以上の保存期間を設定するものとする。 

 

 「ガイドライン」は明白です、事業の実績の合理的な後付けや検証に必要となる行政文書は1年異常の保存期間を設定することになっています。

 

 今回、桜を見る会は、安倍晋三後援会活動として、後援会員や地元有権者へのサービスとして私物化されていた実態が明らかとなり、安倍首相も桜を見る会の中止を表明するにいたりました。さらに、ジャパンライフ山口会長が宛ての「桜を見る会の招待状」が甚大な消費者被害をうんだことが明らかになっています。まさに、桜を見る会は、事業の「検証」が必要になったわけですが、その検証にかかせないのは、招待者名簿、とりわけ官邸枠、自民党枠からの推薦名簿です。また、官邸、自民党に内閣府・内閣官房が発出した、選考基準等をしめす推薦依頼の文書です。それ以外にも必要なものは多々あるでしょう。

 

 事業の検証にかかせない、招待者名簿等は、「行政文書の管理に関するガイドライン」にもとづけば、1年以上の保存期間に設定しなければならないものです。

 

 だからこそ、2018年4月1日以前は、招待者名簿等は、安倍政権のもとでも、保存期間は1年(麻生内閣では3年)とされていたわけです。

 

 2018年4月1日以降、招待者名簿等の保存期間を1年未満にしたと政府は説明していますが、保存期間を1年未満としたというのは、内閣総理大臣決定である「「行政文書の管理に関するガイドライン」に違反していることは明白です。

 

 ルール(内閣総理大臣決定)に反した保存期間の設定は無効でしょう。そして、ルール違反の保存期間表にもとづいての文書の破棄もまた、ルール違反でしょう。

 

 菅官房長官は、この「行政文書の管理に関するガイドライン」をご存じないのでしょうか。それとも、知っていながら、知らないふりをしているのでしょうか。