王様の耳は | かなり昔の小細胞がん(子宮頸がん)の話

かなり昔の小細胞がん(子宮頸がん)の話

2004年に子宮頸がん小細胞がんになりました。
かなり珍しい種類のがんなので治療方法とかを書いてます。
今更かよ~役にたたないよ~と自分でも思いますが・・・
再発しても生きてる人はたくさんいます。
自分が納得した治療ができるといいなと思います。

なんだか急に冬だぞー


シーマさんのお墓に行った。

シーマさんはクリスチャンなので

団体さんで同じ敷地に入ってる合同の墓。

3年前に亡くなった旦那様の隣に

シーマさんの名前が彫ってあった。

いつまでもラブラブなんだね。


シーマさんは緩和ケア科のボランティア友達。

2014年の11月、虫垂がんが判明した。


その前に

シーマさんは腸閉塞の手術をした。

原因は盲腸の手術の癒着ではなくて

実は癌の腹膜転移だった事は

「公表しない」と決めた。


シーマ「みんなには普通に接してほしいのよ」

都島「うん、わかった」


ボランティア活動に復帰した。

シーマ「痩せちゃったけど、大丈夫よ~」

ニコニコ笑って普通に活動していた。


私は、実は、とっても、辛かった。

「王様の耳はロバの耳」の話が身に染みた。


シーマさんは人気者だから皆が心配した。

「本当に大丈夫なの?凄く痩せちゃったけど」

と何回も聞かれた。


嘘をつくって辛いんだ。

全然楽しくないや。

初めてわかった。



シーマさんと2人だけになった時に

腹膜播種の治療をしている病院や

手術ができる病院

低用量抗がん剤治療をしている病院

漢方薬中心の病院

彼女が既に知っている情報をしつこく提案した。


シーマ「どうもありがとう。

 でもそれは若い人がする治療よね

 私はもう治療はしないと決めたのよ」

年齢なんか関係ないよ!



年末から体調が悪化。

年初から今までの病院に入院した。

そして、転院を希望した。


シーマ「そっちの病院に転院したいの。

 今の病院には緩和ケア病棟がないし

 やっぱり設備的にも、そっちがいいと思う」


自分の事は自分で決める。


癌だったご主人をこの緩和ケア病棟で見送り

自分がボランティアをしていた所に

転院を希望した。

全てがとんとん拍子に進んで

すんなり希望がかなえられた。


キリスト教とか

仏教とか

よくわかっていないんだけど


神様っているんだ、と思った。


緩和ケア病棟に入院するのは

タイミングが悪いと

とっても時間がかかってしまう・・・


勿論、シーマさんが癌になった事は悲しい。

どうしてだろう。

なぜ、あんなに良い人が

何も悪い事をしていない

誠実で優しくて信仰心の厚い

そんな人が癌になったんだろう・・・


誰でも癌になるんだ

なる可能性がある


でも自分のしたい治療を自分で選べる

限られた選択肢の中だとしても

その中で自分で一番したい事を決める


そして、そのようにする


これは、やっぱり、凄い事。



シーマさんのお墓のそばに大きな木があった。

紅葉した枯葉がパラパラ落ちてくる。

その落ち葉の掃除が大変で

カダさんと必死にホウキで掃いた。

カダ「これ、いくら掃いても、どんどん落ちてくるね」

都島「だめだ、手が痛くなってきた」


お祈りしている間にも

どんどんどんどん枯葉が落ちてくる。

ドリフのコントみたい。


シーマさんが

「あら、まあ、大変ね~」って笑ってた(気がする)


シーマさん、また会いに行くね。

でも次は落ち葉のない時期に行くよ!