【株主7000人超え、残数3000本】
やーまん。
昨年の12月末の新月の夜から、僕は貊村(みゃくそん)という一風変わった名前の会社が売っているスペイン産のバージンエクストラ・オリーブ油を、扱うことにした。
これは、もしかしたら社会変革の起爆剤を生み出す「原資」となる、天が授けた「食べられる油田」なんじゃないか、というインスピレーションが存在している。
このオイルは、1000円の株券を買った株主にのみ購入権が発生する。株券は売買不可で、一人1株しか登録できないので投機目的には使えない。(現実的な株主は、社長の後藤由美子さんだけ。彼女の持つ1000万円の株を9999人に1000円で分ける、という考え方。)
5回目の新月を迎える(4/26)。
4ヶ月が経って、株主は3000人から7000人になった。
当初の目標とする1万人は、9月には見えてきた感じだ。
1万人が安定して購入してくれれば、まずこの企画は軌道に乗る。
【コンセプトを再度、】
・無農薬・無化学肥料・低温圧搾(コールドプレス)のエクストラバージンオリーブオイルを、混ぜ物や粉飾を防ぐために産地からダイレクトに確実に届ける。
・10万トン単位での買い付けを約束することにより、市価のおよそ半額で買うことができる(貊村が正価¥3,500-と規定したオイルが¥1,200-)。(株主は6本の箱単位で購入する)
・直接買い付けのため、産地にとっても卸値が良い。これを、現地の労働環境の改善に益するよう、指導する。(スペインでは、北アフリカ系の労働者がオリーブ園を支えている)
・売り買い不可の1000円株主(1人1株)を1万人募ることで、「消費者マインド」ではなく会社を一緒に支える「オーナーシップ」を育てていく。
・ ・ ・ ・
こうしたコンセプトを掲げて、住職「啞樵(あしょう)」さんと仲間たちが走り始めたのは昨年の7月。ちょうど、僕が参院選で山本太郎くんと夏の東京を駆けずり回っていた頃だ。
9月の憲法フェス名古屋で和尚は、僕に声をかけてきた。
「7月から自分たちで懸命に動いているが、このままでは3000人くらいで頭打ちだ。次の仕入れもあるから、なんとか多くの人に知ってもらいたい、手伝って欲しい。」
「ネットで選挙演説を見て、檀家から君に献金を集めた坊主だ。話を聞いて欲しい」
憲法フェスを開催した名古屋のイベント会場。
楽屋裏で、その住職は唐突に切り出した。
「君はもう分かっているだろうと思うが、戦争や環境破壊、、世界で起こっている問題は全て、この100年に及ぶ資本主義の行き詰まりが原因だ。利益と配当と成長を生み出し続けなければ存在できないシステムが限界に来ている。」
勝新太郎を少し細身にしたような、気骨を感じる住職の名前は唖樵(あしょう)。歳は70だと云うが、もう少し若く見えた。
「そこで、私はこの資本主義の問題を解決する会社を作ったんだ。」
「成長」を求め、膨張し続ける資本主義経済が限界にきている。温暖化も限界に来ているし、バーチャル経済と実体経済の乖離(かいり)も収集のつかない状態で、マネーのためのマネーゲームに政治や経済が動かされているのは昔からかもしれないが、これほど露骨になったことはない。
成長し続けなければならない理由は、ひとえに企業が銀行への利子と、株主への配当を払い続けなければ存続できないシステム。また、オーナーや役員などの報酬が、著しく高い場合も、それが成長の必要を生み出す。(これは、実際に経営やっている人たちにとってはジレンマかもしれない。それか、自己哲学でドライに割り切っているか。)
必然的に、企業は人々の過剰な消費欲を煽(あお)る必要があった。
地球が2個も3個も要るほどに、経済は膨れ上がった。
【成長を求めない会社は、実は合理的】
このままでいいはずはない。
ならば、消費者(と生産者)が自分たちで資本金を集めて株主になり、自分たちで仕入れれば、会社は過剰な利益や成長を求められる事がないので、そのコストを生産者と購入者に還元することができる。
こうすればクオリティコントロールにも、消費者自身が関与できる。例えばオリーブ油の場合は、産地とダイレクトに流通を築くので、とかくオリーブ油で騒がれがちな「粉飾」「偽装」「化学抽出油の混ぜ物」の心配がない。
環境配慮というクオリティコントロールも、グローバル企業から降ってくるように与えられる大量生産品と比べたら、格段に容易だ。生産者と、直接につながっているから。
オーガニックの買い手が多く決まっていれば、産地は安心して有機農法に踏み切れる。それは、農薬による土壌汚染・水質汚染を改善してくれる。
購入者が「消費者」に終わらず「株主」としてのオーナシップを保持して品質を信頼できているからこそ、一定数の購入を見込めて成立するシステム。
「ユーザーの善意こそが、最大の合理性を生む」試み。
その結果として「高く買って、安く売る」という、これまでの資本主義(「安く買って、高く売る」)とは真逆の方向性が可能になる。
命や思いやりが循環する経済、僕らの求める「血の通った経済」。少なくとも、貊村はそれを「試みて」いる。そして、参加者を求めている。
【1万人の、その後のはなし】
5万本からスタートした初代「れなり」が、残り3000本を切った。
ということは、次回の2代目が入ってくるわけだが、これが5月なのか6月なのかは、まだ情報が入ってこない。
サンプルはすでに試飲した。
秋採れのフレッシュな「EARLY HARVEST」オイルは、宝石のように美しいグリーン。スパイシーさ、香りの立ち、共に抜群で、なおかつ加熱すると限りなく透明に近いグリーン。油の存在は、シャドーストライカーのように裏に消えて、素材の味が花咲く感じ。
本当に「れなり」と出会ってから、僕と僕の周囲の「オイル生活」に革命が起きた。細かいことは、「貊村物語(3) 資本主義の向こう側へ」にも書いているのでご参照いただきたい。
会員は年内に1万人を遥かに超えるだろうし、来年には2万人に達すると見込んでいる。その場合は株は500円に値下がりしなければならないかもしれないが、そこに文句を言う株主はいないだろうと確信する。
儲かれば儲かるほどに株価が下がっていく株式会社。
それに対して、誰も文句を言わない株主。
「このオイルが広まっていること自体が、配当」だから。
2万人を超えるといよいよ、オリーブオイルから次の品目へ、このシステムを導入する試みが始まることになる。
国産の「水」か「米」を守り育てる、環境作りまでを含めたプロジェクトが次の一手にふさわしいのではないか、と思っている。
まずはオリーブオイルが広まれば広まるほどに、次なるプロジェクトのリサーチや下調べに費やす資金が捻出できる。
例えば、1万人に1俵の無農薬米を作るのに、およそ300町(300ha=3000反)が必要だ。休耕田を調査して、借りつけて、土を何年か休ませて、生産者を見つけて、と言うプロセスを経るので、ハードルは色々とある。
だが今、日本全国には埼玉県とほぼ同じ面積の耕作放棄地があるのも事実だ。まずは500人分、とかなら比較的早くに実現できるかもしれない。
日本の「石高」をあげることは、政治の絶対的な仕事だと考える。
その序となる「原資」が、スペインの村からやってきたオリーブ油っていうのが、清濁併せ呑んで、実に現代的で良いじゃないか、と思っている。グローバルになって悪いことばかりじゃないのは、自明の理。いかなる状況も道具も概念も、最後は誰が、どういう心でそれを扱うか、である。
さて、、
オリーブ油は季節ものなので、収穫時期によって同じ味は2度とない。
だから、今のやつはあと3000本しかない、ということはお伝えしておきつつ、次回の入荷は、僕自身も首を長くして待っている。
搾油所の親父が「うちのは、4年は酸化しない」と豪語してるんだそうである。
氣になるので、僕自身、年内にスペインの現地へ取材に行こうと心に決めている。
(了)
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1万人で創る、
高く買って安く売る、利益を出さない会社
貊村 -myakuson-
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*三宅商店も貊村スタッフとして活動しています。
会員登録に際しては「世話役氏名欄」に「三宅洋平」
*株券は千円、1人1枚まで。(転売不可)
はじめての方は、まず株主となることで、[れなり]を株主価格で購入することが出来ます。ネットショップ[貊村リンク]にて購入手続きしていただき株主登録完了となります。
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『貊村』オフィシャルサイトにて会員登録のうえ、株券をご購入ください。
利用規約→会員登録→オリーブオイル購入
*輸送コストを最小限に抑えるため、株券+6本、12本の箱単位での注文に限定。
商品名 : 株券+[れなり(1本500ml)] ひと箱(6本)セット |
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商品名 : 株券+[れなり(1本500ml)]ふた箱(12本)セット
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オリーブオイル「れなり」について
(「れなり」は無農薬、圧搾法のオイルです)
http://myakuson.co.jp/info_renari/
・1本(500ml 深緑の遮光ガラス瓶)あたりのオリーブ品種のブレンド比率
70% オヒブランカ 、15% アルペキーノ、15% ピクード
リンコンと比べ、クセを押さえ口当たり良く、日本向けにブレンドされております。
【酸度=0.21%】
・[貊印として、人様の身体・意識を作る命を扱うにあたり最低限の当たり前の事として表記はしておりませんが、[れなり]はスペインの有機認定を受けたエキストラ・バージンオリーブオイルです。](貊村社是参照)
(元旦に、岡山の三宅商店本社を訪ねてくれた後藤さんと、啞樵(あしょう)さんと一緒に。)