高麗屋の3代が共演する息子のために夜の部になったのです。
最初は鶴亀、福助を真ん中に松緑親子と幸四郎親子で春の節会が行われる宮廷。
鶴と亀に扮して寿ぐ踊りを披露する。
この日は左近が扇を落としたけどすぐ立ち直っていた。
こういう時の松緑も幸四郎も破綻がない。福助もせい一杯頑張って手を
動かしていた。
次は寿曽我対面でお正月には必ず出す曽我兄弟の話。
工藤が梅玉で十郎が扇雀、そして五郎が芝翫でした。
元気のいい五郎だったけど工藤の梅玉が通らない声でその分貫禄がなかった。
次が息子。
新作だと思っていたらかなり前から上演されていて先代の松緑と今の白鸚で上演
していた。
火の番の小屋に男が立ち寄って訳ありらしく火の番の出した弁当の
残りをかっくらい。色々話し出す。火の番の息子も上方に行ったけど
まだ帰って来ないらしい。そこへ捕吏がきて男に質問するが、。
雪の降っている小屋だけの舞台。深々と寒さをこちらまで感じる風。
幸四郎と白鸚のやり取りが息があっていて男は火の番の息子なのかな?とか
思ってしまう。それにしても白鸚は先代にそっくりになってきた。最後に逃げろって言う火の番の
声が震えているように思えた。こういう心理劇は高麗屋の得意とするところで
よく出来ていた。
前半なので壱太郎の花子で見ました。
聞いたか坊主が目立ったけど、大きな役を必死さは感じさせずに見せた。引き抜きが
あんまり上手じゃなかったのは慣れてないせいか?上方のこってりとした
感じには見えなかった。彼の持っているのがサラサラした感じだからでは?
久しぶりに都そだちは蓮っ葉なものじゃへという長唄の文句を聞いてそうだこれから取った
私のメールアドレスとか思った。本当は大仏次郎氏のエッセイの題名から取ったのですが
彼は道成寺から取ったと書いてあったと思う。
最後が道成寺で華やかに終わったのはいい。
27日まで。
今回は昼の部は見ない。演舞場も浅草も新国立も見ない。新国立で歌舞伎って大丈夫なのかと思うけど。
さんぽんさんの感想文です。そのまま載せておきます。とっても暖かい感想なので。