ITALIA /サルディーニャ島食べ歩き・ヨットの旅 60 | 竹内都子オフィシャルブログ「みやこ食堂」Powered by Ameba

ITALIA /サルディーニャ島食べ歩き・ヨットの旅 60

「プリーズ ヘルプミー!」叫び


私は大声で叫んだ。


向かってくる大きなヨットヨットは私に気付いてくれたようだ。


ゆっくり私の方へ近づいてきた。


「助かった…」


ヨットの男性が「ロープを投げるからヨットをくくりなさい」


と一番後ろからロープを投げてくれた。


ヨットや船には何種類かの特殊なロープの結び方があるのを知っていますか?


船舶免許の試験のときにも実技試験の1つにあるのです。


その一番の基本で一番よく使う


「もやい結び」という結び方があります。


この「もやい結び」はヨットに乗る者なら誰でも出来るし…


っていうか出来なきゃいけないものです。


投げられたロープは5メートルくらい先に着水した。


私は今まで命の糧であったブイを離すと荒波の中、


オープンビックを掴んだままロープに向かって必死で泳ぎ


無事ロープを捕まえた。


『早くヨットをくくらないと…』とロープをヨットの先端・バウとと呼ばれる所にくくろうとした。


このパニックの状況の中にもかかわらず、


私はちょっといやらしい事を考えていた。


「せめて『もやい結び』でディンギーを繋ぎ


『あぁ彼女は少しはヨットヨットの事を知っているんだな』と思ってもらおう!」


全くヨットの知識もないのに、こんな沖までヨットで流されてきて…


と思われるのは、あまりにもブザマだったからだ。


頭から何度も波を被りながら『もやい結び』をやろうとしたのだが。


焦る……ガーン


焦れば焦るほど訳が解らなくなってくるものだ。


いつもは簡単に出来るのに…


な・なんでやの???


しかもいつもとは逆向きで結ぶので全然出来ない。


例えばチョウチョ結びを向こうむきにやるのって難しいやん?


そんな感じ。


何回か挑戦したものの向こうの人も待ってはるし…


「何やってんのん?結ぶだけやのに…」って思ってるだろう…。


とうとう諦めた。


あれだけ粘ったのに、


挙げ句のはてにはダンゴもダンゴ。


もうぐちゃぐちゃ。


グルグル巻きの毛玉毛玉みたいになっていた。


むっちゃテンパっててんなぁ…


今思い出してもそれだけが心残りだ。


そのまま大きなヨットの方へ引っ張られて、


後ろの梯子からデッキに上がるなりすぐにお礼を言った。


「すみません~ホンマにありがとうございます…」


今度はは大阪弁で…


とにかく私は無事豪華ヨットヨットに救出されたのだ。


せんちゃんは大丈夫だろうか…?


Bis per favore