今日の京都3月24日(日) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。
1月から各気象会社から、今年の桜の開花予想日が発表されていました。
今年は暖冬でかなり早い開花予想でしたが、何度かの寒の戻りがあり、その予想日がどんどん後にすれこみました。
昨日、全国トップで高知でソメイヨシノの開花の発表がありました。平年(3月22日)より1日遅く、昨年(3月17日)より6日遅い開花です。2024年の桜前線(ソメイヨシノ)は、高知からスタートです。




京都の開花予想は3月24日、満開は4月1日とされています。
この開花宣言は、各地の標準木で5輪から6輪の花が咲いたら出されます。

【標準木とは】

気象庁では、観察する対象の木を「標本木」と呼んでいます。
標本木は、全国各地の気象台や測候所の構内にあります。
構内に標本木がない場合は近くの公園や神社などにある木を標本木に指定します。
東京の桜の標準木は、靖国神社の境内にあります。





以前は、気象庁が靖国神社の側にあったため、この木が選ばれていたのです。気象庁が移転してからも、靖国境内にあるこの標準木が使われています。

○京都の標準木
京都の桜の標準木はどこにあるかご存知でしょうか。
以前は京都地方気象台の正面玄関前にあるソメイヨシノの木が「標本木」だったですが、現在は二条城の「北大手門」の近くにある木が「標本木」になっています。



【標準木はどんな桜なのか】
ズバリ、ソメイヨシノです。一般に日本で「桜」というとソメイヨシノを意味することが多く知名度が高い桜です。
咲きはじめは淡いピンク色で、満開になると白色に近づきます。
一重咲きで花びらは5枚。花の大きさは3.5~4センチ。
葉が出る前に花が開き、枝もたわわに花を咲かせます。

○ソメイヨシノの名前の由来
江戸時代のおわりから明治時代にかけて駒込の植木屋が売り出したもので、奈良吉野山の山桜と区別するため、地名である染井(駒込の大字)を冠して「ソメイヨシノ」と呼ばれるようになりました。

○ソメイヨシノは全て同じクローン
ソメイヨシノは大島桜(オオシマザクラ)と江戸彼岸桜(エドヒガンザクラ)の間から生まれた「雑種」です。
種から芽を出して育ったものではありません。
ソメイヨシノは、もともと雑種起源の桜で実生(みしょう)で育てることができないのです。
ソメイヨシノは接ぎ木という方法で増やしていきます。接ぎ木とは増やしたい親木から「穂木」という枝を切り台木につなぎ合わせて育てる方法です。
木が大きくなったら、そこからまた穂木を採取して接ぎ木して育てる、という手順を繰り返していきます。
全国各地のソメイヨシノはすべて限られた原木を元に作られた同じ遺伝子のクローンなのです。
そのため、遺伝的にほぼ同じなので、気候の変化によるソメイヨシノの開花の様子は全国どこへ行っても同じなのです。

○標準木にソメイヨシノが選ばれた理由
①全国的に学校・公園・街路樹などで数多く植えられていること。
②全国のソメイヨシノは同じ遺伝子=DNAを持つクローンだから。


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春になるといろいろな花が咲きます。

今日は花の名前です。
中には難読漢字もありますが、どれだけお読みになれるでしょうか。
挑戦なさってください。
解答は、最後に。

1菖蒲 
2芥子 
3山桜 
4柘榴 
5大山蓮華
6木槿 
7枳穀 
8芙蓉 
9野菊 
10高雄楓
11昼顔 
12甘草 
13朝顔 
14薯蕷葵 
15椿
16牡丹 
17枇杷 
18木蓮 
19藪甘草 
20蓮
21葡萄 
22寒蘭 
23河骨 
24紫陽花 
25梅
26戒葵 
27芍薬 
28山桃 
29女郎花 
30藤
31桔梗 
32南天 
33連翹 
34万年青 
35桐
36水仙 
37素馨 
38山躑躅 
39山茶花
40笹百合 
41鶏冠鶏頭 
42擬宝珠 
43石楠花
44水葵

これは、現在公開されている平岡八幡宮の本殿の「花天井」に描かれている花なのです。

【平岡八幡宮】





平岡八幡宮は高尾山神護寺の守護神として、弘法大師(空海)が平安初期に自らを描いた「僧形八幡神像」を御神体として創建された山城国最古の八幡宮。室町時代の応永14(1407)年、火災により社殿が消失したが、時の前将軍・足利義満によって再建。江戸末期、文政9(1826)年に至り、時の仁孝天皇の命を受け社殿が修復され、文政10(1827)年に、画工・綾戸鐘次郎藤原之信により、神殿の天井に44枚の極彩色の花絵が描かれました。 

◯本殿花天井





本殿内陣では、極彩色の花絵44面の「花の天井」が描かれています。
描かれている花は、椿や山桜、紫陽花、水仙などよく知られた花もあれば、薯蕷葵(とろろあおい)、万年青(おもと)などあまり聞きなれない植物もあります。 この花天井は、画工・綾戸鐘次郎藤原之信が江戸末期に描いたとされていますが、実は足利義満が再建した室町時代に、すでに存在したともいわれています。それは、義満の御所(室町第)が「花の御所」と呼ばれ、また自らも大変花を愛したことから、義満が花の天井を作ることを指示していたのではないかと推測されています。そして、この天井画からは義満が天皇になることを切望していたという強い思いも伝わってきます。
その根拠として、44面の中で最も上座にあたる場所に牡丹(ぼたん)が描かれています。牡丹は中国で皇帝の花、つまり日本では天皇を表します。さらに、本殿の中には四羽の金の鳳凰が描かれており、鳳凰も天皇を表す鳥とされています。また、義満が建てた金閣寺の屋上にも、金の鳳凰が飾られています。平岡八幡宮を再建した半年後、義満は病死しますが、一方では暗殺されたという説もあります。義満が天皇の座を狙っていたとすれば、暗殺も十分考えられる話ではないかと考えられています。歴史の真実はわからなくなっていることも多いのですが、楽しいですね。

この花の天井は毎年春と秋に公開され、期間中は宮司さん自らが神社の由縁や花の天井にまつわるお話をわかりやすく説明してくださいます。

◯蛙股の彫刻



蛙股とは神社やお寺などの建築で輪郭が山形になった部分のことです。カエルが股を広げたような形になっている事からそう呼ばれています。

⚫弁財天



神殿の蛙股(かえるまた)に彫刻された
大変珍しい弁財天があります。
普通、弁財天は琵琶をもっていますが、
こちらの弁財天はお琴を持っています。

⚫瓢箪の透かしの入った彫刻

太閤秀吉が寄進したものらしく
瓢箪(ひょうたん)の透かしを入れた飾りつけもあります。瓢箪は秀吉の馬印に使われています。戦に勝つ度に瓢箪を増やしたので、のちに千成瓢箪と呼ばれます。

⚫ 鳴滝砥石 



拝殿には曼荼羅型の砥石が奉納されています。この付近で産出した砥石は、黄褐色をしています。赤鳴(珪質頁岩)と呼ばれ、コノドント(中世代三畳紀)という微化石を含んだ。適度の硬度、吸水性に優れ、研磨用仕上砥石として用いられました。砥山は、梅ヶ畑、鳴滝、高雄にかけてあり、「本山合砥石(ほんやまあわせといし)」の名声を高めた。また、梅ヶ畑に産するものは「鳴滝石」「鳴滝砥石」ともいわれ、質量ともに日本随一とされました。
 鎌倉時代、12世紀初め、梅ヶ畑の郷士・木間藤左衛門時成が、菖蒲谷付近で砥石を発見し採掘した。以後、800年間にわたり採掘されました。近代に、最盛期を迎え、その後、休山になっています。

◯椿の名所

平岡八幡宮は多くの椿が咲くことで有名です。約200種300本の椿が境内を彩ります。椿は花首がポロッと落ちることから、縁起が悪いと考えられていますが、これは江戸時代の武士道での解釈です。椿は邪悪を払うといわれ、平安時代には長寿・招福・吉兆の木とされていました。歴代の武将が愛用したほか、江戸時代には江戸鎮護の花木とされ、庶民の間で大ブームが起こるほど椿は大変人気があったのです。

⚫白玉椿





白玉椿伝説をご存知ですか。
「願い事をすると白い花の白玉椿が一夜で花開き、願いが成就した」
という平岡八幡宮に伝わる故事です。 
この白玉椿には、願い事をすると一夜で白い花が咲き、成就したという故事があります。

また、宮司さんのお祖父さんの俳名をとって、「一水(いっすい)椿」と銘が付けられています。おぜんざいに入っている白玉は、この白玉椿が語源だそうです。
さらに「平岡八幡ヤブ椿」という樹齢500年の椿もあり、通常のヤブ椿がラッパ状なのに対し、こちらのヤブ椿は三角に花を開きます。

椿の花は香りがしませんが、良い匂いのする香椿「春風(しゅんぷう)」や金魚の形の葉をした「金魚葉椿」など、大変貴重な椿も観ることができます。

椿が最も見頃になる春には、「椿を愛でる会」と題して一般に公開されます。
こちらの宮司さんは、 1975年~1984年(昭和50~59年) ばっくすばにい、尾崎亜美、郷ひろみ、鈴木茂、大村雅朗のマネージャーを務められたというご経歴です。そのせいか、お話も楽しいです。
お話の後には、梅干しと昆布の入った皇服茶をいただけます。
平岡八幡宮の場所が周山街道、神護寺に向かう途中にあり、決して交通の便はよくありません。でも、花天井と白玉椿を眺めに行かれてはいかがでしょうか? 

平岡八幡宮の「椿を愛でる会」は3月15日〜4月7日
10:00~16:00
花天井公開は
5月6日10:00〜16:00(15:30受付終了)
料金
800円(縁起書授与、大福茶接待つき)
アクセス
JRバス「平岡八幡前」下車、徒歩約3分

花の名前 解答

1あやめ 
2げし 
3やまざくら 
4ざくろ
5おおやまれんげ 
6むくげ 
7きこく
8ふよう
9のぎく 
10たかおかえで  
11ひるがお 
12かんぞう 
13あさがお 
14とろろあおい 
15つばき
16ぼたん 
17びわ 
18もくれん 
19やぶかんぞう 
20はす 
21ぶどう 
22かんらん 
23こうぼね 
24あじさい 
25うめ 
26たちあおい 
27しゃくやく 
28やまもも 
29おみなえし 
30ふじ
31ききょう 
32なんてん 
33れんぎょ 
34おもと 
35きり 
36すいせん 
37そけい 
38やまつつじ 
39さざんか 
40ささゆり 
41とさかけいとう 
42ぎぼし 
43しゃくなげ 
44みずあおい

どれだけ正解がありましたか。

平岡八幡宮の白玉椿、とても綺麗です。
京都の街中からいうと、ちょっと遠いですが、その先には神護寺もあります。足を伸ばしてはいかがでしょうか。

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どうぞ、今日もお元気で笑顔で楽しい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和6年3月24日(日)】(No.3415)


※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

中止になっている行事もあります。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143


○ 梅花祭(菅原道真公慰霊祭)/生身天満宮
生身天満宮で、遅咲きの紅梅が満開の頃、ご祭神菅原道真公の慰霊祭として、梅花祭が執り行われます。梅園内絵馬堂で、献茶の儀などの神事が斎行されるほか、「天地空」による雅楽奉納演奏、嵯峨御流いけばな献花が行われます。同宮は、菅原道真公の存命中に、木像を生祠として祀った日本最古の天満宮として知られています。
日程3月24日  13:00開始
アクセス
JR嵯峨野線「園部駅」西口から徒歩12分
ホームページ
https://www.ikimi.jp/

○ 令和6年春の特別公開(〜3/24)「永々棟のひなまつり」


○春の人形展(〜4/3)/宝鏡寺

○涅槃図公開(〜4/7)/真如堂

○ 春の特別公開(〜6/16)/大徳寺塔頭 興臨院 

○ 小野梅園(〜3/24)/隨心院


○十三まいり(〜5/13)/法輪寺

○ 本法寺 春季特別寺宝展(〜4/15) /本法寺

○ 花の天井 春の特別公開& 椿を愛でる会(〜5/6)/平岡八幡宮

○ 春の特別展とライトアップ(〜5/6)/高台寺

○ 春の特別展とライトアップ(〜5/6)/圓徳院

○二条城ライトアップ(〜4/7)/二条城

○ 夜桜ライトアップ(〜4/14)/東寺

○ 春の特別公開(〜5/16)/弘源寺

○ 春の特別公開(〜6/30)/宝厳院

○北野をどり(〜4/2)/上七軒

○ 春の特別公開(〜4/7)/霊鑑寺

○ しだれ桜夜間無料公開(〜3/31)/宇治市植物公園

○ 岡崎さくら回廊十石舟めぐり(〜4/14)

○ 男山桜まつり(〜4/30)/石清水八幡宮

○ 春の特別拝観(〜5/6)/銀閣寺

○ 霊宝館の春期特別展(〜5/6)/醍醐寺

○春の特別公開(〜5/25)/東寺

○春の特別公開(前半)(〜4/21)/白龍園

○ 伏見名水スタンプラリー(〜5/31)

○ 祇園白川さくらライトアップ(〜3/31)

○ 春季名宝展(〜4/22)/大覚寺

○ 夜の特別拝観(〜3/31)/清水寺

○ 春の花見と特別拝観 ライトアップ(〜4/7)/妙顕寺

○ 桜ライトアップ(〜4/7)/京都府立植物園

○ 背割堤さくらまつり(〜4/7)

○ 春のライトアップ2024(〜4/3)/知恩院

○ ライトアップ(〜4/14)/平野神社

○ 春の特別拝観(〜6/2)/相国寺

○ 特別入山期間 御室花まつり(〜5/6)/仁和寺

○ 霊宝館春季名宝展(〜5/6)/仁和寺

○観桜祭(〜4/7)/京都府庁旧本館

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