おはようございます。
今年は辰年ということで、あちこちの雲龍図をご覧になりにお出かけの方が多いようです。
この雲龍図、禅宗寺院の法堂の天井に描かれているところが多いてす。法堂とは、修行僧が仏法の教えを学ぶための場所です。龍は仏教を守護する異教 8種の神・八部衆の一神に数えられます。そして、法の雨(仏教の教え)を降らせると言われています。法堂の天井に龍が描かれているのは、この龍に修行の場を見守ってくれるようにとの願いからなのです。また、龍神は水をつかさどることから、寺院を火災から守るとも伝えられています。
京都でもいくつかの寺社に雲龍図があります。
建仁寺、南禅寺、東福寺、泉涌寺、大徳寺、妙心寺、相国寺、天龍寺などが有名です。それぞれの作者や描かれた年代は、写真欄をご覧ください。
この中の、建仁寺の雲龍図を観に行きました。
こちらの雲龍図は、平成に入ってから、小泉淳作氏の作ですが、迫力のある雲龍図です。
建仁寺の境内を歩いていて、塔頭両足院、塔頭正伝永源院、塔頭禅居庵などがありました。塔頭って、わかっているようでわかっていないなあと思いました。
【塔頭とは】
塔頭(たっちゅう)は、塔中とも書く。主に禅宗の寺院に作られました。塔は墓の意味で、もとは祖師や門徒高僧の死後その弟子が師の徳を慕い、大寺・名刹に寄り添って建てた塔(多くは祖師や高僧の墓塔)や庵などの小院をさす。門徒らによって立ち並ぶ塔の中でも首座に置かれたこと、あるいは、門徒らが塔のほとり(=「頭」)で守ったことから塔頭と呼ばれたなどの説があります。
塔頭は本来小院であるため、山号を持ちません。その代わりに「~院」「~庵」といった称号をもちます。例外もありますが、これらの名称によってその塔頭の来歴をおおよそ分類することができます。
* 「~院」(院号) … 大名家などが、帰依する僧を開祖として創建したもの。
* 「~寺」(寺号) … 民衆からの浄財によって創建されたもの。
* 「~庵(菴)」(庵号) … 僧の住んでいた庵を塔頭としたもの。ただし真珠庵(一休宗純を開祖とする)のように、実際に居住していた訳ではないが、ゆかりある地に創建されたものも存在する。
* 「~堂」(堂号)
* 「~坊」「~房」(坊号、房号)
* 「~殿」(殿号)
* 「~閣」
* 「~舎」
* 「~軒(軒号)」
* 「~楼(楼号)」
* 「~蔵」
* 「~塔」
* 「~社」
元来、塔頭は大寺院に従属しましたが、明治以後では独立した寺院として扱われることが多い。
【塔頭の多い寺院】
日本で一番、塔頭の数が多い寺院はどこの寺院だと思われますか。
○妙心寺
妙心寺は、日本の約3,500寺を占める妙心寺派の大本山です。京都市内では御所に次ぐほどの広大な敷地(東京ドーム7個分とか)に、46の塔頭寺院があり「日本最大の禅寺」とも呼ばれています。
よく聞く塔頭は、退蔵院、大法院、大心院、桂春院などがあります。
○東福寺
東福寺には25ヶ所の塔頭があります。通常非公開のところが多いですが、庭園の美しいところが多いです。
一華院、同聚院、勝林寺、天得院などがあります。
○大徳寺
有名な塔頭がたくさんあるのは大徳寺です。その数20です。
大仙院、高桐院、瑞峯院、龍源院、聚光院、総見院、黄梅院、興臨院、芳春院、真珠庵など、お茶室の有名な塔頭も多いです。
○建仁寺
建仁寺の塔頭は14ヶ所です。
その中で、ここも塔頭と思ったのは、六道珍皇寺も建仁寺の塔頭でした。
○南禅寺
南禅寺の塔頭は13ヶ所あります。紅葉の名所でもある、天授庵、金地院などがあります。
○相国寺
相国寺の塔頭は13ヶ所です。14世紀の創建当時は50あまりの塔頭があったそうです。林光院など。
【塔頭のびっくり!】
金閣寺と銀閣寺が相国寺の塔頭寺院です。
相国寺は室町幕府三代将軍足利義満により創建され、金閣寺もほぼ時を同じくして義満により創建されました。銀閣寺はその後年、同じく室町幕府八代将軍である足利義政により創建されています。足利歴代将軍が創建した禅宗寺院として、本山である相国寺の塔頭寺院となり今に至っています。
そして現在においては、相国寺の山外塔頭として相国寺僧侶が任期制をもって相国寺とともに金閣寺、銀閣寺の運営と後世への継承にあたっています。
辰年の今年、雲龍図を拝観し、塔頭を探してみてはいかがでしょうか。
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どうぞ、今日もお元気でいい1日でありますように!
行ってらっしゃい!
【今日の京都令和6年1月18日(木)】(No.3349)
※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。
中止になっている行事もあります。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。
https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143
○青山祭/石清水八幡宮
明治以前は道饗祭(みちあえのまつり)または疫神祭(えきじんさい)ともいわれ、男山山麓の頓宮殿の前庭に青柴垣で囲いを作り祭場を設け、日没とともに道を司る神々を迎え、かがり火の灯りがゆらめくなか、国家安泰・厄除開運の祈願祭を斎行します。
日程1月18日
時間17時
アクセス京阪電車石清水八幡宮駅
徒歩またはケーブルカー
○蓬莱船(1/1〜2/3)/上賀茂神社
○ 京都十二薬師霊場会(〜1/31)
○ 都七福神めぐり(〜1/31)
○ 京都十二薬師霊場会(〜1/31)
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