今日の京都3月15日(月) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。

今日から七十二候が移ります。
【菜虫化蝶(なむしちょうとなる)】
青虫が紋白蝶になる頃。「菜虫」は菜を食べる青虫のこと。菜の花が咲いてまさに春本番です。

昨日、気象庁は東京・靖国神社にある桜(ソメイヨシノ)が開花したと発表しました。平年より12日早く、昨年より7日早い開花で、昨年と同じく観測史上最も早い開花日となりました。
京都の開花予想は3月17日、満開は26日とされています。

【標本木とは】

気象庁では、観察する対象の木を「標本木」と呼んでいます。
標本木は、全国各地の気象台や測候所の構内にあります。
構内に標本木がない場合は近くの公園や神社などにある木を標本木に指定します。
昨日発表された、東京の桜の標本木は、靖国神社の境内にあります。以前は、気象庁が靖国神社の側にあったため、この木が選ばれていたのです。気象庁が移転してからも、靖国境内にあるこの標本木が使われています。




○京都の標本木
京都の桜の標本木はどこにあるかご存知でしょうか?
以前は京都地方気象台の正面玄関前にあるソメイヨシノの木が「標本木」だったですが、現在は二条城の「北大手門」の近くにある木が「標本木」になっています。



【標本木はどんな桜なのか】
ズバリ、ソメイヨシノです。一般に日本で「桜」というとソメイヨシノを意味することが多く知名度が高い桜です。
咲きはじめは淡いピンク色で、満開になると白色に近づきます。
一重咲きで花びらは5枚。花の大きさは3.5~4センチ。
葉が出る前に花が開き、枝もたわわに花を咲かせます。




○ソメイヨシノの名前の由来
江戸時代のおわりから明治時代にかけて駒込の植木屋が売り出したもので、奈良吉野山の山桜と区別するため、地名である染井(駒込の大字)を冠して「ソメイヨシノ」と呼ばれるようになりました。

○ソメイヨシノは全て同じクローン
ソメイヨシノは大島桜(オオシマザクラ)と江戸彼岸桜(エドヒガンザクラ)の間から生まれた「雑種」です。
種から芽を出して育ったものではありません。
ソメイヨシノは、もともと雑種起源の桜で実生(みしょう)で育てることができないのです。
ソメイヨシノは接ぎ木という方法で増やしていきます。接ぎ木とは増やしたい親木から「穂木」という枝を切り台木につなぎ合わせて育てる方法です。
木が大きくなったら、そこからまた穂木を採取して接ぎ木して育てる、という手順を繰り返していきます。
全国各地のソメイヨシノはすべて限られた原木を元に作られた同じ遺伝子のクローンなのです。
そのため、遺伝的にほぼ同じなので、気候の変化によるソメイヨシノの開花の様子は全国どこへ行っても同じなのです。

○標本木にソメイヨシノが選ばれた理由
①全国的に学校・公園・街路樹などで数多く植えられていること。
②全国のソメイヨシノは同じ遺伝子=DNAを持つクローンだから。

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桜の話題続きです。
今日は 1598年に醍醐の花見が行われました。豊臣秀吉が近親の者や諸大名1300名を従えて京都・醍醐寺で最後の花見です。



写真出典
『醍醐の花』(尾形月耕『日本花図絵』)

醍醐の花見(だいごのはなみ)とは、慶長3年3月15日(1598年4月20日)、豊臣秀吉がその最晩年に京都の醍醐寺三宝院裏の山麓において催した花見の宴です。

秀吉は豊臣秀頼・北政所・淀殿ら近親の者を初めとして、諸大名からその配下の女房女中衆約1300人を召し従えた盛大な催しで、九州平定直後に催された北野大茶湯と双璧を成す秀吉一世一代の催し物として知られます。

この醍醐の花見にはたくさんのエピソードが残されています。

○記録に残るその日の輿の順
1番目に北政所、
2番目に西の丸殿(淀殿)、
3番目に松の丸殿、
4番目に三の丸殿、
5番目に加賀殿、
2番目から5番目までが側室です。
その後に側室ではない前田利家正室・まつが続きました。

○宴会の席での杯を受ける順番でもめます。
正室である北政所の次に杯を受けるのを淀殿と松の丸殿が争い、北政所とは家族ぐるみの長い付き合いの前田利家の正室のまつが「歳の順から言えばこの私。」と、申し出てその場を上手く取りおさめたたと言われています。これは、まつは家臣筋といえど、この席では客人なので、客人をほうって身内で順争いをするものではないということからだとか。

○花見に招かれたのは女性ばかり

諸大名は伏見城から醍醐寺までの沿道の警備や、会場に設営された八番の茶屋の路地茶屋(いわゆるパビリオン)の運営などにはあたったが、花見に招かれたのは女性ばかりで、男性は秀吉・秀頼の他には前田利家だけでした。

○「醍醐花見短冊帖」
花見で詠まれた和歌の短冊は今も醍醐寺三宝院に保管されています。
その中で 淀殿が三首詠んだうちのひとつです。

花もまた 君のためにと 咲き出でて 世にならびなき 春にあふらし 

○醍醐の花見を設えたのは醍醐寺の第80代座主の義演

秀吉の最期が近いことを感じ取った義演が、一代の華麗な英雄の最後にふさわしい大舞台をしつらえるために、あちこちにそれとなく手配をしてこの醍醐の花見を実現させたともいいます。秀吉はこの約5か月後に没しました。

○女性の衣裳替えは2回
参加した女性たちには2回の衣装替えが命じられ、一人3着ずつ着物が新調され、衣装代だけで現在の価値で39億円に相当する金額がかかったと言われています。

○後年に制作された「醍醐花見図屏風」(国立歴史民俗博物館蔵)

https://www.rekihaku.ac.jp/exhibitions/special/old/room3_2012/index.html#fuzokuga

(このページは以前の展示の案内ですがこのページに醍醐の花見図屏風が紹介されています。) 


醍醐寺では、現在でもこれにちなんで毎年4月の第2日曜日に「豊太閤花見行列」を催しています。
この醍醐寺のお花見も、あともう少しですね。
どんな権力者であっても必ず訪れる「死」。人生最後、醍醐寺で桜を眺めた秀吉はどんな気持ちだったのでしょうか?

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また、新しい週の始まりです。3月も半ばとなります。3月は去るとも言われます。あちこちで卒業式が行われて、袴姿の女子学生が春を感じるさせてくれます。

お出かけの方、マスク、手洗いなど、忘れずに、三密にお気をつけてください。
お仕事の方、お疲れさまです。
行ってらっしゃい!
いい1日でありますように!


【今日の京都令和3年3月15日(月)】(No.2308)

※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

 大文字山です。
京都コンピューター学院の映像です。
 http://www.kcg.ac.jp/daimon/index_f.html 

鹿苑寺金閣
ページの下の方にライブ映像のところがあります。
 https://www.shokoku-ji.jp/kinkakuji/


近畿地方の現在の雨の状況です。
 http://www.river.go.jp/x/krd0107010.php?lon=135.6836159946397&lat=34.95309468371873&opa=0.4&zoom=8&leg=0&ext=0 

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コロナウイルスのため、中止になっている行事が多くなっています。

3月14日現在の京都の行事やイベントの状況です。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143

○ 涅槃会及びお松明式/清凉寺
コロナウイルスのため、今年は中止となりました。

○涅槃図公開(〜3/31)/真如堂

○ 京都駅ビル 光のファンタジー2020(〜2021年3月27日)

○梅苑公開(〜3月下旬)/北野天満宮

○ 相国寺・金閣・銀閣宝物展-梅の余薫(〜4/18)/相国寺の歴史と寺宝  承天閣美術館

○ 枝垂梅と椿まつり(〜3/22)/城南宮

○ 第55回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開(〜4/11公開場所によって、日程が違います。)

https://ja.kyoto.travel/specialopening/winter/2020-2021/

○ 春の特別展とライトアップ(〜5/5)/高台寺

○ 春の特別展とライトアップ(〜5/5)/圓徳院

○花の天井春の特別公開(〜5/9)/平岡八幡宮

○春の人形展(〜4/3の土日)/宝鏡寺

○十三まいり(〜5/13)/法輪寺

○ 本法寺 春季特別寺宝展(〜4/15) /本法寺

○ 泉涌寺涅槃会(〜3/16) /泉涌寺 

○ 東福寺涅槃会(〜3/16) /特別拝観 東福寺

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