産業再生機構は、日本の株式会社産業再生機構法に基づき2003年4月16日設立された特殊会社で、預金保険機構が株式の過半数を保有するものとされていました。金融再生プログラムの一環で、スウェーデンのセキュラムをモデルにしたそうです。
当初5年限定の組織とされていましたが、同機構の支援が予定よりも早く進み、対象事業者への支援が全て終了したことから、1年早く2007年3月15日をもって解散して清算会社に移行、同年6月5日をもって清算結了しました。存続期間中におよそ312億円を納税、解散後の残余財産の分配により更に約432億円を国庫に納付したため、国民負担は発生しませんでしたが、カネボーやダイエーなどが注目されていたが、資本関係を変えるだけで事業そのものを再生出来たかは疑問といえる面があります。職員のうち公務員の占める割合は1割程で、他は民間出身者が占めていた組織とされています。
企業再生支援機構 (Enterprise Turnaround Initiative Corporation of Japan(ETIC))は、2009年10月に、国の認可法人として設立された株式会社で、有用な経営資源を有し、成長の可能性を秘めながらも、過大な負債を抱えて経営が困難な状況に陥っている事業者の事業を再生することを目的に、出資や融資、経営人材の派遣、経営改善の支援などを行うために設立されました。
主に中堅および中小企業が対象となり、企業規模、業種、地域などについての制限は特にないとされています。設立から5年間で解散を予定している時限的な組織との事で、支援先の決定は設立から2年以内に行うことになっており、支援が決定した案件については3年以内で支援を完了することを目指しています。単に個別の企業を支援するだけではなく、地域に欠かせないような産業や企業グループなどを再生させ、地域経済の再建を仲介する役割を担うとされています。
日航が地域経済に貢献するというには大き過ぎるのではないかと思われますが、他に政府系で支援をする機構が見当たらず、拡大解釈されたような支援であることは否めません。日航へは稲盛氏が招聘されましたが、3年以内で結論は出されねばならず、投入された資金(結局税金)が外資に安く譲られてしまう可能性も残されています。
企業再生支援機構の支援結果によっては、国民負担が生じます。しっかりと見守りたいものです