今日の京都11月9日(木) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。

この間から気になっているCMがあります。

JTの森を育てる
https://youtu.be/fM0KPttQF1U?si=JP6lGzL4-2F924q3

このCMでは、新入社員に社外の人にの上司のことを話す時は、名前を呼び捨てにすればいいと教えたら、日常、その上司を呼びすてにするというもの。
このようなルール、エチケットをはじめとして、しきたりなど、今や死語に近くなっています。
言葉やルールなど、時代と共にとは思いますが、それが、冠婚葬祭となると、ちょっと意味合いが違うかもしれません。

今日は、気になっている、しきたりについて。
冠婚葬祭で、特に結婚やお祝いことの決まりごとはかなり細かに決められています。
それは、関西、特に京都ではいまだに守り続けられています。
今は、若い方や、外からの方も増えて、知らない、知ろうとしない、また、教えてもらっていないなどで、だんだんと簡略化されつつあることでもあります。

【しきたりとは】
しきたりとは「前々からそのようにしてきた事」「ならわし」、つまり「してきた事なり」ということです。日本では人生の節目にいろいろな行事があり、その歴史から生まれた「しきたり」は、長い間受け継がれてきた生活の知恵であり、日本の文化です。
このしきたり、地域によって違っていることもあります。
ここでは、だいたい、日本全国、同じようにつたえられているしきたりについてご紹介します。

【熨斗や水引】
よく、贈答品を求めた際、熨斗はどうなさいますかと尋ねられます。
その際、用途を話すか、御祝、御礼、内祝、快気祝、心ばかり、または、不祝儀で御供などで、その熨斗や水引が決まってきます。
お祝いごとは紅白、不祝儀は黒白が普通です。
そして、熨斗の水引、もしくは水引印刷が間違えやすいことです。
お祝いごとは何度あってもいいので、花結び(蝶結び)です。でも、結婚の御祝や、その内祝、快気祝いは何度もあってはいけない(今のご時世、結婚は何度もあるのかも?)ので、結び切りです。あと、お見舞いは、熨斗なしです。弔事全て、結び切りです。弔事の際の水引の色は、関西(特に京都)は、黄白を使います。これは、宮廷への献上品に使用されていた最も格の高い紅白の水引の紅色が、黒に近い玉虫色に輝くものだったので、それと黒白の水引とを見間違えないようにするためでした。そのため、仏事には黄白の水引が使用されるようになりました。


結婚の御祝に使われる祝儀袋

結び切り


結婚以外の祝儀袋

花結び(蝶結び)


【京都の結婚の御祝や内祝】
現在は、結婚の御祝をお渡しするのも簡略化されてきました。
京都の結婚祝いは、心が込もった丁寧なもの。片木台(へぎだい)に金封・寿恵廣(すえひろ)・熨斗(のし)をのせ、それを広蓋(ひろぶた)にのせて袱紗(ふくさ)をかけ、さらに名入りの風呂敷で包みます。








これを結婚の1ヶ月前の大安・先勝・友引の午前中に先方へ届けていました。
その際、玄関先で、包みのまま先方にお渡しします。
すると、先様はそれを受け取り、一旦中に入り、中をあらためて、そのご祝儀の一割の現金とため紙(半紙)をお持ちいただいた片木台の上に乗せ、寿恵廣と熨斗はそのままで、袱紗をかけ、お持ちいただいた風呂敷で包みお渡ししていました。この時のお渡しを「おため」と言います。


おうつりとしていただくおため


この時の寿恵廣と熨斗は始末の考えから、使い回してよいとされています。
この「おため」は「おうつり」とも言われ、ため紙は次の祝い事の際に使ってもらうために渡すもので、これには末永いお付き合いをという気持ちが込められています。

結婚祝
出典
https://www.fukusa.info/post-1576/

これは、京都での伝統的なお祝いですが、今は、簡略されています。
ご祝儀袋はご結婚御祝、もしくは寿と書き、ご祝儀袋の裏側は、「下部が上になる」ようにします。

【結婚祝の内祝】
結婚祝を頂いたら、挙式後、なるべく早く、遅くとも1ヶ月以内に、お返しをお送りします。その時の熨斗の表書は内祝。そして水引は御祝と同じく、結び切りです。結婚内祝いの水引は、紅白または金銀の「結び切り10本」です。結び切りは、一度結ぶとほどけず、一生涯の誓いであることから婚礼で使用されます。また、夫婦はふたりでひとつという意味で、5本×2で10本を使います。
そして、名入れは、贈る相手との関係によって新婦の名前だけをいれることもありますが、結婚祝いのお返しは「内祝」であるため、新郎新婦の名前を入れるのが原則です。
そして、内祝の品も、結婚祝の品と同じく、「別れる」や「(縁が)切れる」をイメージする品がタブーとされています。 刃物は「縁を切る」に繋がり、また、陶器やガラス製品は「割れる→別れる」。あと、食品も、割れるということから、お煎餅、クッキーなどもタブーとされています。
これは、結婚式の引き出物も同じ考え方です。
そのため、バウムクーヘンやフィナンシェ、マドレーヌ、パウンドケーキがよく利用されるのです。




【弔事の表書】
弔事の表書は、薄墨で書きます。
葬儀の時の金封の表書は、宗派、お渡しする時期で違ってきます。

通夜から三十五日(四十九日)の法要までなら、不祝儀袋に「御霊前」と表書きするか、そう書かれた不祝儀袋を使います。
ただし、表書きは宗教によって違います。「御霊前」は宗教、宗派を問わず使えます。四十九日以降は「御仏前」は仏式の法要で用い、ほかに「御香料」「御香典」なども葬儀、法要ともに使えます。神式の場合は「御神前」「御玉串料」など、キリスト教はカトリックなら「御ミサ料」、プロテスタントなら「御花料」となります。
市販の不祝儀袋で蓮華の花の模様があるものは仏式用、十字架模様はキリスト教用です。
不祝儀袋の裏側は、「上が被さるように」します。

また、香典返しの場合、広島では「茶の子」と表書きをするそうです。


一般的な不祝儀袋

結び切り


関西、特に京都で使われる黄白の不祝儀袋



【金封に入れるお札】
金封に入れるお札は、慶事は、新札です。最近では、現金を使う機会が少なくなり、また、銀行の両替も手数料を取られたりすることもあるせいか、最近結婚式のご祝儀も古いお札のことも多いそうです。
弔事の場合は、新札さと、待ってましたという感じがするので、古いお札でもと言われますが、しきたりとしては、新札を二つに折って折り目をつけて封筒に入れます。あと、弔事の時のお札の向きは裏面にお札の肖像画が来るように入れます。






【困った時は】
京都では、(他の地域でもそうですが)筆耕(ひっこう)と言って、金封に文字入れをしていただきます。熨斗屋さんでしていただけますが、現在は、熨斗屋さんも少なくなっています。
デパートの結納用品のコーナーで筆耕していただけます。そちらで、熨斗袋を購入したらと無料いうところが多いようですが、別途料金のかかるところもありますので、ご相談ください。この結納用品でしたら、お包みする用途、金額で、相応しい熨斗袋をアドバイスもしてくださいます。
困ったら、こちらで相談をされるが一番です。


しきたりも時代と共に変わっていくのかもしれません。
ただ、物事を円滑に進めるための作法のひとつでもあります。
このしきたりは、学校でも教えてもらうことはありません。人の口から口へ、また、そのごとに伝えられてきたものです。
だからこそ、次の世代にきちんと伝えていきたいものです。

私が、母や祖母、義母から教えられた、しきたりを書き連ねてみました。

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立冬だというのに、ここのところの気温で富士山の山頂の雪は溶けてしまったようです。そろそろ暦とおりの季節になって欲しいものです。
どうぞ、今日もお元気でいい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和5年11月9日(木)】(No.3278)


※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

中止になっている行事もあります。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143

○ 花の天井 秋の特別拝観(〜12/3)/平岡八幡宮

○ 特別公開/大徳寺塔頭 興臨院(〜12/17)

○ 秋の特別拝観(〜12/10)/瑠璃光院 

○ 秋期特別公開(〜11/30)/清凉寺 霊宝館 

○ 秋の特別公開(〜12/3)/銀閣寺

○秋の特別拝観(〜12/10)/宝厳院 

○ 秋の特別公開(〜12/10)/弘源寺 

○ 秋季特別公開(〜11/30)/大徳寺塔頭 総見院

○ 秋季特別公開(〜12/3)/大徳寺塔頭 黄梅院

○特別公開(〜12/3)/聖護院

○特別展東福寺(〜12/3)/京都国立博物館

○ 秋の特別公開(事前予約制)(〜12/3)/白龍園

○ 梵燈のあかりに親しむ会(〜12/22)/妙心寺東林院

○菊花展(〜11/19)/泉涌寺

○ 秋季名宝展「大覚寺に伝わる稀少の逸品」(〜12/4)/大覚寺

○ 霊宝館秋期特別展弘法大師御誕生1250年記念(〜12/3)/醍醐寺

○ 秋の特別展・ライトアップ(〜12/10)/圓徳院

○ 秋の特別拝観・ライトアップ(〜12/10)/高台寺

○ 秋の庭園特別公開寺宝展(〜11/7)/正伝永源院 

○秋の大原女まつり(〜11/3)

○ 二条城まつり(〜12/3)

○ 御土居ともみじ苑公開(〜12/3)/北野天満宮

○ 比叡山もみじ祭り(〜11/23)

○もみじ祭(〜11/28)/三千院

○ 観芸祭(〜11/5)/京都府庁旧本館

○ 京都非公開文化財特別公開(〜11/26)

○ 大師堂特別公開(〜11/7)/神護寺

○ 秋の特別公開(〜11/5)/大将軍八神社方徳殿 

○ 嵯峨菊展(〜11/30)/大覚寺

○ 宝物展(〜11/30)/大原来迎院

○ 秋の特別拝観(〜11/30)/妙心寺塔頭大法院 

○ 秋の看楓特別拝観(〜12/3)/東福寺

○ 観経曼陀羅特別公開(〜12/8)/真如堂

○秋の人形展(〜11/14)/宝鏡寺

○ 秋の古本まつり(〜11/5)/百万遍知恩寺

○もみじまつり(〜11/30)/赤山禅院

○ 境内ライトアップと夜間特別公開(〜12/10)/東寺

○ 祇園をどり(〜11/10)/祇園東

○ 秋の一般公開と文化財の特別公開(〜11/5)/安楽寺

○ 貴船もみじ灯篭(〜11/26)

○ 秋の夜間特別拝観(〜12/3)/宝泉院 

○ 庭園特別拝観(〜12/3)/妙覚寺

○ 秋の寺宝展(〜12/3)/永観堂 

○ 永観堂ライトアップ(〜12/3)

○ 秋の特別拝観(〜11/5)/安祥寺

○ 第60回 仏教美術展(〜11/5)/京都文化博物館

○ 「好文亭」の特別拝観(11月中の土日祝(19日を除く)/青蓮院門跡

○ 秋の特別寺宝展(~5日・23日~26日)/六道珍皇寺 

○ 秋の特別公開(~6日・11日~12日・18日~19日・23日~26日)/寂光院

○ 秋の特別拝観(〜12/3)/東福寺塔頭・即宗院

○ 金堂夜間特別拝観 及び 境内ライトアップ(〜11/19)/神護寺

○ 十日十夜別時念仏会(お十夜)(〜11/15)/真如堂

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