なにやら突然、大阪にF1を誘致するべくプロジェクトを開始します、みたいな宣言をしたようです。
参考にするため、シンガポールGPを視察したようです(シンガポールGPには新しい学校も呼ばれていました(余談))
https://jp.motorsport.com/f1/news/f1-osaka-yuchi-project/10566263/
主体は大阪観光局ですが、開催のための資金は「府」ではなく民間から集めるとしています。
本気で誘致できると考えているんでしょうか?
課題は概ね以下の3つあります、費用を抜きにしてですね。
1.コースはどうするのか
F1が開催されるコースはパーマネントコースと市街地サーキットがあります。
有名なモナコや視察をしたシンガポールは市街地コースです。
まずパーマネントコースを作るとしたら大阪府(出来れば都市部に近いところ)の何処に作るのか?
土地はあるのか?
という問題があり、またパーマネントサーキットで収支を黒字にするのはほぼ困難です。
では市街地はただ走るだけなら幅のある道路をコースとして選べばいいのですが、問題はパドック。
全部で10〜13チームの車の整備、機材置き場、スタッフが活動するバックヤードなどかなり広いスペースが必要です。
加えてVIPや高額のチケットを払った人達が楽しむためのスペースも必要です。
市街地コース脇にそんなスペースが有るところって…。
ショッピングモールの駐車場ぐらいのスペースが有ればよいのですが。
いずれの選択にしてもかなり厳しいと思います。
加えてそれを整備する費用についてもね。
2.開催権の取得が困難
開催権の費用は、鈴鹿サーキットが2021年に更新した時、年1600万ユーロ(21億円)ぐらいだったそうなのでその額を大阪府が払えないということではないと思います。
金額はさておき、現在年間24戦を行っているF1に開催数を増やす余地はほぼありません。
実質何処かから奪い取るしか無いのです。
しかも最近のF1人気の影響で開催したい「国」は沢山あります。
それらを出し抜いてまずは開催券を手に入れないとお話になりません。
なにか策でもあるのでしょうか?
3.イベントの収支は必ず赤字になる
F1を開催する側が、開催権費、コース整備費用、イベント開催費等を入場料、グッズ販売などで補ったとしても収支は必ず、赤字になります。
特に開催初年度はコースにかかる費用があるので特に赤字額は大きいでしょう。
他のF1開催地ではどうなっているかと言えば、赤字分は国が補填するわけです。
大阪にF1を誘致できたとして、赤字の補填はどこがするのでしょうか?
国?は無いですね、鈴鹿で開催しているのですから大阪で追加開催するだけの理由はありません。
府が補填するかと言うとそれも難しいでしょう。
消去法で行けば企業が分担して補填するしかなさそうです。
ちなみに2023年に初開催したラスベガスは準備費用だけで4億ドルかかっているといいます。
収支のデータはありませんでしたが、F1開催後も建設した施設を活用することが前提になっています。
仮に大阪でF1を開催するとしたらまずはこの3つの課題があります。
1.は物理的な課題、2.は交渉力を要する課題、3.はおそらく民意を味方につけられるかどうかが問われると思います。
さて、これらの課題を乗り越えて誘致できるのか、見届けたいと思います()