スタッガード・ボード(Staggered Boards)とは、全取締役が一度に選出=入れ替えられることが出来ないように、取締役を複数のグループに分け、改選任期をずらして一部分だけを選任して交代させるといった買収の防衛策のひとつです。
 たとえば取締役の任期を3年とすると、全取締役が入れ替わるには3年を要します。敵対的買収によって会社を手に入れても、経営方針について取締役会の過半数の同意を得るためには最低2年が必要となり、3年程度で成果をあげなければならないファンドの買収者にとっては容認できない時間となります。
 スタッガード(staggered)は、本来「(始業時、休み時間などを)互い違いにする、ずらす」などの意味ですが、「決心をぐらつかせる」という意味もあり、スタッガード・ボードは、この双方の意味が込められていると思われます。
 このようなむしろ消極的と言える買収防衛策を取るよりは、日頃から配当性向を高め、定期的に自社株買いを実施して、企業価値を向上させて、安定株主を増やすなどの対策を地道に積み上げることこそ、本来の買収防衛策になります。そうした経営努力を継続することで、企業の株価も上昇し、好循環の連鎖により株主が安定して、敵対的な買収対象にならないことになります。
 尚、敵対的買収の主な予防策には、
①ポイズンピル(毒薬)
②ゴールデンパラシュート(金の落下傘)
③スタッガードボード(捻じれた役員会)
などがあげられます。
 また、敵対的買収の主な対抗策としては、
①ホワイトナイト(白馬の騎士)
②パックマン・ディフェンス 
③スコーチド・アース(焦土作戦)
などがあげられます。

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