日本では、沖縄・高江のヘリパッド工事現場が異様な光景を見せている。機動隊による反対派市民の排除が、これまでになく強圧的な姿勢で進められている。

2000年代を通じて築かれた日米間の安全保障・防衛協力のロードマップに基づいて、本来なら2014年に建設を終えるはずだった辺野古基地の完成に向けて、これ以上の遅れを許さない、という米国政府の圧力と日本政府の焦りを、高江の現状にも見ることができる。

【「テロと報復」そして「テロと報道」】

不穏なニュースが続く。フロリダ、ダッカ、ニース、ミュンヘン、アフガニスタン、一連の銃乱射やトラック追突事件のことをシェアしつつ、これらの情報が「断定的なテロ報道」として各国の外国人排斥や、右傾化、報復主義に拍車をかけてしまうだろう、というモヤモヤを抱えている。

かといって、起きていることを無視するわけにもいかないし、この一連の事件報道が何を表しているのか、どういうムードを国際的に広めているのかは、知っておきたい。

テロという名の事件
報復という名の空爆

これが、セットになって連鎖していることは事実だ。

「テロ」を生み出す構造の一つとして、米国や有志連合、あるいは中国やロシア含めた大国の軍事戦略、戦後統治が持つ問題点を、もっと追求しなくてはならないだろう。こうした軍事の背景にある経済的な構造、意図にも、注目していきたい。

(参照)ISを空爆している国はどこか
http://www.cnn.co.jp/special/interactive/35074449.html

「米国防総省によれば、11月19日までに、米国と有志連合はISISを標的に、イラクで5432回、シリアで2857回、計8289回の空爆を行っている。」

有志連合の空爆から、カナダは抜けている。



【ドイツ・ミュンヘンの銃乱射事件で、地元報道と英米メディアの報道の食い違いを指摘】

イスラム過激派と結びつけたがる英米報道は、外国人排斥主義に利用される傾向にある。
地元メディアの情報をしっかりと掴んでいく必要あり
、との下記の指摘に納得。

<CNNが流した「犯人はAllahu Akbarと叫んだ」という証言が外国人排斥主義者を利する結果に>
「今回、デマ以外に、非常に気になったのは、ドイツメディアとは対照的な、英米メディアの報道です。
「犯人はAllahu Akbarと叫んだ」という証言をCNNが流し、その直後、dailymailも日本メディアもそれを引用、ドイツメディアの報道を無視してそれを「信じたい」ドイツ人たちも、イスラム原理主義によるテロだとすぐに思い込みました」(FB記事より引用)

ドイツの外国人排斥主義者の多くはこれまでも、「ドイツの大手メディアは難民や移民の犯罪について隠している嘘つきメディアだ」と繰り返し主張してきたので、案の定、ネット上では、「CNNのみが真実を報道して、ドイツメディアはイスラム原理主義が犯行の背景にあることを隠している」という記事が拡散しています…。
日本のメディアも、次にドイツで何かあるときは、英米メディアをすぐに引用せず、ドイツ語ができる人にきちんと情報収集させるべきだと思います。(FB記事より引用)




最後に、高江で起きていること、そして沖縄の置かれている立場を伝えてくれる、
三上知恵監督のこのドキュメンタリーを、
多くの皆さんにご覧になっていただきたいので、添付しておきます。(45分)

『標的の村』