僕は原野が好きだが、家の周りのゾーンニングの中では草刈り施さないと家や畑や道が埋まってしまうところは例年、草刈りをする(と言うか通年で生活の3割が草刈りと薪割り)。
 
そうしたエリアではワラビやイタドリなど山菜はあえて刈らずに残してみるなど、多少の人為性を加えて、我々の生きていくための生産性をデザインさせてもらう。

農水省実用開発事業で試験されたところによると、ワラビの圃場(うちの場合はただの原野)のワラビは7月上旬までに地上部を刈れば、翌年の生育に影響がないそうである。
 
と言うか、農水省はワラビのそんなところまで、きっちりと研究しているわけである(すごい)。リンクのワラビの研究がその対象内かは判別していないが、種苗法の改正に伴って(ワラビとは限らず)ありとあらゆる種苗に関する何十年の膨大なデーターを(国民の税金を天文学的に費やして得た知見)、多国籍企業に提供できるようにするんだそうである。
 
ワラビは山に勝手に生えてるもの、と言う以上のイマジネーションを持たない国民のほとんどは、それらの遺伝子もいずれきっちりと登録されたり、操作されることを危惧するには、なかなか至れないのだと思う。いや、僕の思い過ごしかもしれないしね。
 
そもそも日本には2%以下の原生林しかなく(あとは人工林)「自然」と言う意味での山々はすでにエネルギー開発に荒らされ、過疎で守護者がいなくなって荒れ、埋もれ、消えつつある。国や企業に、二束三文で売られる九州1個分と言われる所有者不明山林も、見るものから見れば絶好の「資源」。社会として、もう一歩も二歩も、それらの現実と向き合って自然のサイクルを守ることをカルチャーとして定着させなければ、いずれ「ワラビとは特殊なバイオ技術圃場で栽培されるもの」と言う常識にすり替わりかねない。

 

ワラビの刈り払い時期が生育に及ぼす影響

(山形県最上総合支庁産業経済部農業技術普及課産地研究室)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/tarc/to-noken/DB/DATA/066/066-149.pdf?fbclid=IwAR37ljaTf5ESAf9Eb0n0RRsv0vcZlg03P2njc3qvAH4YJYcUIG818lAA_Ho