TPPではいったん合意し、進められた自由化は決してあともどりを許されない契約になっている。
それを「ラチェット規定」というのだから、すごい。
【TPPって何?】
「「自由貿易」と言っているが、グローバル企業やメガバンクが徹底的に有利になる協定で、彼らの圧力が広範に、国家や憲法を上回ることが可能になる」
・自国の農業を守る関税、環境を守る法律も多国籍企業の動きを制約するなら撤廃することができる。気候変動などお構いなし。
・耕作面積が日本の何十倍もあるような国の作物と「自由に競争」ということで「国産」表示は「貿易障壁」として利害関係者から訴えられる可能性も出る。
「輸入品に対する差別をなくすために「国産」表示を廃止させよう」ということ。
米国では既に牛肉の原産国表示が廃止されている。
・「食」という生命や幸福の根幹に関わることを、経済的な合理性や価格の高いの安いのといった基準によってのみ考えるようなことはあってはならない。
一時的に輸入食品が安くなっていつものランチが100円安くなることで、農業のみならず自分の国の産業やその自立性を食いつぶしていくことになる。
・TPPが発効してしまうと、いずれ日本の農業自給率が13%まで下がってしまうという試算もある(H22農水省)。
カロリーベースとか生産額ベースとか、いろいろあるけれど。
「TPPで食料自給率39%から27%へと低下する恐怖。農林水産省が目標を引き下げた。」 → NAVER まとめ
農業壊滅。
国産表示も遺伝子組換え表示もできないなら、輸入品に太刀打ちできない。
・木材の地産地消、地域材の利用振興策も「輸入材を差別するもの」として訴えられかねないのがISD条項。
・遺伝子組換えの種子は、1度入り込んだらどうしたって周りの作物と交配して広がっていく。固定種、在来種の存続の危機すら生み出す。一代限りで枯れて毎年、買い続けなければならない種子。これは「種の侵略」とも言える。
さらに言えば、TPP発効後の世界は日本に農業を期待していない。
・田園風景や、里山が生み出す有形無形の恵み。水資源や、森林資源。海、川、山。
これらはどうしても個人の力で守ることができない、社会的な財産。なので、一時的な経済的合理性やビジネス、という感覚だけで扱ってはならないもの。
そういう感覚とは真逆のベクトルが、TPP後の世界像。
・自民党の憲法改正草案もジャイアンルールだけれども、
TPPについては
(国際)条約は憲法よりも上位にくるから
ジャイアンの上に大ジャイアンが乗っかってくる。
「TPPこそが憲法問題」。国や憲法が曲がりなりにも守ってきたものが吹っ飛び、大企業や投資家の利益が優先される社会に。
・TPPの協定文は、英文で6500ページに及ぶ。
日本語の正文は、無い。
IMFの金融政策を厳しく批判してきた元世界銀行副総裁、スティグリッツ教授は「自由な貿易のための協定なら3ページで済むはずだ。」と述べている。
・TPPによる関税の撤廃は、5年、10年、15年といった風に段階的に丸裸にしていく方式。消費増税や、原発・基地の工事などと同じで、ゆっくりと世代をまたいで時間をかければ必ず社会感情を押しきれるということを知っている。
ということを僕らがあらかじめ知っておけば世論形成も変わる。
・自衛隊の駐屯地には、居酒屋が1か所あるのが通例で、それなりにご当地の肴もあったりしたという。だが「民営化」で全国共通、チェーンの居酒屋が入りどこに行っても同じメニューになってしまった。外出の限られる隊員たちにとってこれは悲劇だ。
TPPの先にはそういう単一的な世界観が横たわる。
与党は、
両候補が反対を示している大統領選までに(11/8)
採決を目指していると言われています。
「TPPについて、この対談が分かりやすかった 山田正彦×苫米地英人」
http://ameblo.jp/miyake-yohei/entry-12199510939.html