ITALIA /サルディーニャ島食べ歩き・ヨットの旅 53
アルゲーロの町。
中世を思わせる旧市街のアパートの一室でイタリアのマンマ…?
いやいや…パパの味を満喫していたワタクシ達。
「美味しい」「美味しい」とパクパク食べ続ける様子をブルーノ&パオラは優しい笑顔で見つめていた。
そしてアルゲーロでホテルがないならこのアパートに泊まればいい
と言ってくれた。
私達のあまりの突然の訪問にも寛大に迎えてくれ、
そればかりか初対面の日本人に自分達のアパートに泊っていいよと言ってくれる。
こんな優しさってないよ
すっかり恐縮し「本当にいいんですか?」
「知っているホテルがあれば紹介してもらえればそこに泊ります」
と言う私たちにブルーノは
「io voglio che voi usate la casa come vostra casa」
と何度も何度も言ってくれた…
中々理解出来ない私たちにジェスチャー付きで…
意味は「貴方たちがこの家を自分の家の様に使って欲しい」でした
冷蔵庫にあるものも…
洗濯機や洗剤も…
好きなように使ってくれと
その後ブルーノ&パオラは
アルゲーロの町を二時間掛けてお散歩しながら案内してくれた。
美味しいピッツァとファイネのお店や
朝方しか開いてない人気のコルネの店。
イタリア人は朝ごはんにコルネを食べる事が多いんです。
コルネといってもこっちで言うクロワッサンみたいな感じで
クリーム入りやジャム入りとか種類もあるのよ。
後はメルカートと呼ばれる大きな市場…
スーパーマーケットや美味しいチーズと生ハムのお店等々…
「私らここに永住するの?」ってほど案内してくれるねん。
町を散歩している間
パオラは何回も
「貴方たちは次いつサルデーニャに来るの?来年来る?」
「2~3年後には来るでしょ?」ともうすでに再会の約束をしようとするねんのよ。
ほんの数時間前に会ったばかりなのに…
アルゲーロの町を散歩してアパートに戻ってきた。
「明日は何をするの?」
「レンタルのヨットを探して海水浴に行きます」
「じゃあ、あさっては何をするの?」
「…特に何も決めてないです」というと
ブルーノは「じゃあ一緒にランチを食べに行こう」と言い出した。
昔ながらのスタイルでサルデーニャの伝統料理を食べさせてくれる
アグリツーリズモがあるというのです。
早速予約を取ってくれて明後日の約束をすると
彼らは嬉しそうに車で一時間のサッサリの町に帰って行った。
ホテルが見つからない地獄の朝から
目まぐるしくいろんな事が起き
とんでもない幸運に感謝しながら
ホッと安心した私たちは
冷蔵庫を開けて中を見た瞬間
突然気が付いた
そこには生ハムやチーズや野菜が何種類か。
ミネラルウォーターやパンもたくさんあった…
そうか
そうだよねぇ
私たちは連休だからホテルが取れなかった
そうなんだよ
ブルーノ&パオラは連休だから何日間かアルゲーロでバカンスを過ごす為に来ていた。
そうやよ当たり前やん
今さら気づくなんてアホ過ぎるわ
何にも用事なくてアルゲーロになんて来てないよ…
普通こんな事出来ないよ…
連休を利用して自分たちのアパートに遊びに来て
食材なんかも買い揃えてやれやれ…
と思っているところに
突然見知らぬ日本人から片言のイタリア語で電話がかかってくる。
その人達の為に
「私たちのアパートに泊まって。何泊でもいいのよ。冷蔵庫のも全部食べちゃってね」と手放しで
ウェルカムしちゃうんだもの…
イタリア版「田舎に泊まろう」に心から感謝です
人の温かさに感動しながら気分は旅人から早くもALGEROの住人になっていた。
Bis per favore…