ラーメンの原価率はいくら? | 宮本 茂@横浜 書きたい事を書くブログ

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久々に外食系ネタです。

以下のような記事を見つけたので読んでみました。

 
この記事は個人営業(記事内容から推察)のラーメン店の店主に個々のラーメンに使用されている原料、具材の原価を確認し、原価率がどの程度なのかを確認してみましたという内容です。
ここで言う原価、外食店の原価とは商品を作るための原料、具材(加工、半加工品)と都度使用される消耗品等を含めた価格の合計を商品提供価格(小売価格)で割った数値です。
都度使用される消耗品としては例えばマックで商品を提供する際の紙の箱等が該当します。
 
記事では提供価格800円(実際の価格かどうかは不明)の醤油系ラーメンを例題として挙げています。
豚骨系はスープにかかる原材料費や手間がかかるという事でこの店では提供してないのかもしれません。
 
この醤油系ラーメンの要素を原料、具材に分けて原価を実金額で出しています。
以下上の記事から引用。
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麺:80円(工場などで製造したものを使用した場合)
タレ:70円(自家製)
チャーシュー:60円(普通サイズ2枚)
煮卵:20円
ネギ:5円
メンマ:10円
もやし:10円
*この他にも、スープの原材料として利用した豚骨や鶏ガラ、ネギやニンニク、そして香辛料なども使用されています。

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このケースでトータル255円。

255/800≒0.3190=31.9%

個人レベルで経営する外食店の適正原価率が30%から35%と言われてますから原価面で見ればまあ健全な経営をしていると言えます。

以前ラーメンプームが起きた時、一部のラーメン店が次々破綻していきました。

理由は素材に拘りすぎて原価率を上げすぎたというのが大半の理由です。

記事では単品トッピングだと思いますが、チャーシューや煮玉子などは原価から見て手間がかかっているので割安だとしています。

たしかに手間がかかりますからね。

 

外食店ではこの原価率以外にも目安とすべき数値があります。

FLコスト比率(FL比率)というもので、原価に人件費(従業員、バイト)を加えたものを提供価格で割ったもので、単体メニューではなく店舗全体での数値となります。

このFLコスト比率は60%以下が適正値と言われています。

55%以下の場合は経営状態が良好、65%を超えたら経営は危機的状況だとされます。

先のラーメンブームで素材に拘りすぎた場合、人件費に割かれるコストも削減できず、結果FLコスト比率が65%を大きく上回っていたのでしょう。

 

それ以外に店舗の家賃などがありますが、これは10%以下が目安としてあります。

そして光熱費等もかかりますので、その他諸々を引いて残るのが営業利益です。

経済産業省の報告だと、飲食店全体の営業利益率は平均で8.6%だそうですが、これは大手も含んだ数字だと思いますので個人店はもう少し厳しいと思います。

 

最近はあまり聞かなくはなりましたが、コスパコスパと騒いで飲食店を高いとこき下ろす人らがいましたが、飲食店経営の概要について何も知らない無知な人らなんでしょうね。

これらのことを理解した上で提供価格、味などが納得出れば利用すればいいし、そうでないかもしくは他の理由があれば利用しなければいいだけです。

コスパコスパと騒ぐのだけはヤメましょう。