三宅洋平メルマガ『感覚と科学』9/5号より「ごく一部」を転載

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━《目次》━━━━──────

0.新幹線車中より長い前置き
1.だから、犬式 そしてパーマカルチャー西海岸ツアーへ
2.駅までRADIO「ソーヤー海 × 三宅洋平」
3.ポートランドのブラザー、マット・ビボウを迎えて
4.三宅商店 店主のイチ押し
5.談話室

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2.駅までRADIO「ソーヤー海 × 三宅洋平」
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岡山に来てパーマカルチャーだったりNVC(非暴力コミュニケーション)だったり
貴重な気づきをたくさん与えてくれた東京アーバンパーマカルチャー(TUP)の
ソーヤー海くんを岡山駅まで送る道すがらの車内にて、
移動時間を無駄にするのはもったいないということで、
急遽決まった対談企画、その名も『駅までRADIO』

吉備中央町から岡山駅までのドライブの中で繰り広げられた、
時に脱線あり、時に漫才のようなやりとりもありの濃密な1時間。
即興的でありながらも、駅に着くまでの限られた時間がそうさせたのか
まとまりのある内容に仕上がっています。

そんな『駅までRADIO』の記念すべき第一回。

海くんがTUPや「パーマカルチャーと平和道場」そして、
日本全国津々浦々で行なっているワークショップにて
戦略としてどのようなトレーニング手法をとっているのか。
何が求められ、何を伝えて行こうとしているのかについて
話をしてもらいました。

・・・・・・・・・・・・・・・

▼活動をバックアップする交流の場を作る

【海】
じゃあトレーニングの話ね。
この岡山の滞在でテーマとしてずっと言ってきたのは、
インフラ作り。

流れをどう創って支えていくかっていうのは
日本にいてその重要性をすごくひしひしと感じている。

そのインフラがなんなんだろうっていう。
暴力のインフラがあるようにさ。
すごい自然な流れで暴力は流行るわけで、
生活の隅々までいろんな形で入ってくる。

おんなじ感じで平和のそういう流れを作るためには、、

【三宅】
癒し。リトリート。癒しのシステムがないんだと思う。 今、社会に。

【海】
そうそう。癒し。タカくん(※)がいつも言ってる養生。
ヒーリングが無いと次にいけない。引っかかっちゃって。
そういう癒しと、活動するときに何をすることに意味があるのかっ
ていうのを一緒に考えたりとか、発見する必要があるんだと思う。

※冨貴工房の冨田貴史

それはやっぱり自然との何か深い繋がりというのも重要だと思うし、
ほんとに自分の身の周りの生活を意識できるようになる。

やっぱりそれが本質的な自分の凄さに気づくきっかけなるから。 
なんかそういうことを大事にしている交流の場が必要。
繋がって行くから。みんなが勝手に。

【三宅】
それがアシュラム(※)ってことか。

※インドの精神修行の場のこと。修行寺。道場。

【海】
そう。で、常に育てているんだよ。

【三宅】
まあ昔の寺ってそういうことだったんかね。
確かになんちゅうか男の40代みたいな、、、
男の40代って、、何言ってるかわかんない。。。

【海】
ああ、ヘリがあった。おー凄いねぇ。

【三宅】
農薬撒いてるやつだ。
ドローンとか言う前にとっくの昔に日本の農業は
ラジコン農業だもんね。

【海】
まああれはドローンだよね。

【三宅】
元祖ドローン。
アメリカの空中散布でも結構ああいうやつ使うでしょ?

【海】
アメリカの空中散布はガチ飛行機。規模が違う。

【三宅】
ガチ飛行機だ。アホだよね。

【海】
なんか俺が見た映像ではさぁ、メキシコの移民の10歳位の子が、
夏休みにお金がないから家族単位でバイトしてて
なんか雑草を取ってる間に空中散布して、もろに農薬をかけるみたいなさ。
人間が普通に働いてるとき空中散布をする。

【三宅】
家畜扱いだね。

【海】
そう。

【三宅】
あ、そう思い出した、
ずぼらって言葉がでてこなくて今の話詰まっちゃてたんだけど、
40代独身、仕事バリバリやったけど、映像関係で、
なんか酒飲むのも好きだし、人付き合いも豊かだし、
家でもそんなに料理とかもしないで、たまに男の料理くらい。

そういう人が実は家が寺の家系で
40過ぎで修行に行って出家して、自分の家の寺を継いだんだけど、
はじめの1年はずっと厨房だったんだよね。その人は。寺の。

やっぱさぁ生まれ変わったみたいにさ、
トンカツとカレーとかじゃない精進料理作れるようになって、
細々と、テキパキとやれる人になって帰ってきて、
まさかや!みたいなさ。

やっぱり修行の中でそういう今言ってたさ、
寺とかアシュラムが与えてくれるものっちゅうか、
開発、呼び起こしてくれる力って結構基本的なことだなって。
でもそれが生きる力の強さになって出てくるんだよね。

あんまり寺とかアシュラムとかって言う概念でハッキリと捉えてなかったけど、
なんかそういう場所としてのリーサル・ウェポンがあるのかなーと思ってはいただけで。

今までに無い発想があるに違いないと思って探してたし、
昨日ぐらいまでもその海くんの戦略性というかさ、
世の中良くしようとするっていう純粋な部分において
人々が傷ついても、くじけず、また続けていけるサイクルを、
やっぱバックヤードがないから皆倒れていってしまう部分で、
それってなんなんだろうってやっぱ思ってたんだけど、
もうあるね。すでにあって、始めてて、やろうとしてること。

▼スピリットで繋がって行くということ

【海】
再生できるそういうインフラもいくらでもある。お寺とか神社とか。
ただ、今はなんかエッセンスが抜かれてしまってるから。
人がそもそもいないっていう場所もあるし。 

でもそれはものすごいインフラだと思う。
だってコミュニティの場じゃん。ああいう所って。
商業施設じゃなくて。すごい特殊だと思う。
パブリックスペースみたいになってるから。
居場所がない人が行ける場所でも一応あったし、
なんかスピリットで繋がる場所だから、
普段の肩書きとかがあまり意味のない世界。全部じゃないけど。

【三宅】
それは具体的にお寺っていう意味で言ってる?

【海】
そう。で、教会もそうだった。
場所にもよるけどやっぱり教会も神レベルで繋がるから、
貧しいとか金持ちとかどうでもいいみたいなさ。

【三宅】
今、千葉のいすみでやってる「パーマカルチャーと平和道場(※)」が、
かつての寺的な位置づけにっていうイメージ?
まぁアシュラムって海君はよく言ってるけど。
それとも実際の寺をもとかもそういうノリにして行こうって感じ?

※海くんと海くんが主宰する東京アーバンパーマカルチャー(TUP)は
築100年にも及ぶ古民家を現在進行形で改装しながら、
人々が技術を学び、交流し、そして癒しの場となるスペースを
千葉県いすみ市で構築中。

【海】
実際の寺もそういうノリにしていきたいけど、
意図的に寺みたいにしたわけじゃなくて、
やってるうちにお寺について考え始めて、
で、ちょっとイケてるお寺、自分が共感しやすいお寺とか訪問して、
善了寺とか辻信一さん(※1)がやってて、カイルがストローベイル(※2)にした。

※1 辻 信一(つじ・しんいち)
文化人類学者。環境運動家。明治学院大学国際学部教員。
「スローライフ」「GNH」「キャンドルナイト」などをキーワードに
環境=文化運動を進める一方、環境共生型の「スロー・ビジネス」にも取り組んできた。
東日本大震災以後は、「ポスト311を創る」キャンペーンを展開。
著書に『スロー・イズ・ビューティフル』(平凡社)など。
海くんの著作『都会からはじまる新しい生き方のデザイン URBAN PERMACULTURE GUIDE』
には海くんと辻さんによる対談も収録されています。
https://goo.gl/YNfvf1

※2 カイル・ホルツヒューター
三宅商店が事務所を構える岡山県吉備中央町の隣町、
久米南町の上籾(カミモミ)に移り住みパーマカルチャーセンター上籾を設立。
日本の大学で学んだ左官職人であり断熱のプロ。
ストローベイルとは穀物栽培の副産物として出る藁を圧縮し、
ブロック状にした物で、それを壁材として積み上げて家を作ることができる。
https://goo.gl/jHJmrK

善了寺とかは和を再生して、
都会の人々に和の美しさと地球と繋がりを作っていて、
介護施設も最近作って、みたいなさ、
本当にコミュニティーに必要なことをどんどんやってる。

それがある意味サバイバルに必要な、なんていうのかな、
やっぱりみんなが支えてくれるから存在できる寺だからさ。
その仕組みがすごい面白いと思って。

【三宅】
どこのお寺。

【海】
戸塚。神奈川。
そこはいつも辻さんが自分のゼミ生も連れて行くし、バーもやってる。

【三宅】
バーもやってる?お寺で?(笑)

【海】
そう。日本のお寺ってメチャクチャだから。
それをカフェ・デラ・テラって呼んでて、
デラ・テラはイタリア語でof the Earth。
だからちょっとオシャレにやってるんだけど、
結構ディープなことやってて、ワインなんかも
あるエコビレッジで作ってるオーガニックワインで。
食べ物もそういう感じのシェフをやってみたかったという人がやってる
いい感じの寺カフェ。
でも儲けることがメインの目的じゃないから気楽だと思うんだよね。

【三宅】
よく考えるとお寺の友達多いしー

【海】
Rize upだよ。

【三宅】
お寺でライブとかもよくやってるもんね。

【海】
お寺がそこをまた気合入れて、
ウチらの存在意義なんだ?って突き詰めたら、
やっぱり社会に奉仕することっていうか、神に仕えるってことだと思うから。
どの神を信じるかはそれぞれだけど。

【三宅】
人間語にするとそういうニュアンスになるよね。

【海】
それって人間次元のものを超えるものすごいパワーと繋がるってことだから。
だからそこがあると物事が変わる。そこがないんだよ。
そこまでのなんか次元を超えた共生的な意識っていうのが、
ちょっと今なくて、俺が結構気になる社会運動はそれがあったりする。

ガンジーとかも結構やっぱりヒンズー教の教えを突き詰めて、それで回してたし。
マーティン・ルーサー・キングやデズモンド・ツツ(※)とかはキリスト教徒だったし、
それが原動力になってた。

※デズモンド・ツツ
南アフリカの平和活動家で、アパルトヘイトを解決み導いた指導者。
英国国教会の南部アフリカ聖公会の元ケープタウン大主教。
1984年にノーベル平和賞を受賞している。

そこは結構おれも難しいところで、何をそこに軸としていれるか。
ジーザスじゃなかったらじゃあそこをどう皆に伝えるか。
ウチらをつなげているエッセンス。

【三宅】
人が神って呼びたくなったものがなんなのかっていうことじゃないかな。
そうするともう大自然とか宇宙でしかないなっていう。
全てだよね。細胞一個も突き詰めてみるともう神だなって。
神の構造物だと思うし。宇宙の真理はすべてそこに入ってるし。

【海】
だからそれがみんなに伝われば。今その言葉選びが難しい時代だと思う。

【三宅】
イメージがいっぱい付着しちゃってる。

【海】
イメージが付着してるし、宗教っぽくなると結構そこで反応する。

【三宅】
トラウマが多いんだよね。

【海】
で、それも戦略だったかもしれない。
やっぱりスピリットを抜かれた人は何も変えることはできない。

 

 

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