8月の終わりから ずっと忙しくて 晩夏を感じないうちに秋に突入。
そして 今日は気温も低くて 早 冬の気配。

最近やっと映画を観に行けるようになり 先日「フェアウェル」を観てきた。
配給はA24。
中国から米国 NYへ渡った一家が 末期ガンにより余命幾ばくもない大好きな祖母に会いに行くため帰国するのだが 幼い頃からNYで暮らしてきた主人公が 祖母に余命を告知するか否かで 悩み葛藤する話。
心温まる 良い映画だった。
はっきり伝えた方が本人のために良いと考える西洋と 何も知らせず不安な思いをさせない方が良いと考える東洋。
同じ東洋でも 中国と日本とでは違って 日本は どちらかと言えば西洋より。
私は実際にまだ経験したことはないけれど 日本のテレビや映画を観ていると 医師が患者に病名をきちんと伝えているシーンが出てくる。
どうしたら大切な人が幸せに最期を迎えることができるのか。
いつか そんな時がきたら 私なら どうするだろうか と考えさせられる映画だった。

「フェアウェル」と同じ配給会社のA24が ソフィア コッポラ監督の「オン ザ ロック」を配給。
昨日までの上映で 観たかったけれど 都合つかずに観に行けず終い。
ソフィア コッポラ初の喜劇映画。
いずれネットでも観られるだろうけれど やっぱり劇場で観てみたかったな。

そして 本日は黒沢清監督の「スパイの妻」を観てきた。
美しく そして 面白い映画だった。
衣装や車 インテリアなど撮影美術の他  光と影の使い方が美しい。
衣装や小物など なんでもないものに対しても色彩が美しい。
小津安二郎監督のように 映像から監督の美意識を感じた日本映画は久しぶりだった。
ストーリー展開も良い。
ハラハラ ドキドキの連続で 最大の見せ場で 予想を裏切られてしまう。
思わず 蒼井優演じる主人公 聡子のように笑ってしまった。
蒼井優の演技も素晴らしい。
こんなに 役によって別人になれる人っていただろうか。
東出昌大は 東出昌大なんだけど 役にぴったりの冷徹さが出ていて良い。
映画の音楽はペトロールズの長岡さんが手がけたそうだが 映像と音楽がシンクロしていて素晴らしく また ペトロールズや東京事変の印象が強すぎたためか 長岡さんにこんな引き出しが隠されていたとは と驚いた。
ラストのシーン。
聡子の涙に 思いを巡らせたまま 終わる。
こういう終わり方 嫌いじゃない。

ちなみに 上の写真は「スパイの妻」のラストのシーンと同じく 夕日が沈んで消えていく瞬間の海の風景。
「スパイの妻」は夕日がもう少し柔らかい色をしていたと思う。
本当はエリック ロメール監督の「緑の光線」のように 太陽が沈む瞬間に 緑の光線が見えないかなと 叶わぬ期待をしながら撮影したのだけれど やっぱり見えなかった瞬間の写真。