今日の京都6月5日(水) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。
今日は友引なので、祇園祭長刀鉾のお稚児さんの発表があるのではないかと思っているのですがどうでしょうか。

今日から二十四節気と七十二候が移ります。

◎二十四節気
【芒種】 ぼうしゅ
「芒」とはイネ科植物の穂先にある毛のような部分のことで、稲などの穀物の種をまく時期という意味です。田植えの目安とされ、農家が忙しくなる時期。梅雨入りも間近で少し蒸し暑くなってくる頃です。 

◎七十二候
【蟷螂生】(かまきりしょうず)
かまきりが卵からかえる頃。ピンポン球ほどの卵から数百匹の子が誕生します。

蟷螂と言えば、祇園祭の蟷螂山のユーモラスな蟷螂を思い出します。




【蟷螂山】
蟷螂山は、「蟷螂の斧を以て隆車の隧を禦がんと欲す」という中国の故事にちなんでいます。
南北朝時代に町内に館を構えていた公卿、四条隆資(1292~1352)が足利義詮に立ち向かった逸話を、のちに中国から町内にやってきた薬商の陳外郎大年宗奇(ういろう (薬品) )が「蟷螂の斧」の故事にたとえて、1376年に四条家の御所車にカマキリの作り物を乗せて巡行に出したのがはじまりとされます。
その後、蟷螂山は再三の戦火に遭いますが、そのつど再興され、巡行を続けてきました。しかし、元治の大火(1864)でその大部分を焼失してしまい、明治頃から巡行から外れ町内展示を行っていました。昭和56年、117年ぶりに再興され、巡行に復帰しました。






蟷螂山の特徴は、御所車の屋根に乗せられた大蟷螂が鎌を振り上げて動き、御所車も回るようになっているからくりが施されているところです。これは、祇園祭の山鉾としては、唯一のからくりが施されています。このからくりは七代目玉屋庄兵衛による製作です。また前懸、胴懸、見送は共に羽田登喜男による友禅で、瑞苑浮遊図などが飾られています。
来月の祇園祭で、蟷螂山のからくりをご覧になってください。



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さて、今日は宇治の県神社にてあがた祭りが行われます。お祭り自体もですが、露店が500軒も並ぶのは壮観です。



【あがた祭とは】

あがた祭は、宇治の平等院の南門から100mほど離れた県神社で、毎年6月5日から6日未明にかけて行われる祭礼です。深夜に沿道の灯火を全て消して暗闇の中を梵天渡御が行われることから、別名「暗夜の奇祭」などと呼ばれており、宇治を代表するお祭のひとつです。



梵天渡御(都年中行事画帖 1928年)

○木花開耶姫とは

県神社の祭神は木花開耶姫(このはなさくやひめ)で安産、出産の守り神といわれています。木花開耶姫、この漢字も音もきれいです。思わずどんな姫なのかと想像力をかきたてます。

木花開耶姫は 日本神話にみえる大山祇神の娘。『古事記』には,木花之佐久夜毘売と記される。瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)と結婚する。神吾田鹿葦津姫(『古事記』は神阿多都比売)の別名。本名のアタは薩摩国阿多郡(鹿児島県西部)にちなむ名で,カシも薩摩の地名という。『日本書紀』によれば,コノハナノサクヤヒメは,高天原から天降ったニニギに求婚され父に告げたところ,父はサクヤヒメに添えて姉の磐長姫(イワナガヒメ)も差し出した。しかしニニギはイワナガヒメが醜かったので送り返し,美人の妹と結婚した。姉はそれを恨み,「わたしをお召しになれば,子供は岩のように長生きしたでしょうに。妹だけをお選びしたからには,生まれる子供は木の花のようにはかなく散ってしまうでしょう」と呪った。サクヤヒメは,ニニギと一夜を共にして妊娠するが,ニニギが自分の子供かどうか疑ったので,産屋に火を放って出産し,天つ神の子であることを証明したという。 姉の呪いは,人間の命が短いことの由来とされているが,この姉妹の話は,インドネシアやニューギニア方面に広く分布する神話とよく似ている。それは,人間が神から石とバナナを贈られ,バナナだけを受け取ったので,人間の命は石のように長くは続かず,バナナのようにはかないものになったという神話で,バナナ型と呼ばれている。日本の神話でバナナが女性に変わっているのは,もともと,ニニギとカシツヒメの結婚話として形成されていた神話にバナナ型の要素を組み込ませ,生まれる子供の命の短さを語ろうとしたから。『古事記』では天皇の命のはかなさの起源とされているが,これはサクヤヒメが彦火火出見尊を生み,その孫に神武天皇が現れるという展開による。コノハナは桜の花といわれるが命のはかなさを象徴するには,バナナとくらべていかにも日本人の感性に合っている。サクヤヒメは,山の神の娘であることから富士山麓の浅間神社などに祭られ,はるか南方起源のこのバナナ型神話は,日本の自然と風土にみごとに溶け込んでいる。<参考文献>吉井巌『天皇の神話と系譜』 
出典|朝日日本歴史人物事典(株)朝日新聞出版 


木花開耶姫の系図出典

http://himeluna.exblog.jp/i16/

○暗闇のあがた祭

6月5日の深夜、明かりのない暗闇の中で、梵天(ぼんてん)渡御と呼ばれる儀式が行われます。 10時ごろ露店は終わり11時ごろから梵天が法被装束に身を包んだ、地元の梵天講の若者達に担がれて動き出します。灯りを消した真っ暗な中で神移しが行なわれ出発します。境内を練り歩き鳥居をくぐって表に出た梵天は、旧大幣殿前でブン回しや差し上げなど勇壮に走り回ります。再び境内に帰って還幸祭を終えるのは夜中の1時ごろ。まさに暗闇の奇祭です。

実は、この祭礼には、「種貰い祭」とも言われていました。
明治以前には、祭は、男女の性交の別名であり、大切な機会でもあったと言われています。今では考えられませんが、
明治以前、日本は性に関してとてもおおらかな国であったようです。何年か前、京都細見美術館で開催された「春画展」でも江戸時代の性のおおらかさが表現されていたのではないでしょうか。




このあがた祭もその例外ではなく、
男女の結び付きを図る場でもあったようです。梵天の神輿が通過する間は、
家々が明かりを落とすのです。各地から集まりきた多くの男女は狭い旅舎、民家に雑然と混臥し、相知らぬ男女が相接触し、妊娠すれば、神から子種をさずけられたとしたのです。

ちょっと朝からの話題ではなかったかもしれません。

暗闇祭の動画です。
 https://youtu.be/HmpY0A9o5HA 

暗闇祭と性文化について、
詳しくは下記をご覧ください。

http://jiyodan.exblog.jp/8274589/

○あかた祭の分裂開催

現在、この梵天渡御は分裂開催されています。
梵天渡御は本来、宇治神社御旅所→県神社(神移し)→宇治神社へ渡御→県神社(還幸祭)のルートで行われていましたが、2003年に還幸祭が行われなかったことで御輿の担ぎ手である「県祭奉賛会」と県神社の関係がこじれ、2004年から神社側が独自に梵天渡御を行うなど分裂状態となっています。2014年は奉賛会側が自粛する形で神社側のみの梵天渡御を行いましたが、その後も関係改善が成されず、2015年から再び分裂開催となり、今年もまた分裂開催となります。 分裂は4年連続で13回目となります。

これには以前よりあった宇治神社と県神社の対立が関係しているという。関西学院大学の調査によると、両神社の対立は1965年に顕在化し、1968年には裁判にまで発展、その後和解と対立が繰り返されていました。その対立は両者の祭神観の違いにあり、木花咲耶姫命を祭神とした独立した神社であると考える県神社に対し、宇治神社側は、県神社は宇治神社の祭神菟道稚郎子の母神にあたる宮主・矢河枝比売命を祀る末社であるとするという、この認識の違いに加え、祭の主導権争いや金銭的な問題もあったと見られています。

関西学院大学の研究要項
http://d.hatena.ne.jp/shimamukwansei/touch/20130113/1358096967 


県神社授与品

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どうぞ、今日もお元気で笑顔で楽しい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和6年6月5日(水)】(No.3488)

※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

中止になっている行事もあります。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143

○県まつり/県神社



江戸時代から「暗夜の奇祭」と呼ばれる県祭では、暗闇の中を梵天が渡御する勇壮な「ぶん回し」が見どころとなっています。午前10時からの「朝御饌(みけ)ノ儀」にはじまり、午後5時からは「夕御饌ノ儀」、午後7時から「護摩焚神事」と続き、午後11時30分から「奉幣ノ儀」、翌午前0時から「渡御ノ儀」、翌午前1時から「還幸祭」が執り行われます。県神社周辺には約500軒の露店も出て賑わいます。

日程6月5日~6日  
時間10:00~翌1:00
場所 京都府宇治市 県神社
アクセス 
JR奈良線「宇治駅」から徒歩15分
ホームページ http://www.agatajinjya.com 

○ 春の特別公開(〜6/30)/宝厳院
 
○ 御土居の青もみじ(〜6/30)/北野天満宮

○春の特別拝観(〜6/16)/瑠璃光院 

○ 貴船の川床(〜9/30)

○ 鴨川納涼床(〜9/30)

○あじさい苑開園(〜7/7)/三室戸寺

○ 紫陽花苑の公開(〜6/30)/藤森神社

○ 初夏の庭園特別公開(〜7/10)/建仁寺両足院

○ あじさいウイーク(〜6/30)/柳谷観音

○茅の輪くぐり(〜6/30)/車折神社

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