文字通り三歩進んで二歩戻る

「半農半X」ならまだしも

実際には田舎暮らしを始めると

生計も立てなくてはならないし

少なくとも10くらいは日々のタスクが出てくる中で

畑や田圃にどれだけの時間と体力と氣力を使えるか

 

そして日本の農地の多くは今、

長年の化学肥料、農薬、耕運機の使用などなどで

それら無くしては育たない土壌になってしまっているので

高く掲げた自然農や有機農の理想は

数年のうちは打ち砕かれることも多い

 

都会の感覚で簡単に否定してきた

慣行農法がなぜそうしてきたのかを理解することも多いし

自分より十倍くらいの時間を農に費やしているプロたちを

見る目も変わる

 

でも出荷するわけではない自給農には

近所から笑われるような小さな収穫物を愛でる暇が許されるし

2年、3年とじっくり畑の出来事を観察する心も持てる

壮大な失敗や縮こまった野菜たちを通して

ものの「コトワリ(理)」が見えてくる

実は成功よりも失敗から學ぶ事の方が多い

 

マニュアルやワークショップで

教え手が何十年の実践から得た型を學ぶ時にも

そうした徒手空拳の実践経験(ほとんどが失敗)があると

學びも飛躍すると思う

「なんでだ?なんでうまくいかないんだ?」

と考え出すと、的確に質問が形成され

具体的な學びへとつながっていく

 

そんなこんなでツアーに出たりも多い

ほったらかし農の極みの中で

何年もかけて施した大地再生の成り行きを観察したり

厳しい土壌でもなぜかこぼれダネで毎年実をつけて食べさせてくれる作物がわかったりする

時には畑に向かう意識すら希薄になる時期もある

 

つまり、試行錯誤に時間がかかる

始めればすぐに得られるものでもない

モチベは生まれたり消えたりする

 

しかし見えにくい食糧危機は猛スピードで迫ってくる

「食糧がなくなる!」という危機ならまだ分かり易いが

巨大な企業利益や金融マーケット、

さらには何か得体の知れない地球単位、はたまた遺伝子単位の「管理」と「支配」の野望がもたらすのは

巧妙な食糧の「すり替え」である

形は野菜だが、よく見ると全然違うもの

すでにそんなものがありふれて、さらに加速し

それに気付けない、慣れてしまう人も常識化し

もはやその味しか知らない子供たちがマジョリティである

 

千利休を軸とした歴史漫画『へうげもの』が描いたフィクションの引用ではあるが

「武の時代を数寄で終わらす」という利休の理念が茶道に込められていたのは確かだと思う

 

そんな「数寄」の心意気で「どうよ、俺の野菜。うまいっしょ」なんてやりとりがカルチャーとして根付く社会を想う

 

時間はない

けど時間がかかる

でもここが1つの突破口

永年、この数千年間、

人類が狩猟採集社会から農耕社会に移行し、食糧を蓄えられるようになって生まれた「権力」と「蓄財」と「貧富の格差」

 

この頸木(くびき)から解き放たれる世を作るには

みんなで自給の文化を熟成させることが

シンプルな突破口だと考える

今の人類は知恵や手法の瞬時の共有に長けているし

もし多くの人がこのフェーズに突入したら

これまでにみたことのないような

ポップでカジュアルでオーガニックなアグリカルチャーを

作れると想う

 

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補充しました♪

 

最近ではテレビでも見かける?

野口のタネ!

固定種を自家採取してください!!

 

*固定種とは「固定された形質が親から子へ受け継がれる種」のことを言います。

野口のタネ

bit.ly/3LvgGLN