(真の打撃とは、筋肉の力ではなく身体の使い方。身体操術)

 

実は薪割りの動作の中には、ブルースリーのワンインチパンチに通じる要素があることに気づく。

 

ワンインチパンチは振りかぶったり助走する事なく、2−3センチという超至近距離から拳を相手に当てるだけで2メートルの大男を吹き飛ばしてしまったり、内臓を破壊してしまうほどの内部的打撃を与える。ジークンドー(ブルースリーが体系化した独自の武道)的にはこれは1つには、念の力だという。氣功に通じる話だろう。

 

そしてもう1つが、足のステップが生み出すわずかな動きの力をロスなく身体を伝わって拳に集約させる動きがある。これは古武術や居合い抜き、格闘技、野球、サッカー、テニスなどの球技にも見られる体幹の使い方であり、あまり詳しくないけれども合気道なんかにも通じてくる話だと思う。

 

ちなみにマイケルジャクソンは、かなりジークンドーに影響されていると思う。ブルースリーのステップワークは本当に美しい。そもそも70年代にNYで生まれたブレイクダンスは、これら中国拳法に大きく影響を受けている。

 

零下10度以下にもなる山の古民家の冬を薪ストーブのみで乗り越えるために、薪割りを何年かやってきてわかってきたのは、己の「筋肉の力」という意味での「パワー」はとても限られたものであるという事。「力任せ」に何かをやってもうまくいかないのは自明の理。

 

まず斧が持つ重さが最大限に活きるポイントで斧を落とす感覚があって、基本的には斧の重さに任せる。じゃ無いと、1時間とか持たない。ただ、斧を落とす前の一寸、足のわずかなステップから大地の力を身体を伝って斧に込めるイメージでちょっとだけ力と念を込める。

 

大きな玉を割るときはやや遠目から、斧を投げ込むように打ち込む。少しへっぴり腰なくらいに腰をしっかりと残したまま、腕だけはしっかりと斧についていく感覚。斧のヘッドを少し食い気味に差し込む。

 

割れたものを細かくするときは、やや近目から斧にコントロールを効かせる意識で、打ち込む時に足で大地をトンと鳴らす(ステップ)。右打ちだと左足、左打ちだと右足。斧の面をなんとなく薪に対してフラット、真っ直ぐに落とし込むイメージ。

 

僕は、薪割りはあらゆるスポーツに通じる鍛錬だと思うので、本当に多くのアスリートたちに薪ストーブライフに目覚めて欲しいと思う。そうすると森の世話をする人が増えて、人間社会と自然の境界線、エッヂを整える人が増える。里山が再生され、湧水などが無為な開発に荒らされることも減る。

 

冗談のようでマジな気持ちです。

 

今、問われているのはどんなアスリート、どんなアーティスト、どんな職業、であるかという事の大前提に、1人の人間としてどんなライフスタイルに根ざしている自分がいるのかを追求する事。自然のサイクル、エネルギーとつながった自分を築けば自ずと、出づるエネルギーが存在する。そういう意味で、先住民族のような肉体性と自然に暮らす叡智をどれだけ肉体感覚として取り戻せるかという事と、テクノロジーの爆発的進化の制御という事は、一連の話なんだと思っています。

 

冗談のようなマジな話です。

 

 

 

【自分の薪割りフォームをイチローレベルでチェックできるのは結構、幸せ】

 

人間イズ最大のフリーエネルギー。

 

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