環境省は3/30、「8000ベクレル以下の汚染土」をダムなど全国の公共事業に再利用するという方針を決定。これはちょっと、あり得ないことです。


(用途例:環境省資料)

いくら遮蔽しても、かならず地中、土壌、地下水、など環境中に漏れだすことは、過去の事例を見ても明らかです。環境省は「福島の復興、さらには東北の復興と日本の再生に向けた一大プロジェクトであるとともに、その成果は世界でも前例のない経験・知見として国際的な共有財産となる」と息巻いているようですが、まさに仰るとおり「世界でも前例のない」愚かな方針が決定されてしまったわけです。

これ以上、被ばくの「希釈政策」を許すことは、日本全体を低線量被ばくと内部被ばくの壮大な実験場と化してしまうことになります。広島や長崎のABCCがそうであったように、福島原発事故以降の日本を被ばくのデータとして興味深く観察している人々も事実、存在しています。

今や一般市民の一人一人が立ち上がり、日本の政治家や省庁が、ふつうに考えたらあり得ないことを「決断」せざるを得ない国内外のヒエラルキーや権力構造、経済的な圧力などをふまえた上で、人間のみならず全ての生命にとってのスイートホームを破壊してしまうシステムの再構築に携わっていかなければなりません。

人工放射性物質は、例えコストがかかっても永年、閉じ込めて管理するしかないはずです。政府の方針は原発事故以降、その真逆を貫いてきました。「除染」や「帰還」ではなく、「計測」や「保養」そして一般市民への情報公開に取り組む時です。

方針の転換、もしくは政府の交替を要求します。


署名と拡散そして身近なところへの周知を、よろしくお願いします。
ネット署名以外にも、紙の署名用紙をダウンロードもできます。
5月2日には東京・参議院議員会館にて、院内集会と政府交渉が行われるとのことです。これは誰でも参加できます。HPにて詳しい情報を得て下さい。

【緊急署名】
政府に「8000ベクレル/kg以下の汚染土を全国の公共事業で利用」の撤回を要求しよう。

環境大臣 丸川珠代 宛
【緊急署名】全国に被ばくを強い、環境を汚染する
「8000ベクレル/kg以下の汚染土を全国の公共事業で利用」方針に反対
http://www.foejapan.org/energy/fukushima/160416_message.html


以下、署名全文です。
とても大切な事項をうまくまとめてくれています。



環境大臣 丸川珠代 様
【緊急署名】全国に被ばくを強い、環境を汚染する
「8000ベクレル/kg以下の汚染土を全国の公共事業で利用」方針に反対

環境省「中間貯蔵除染土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会」は、3月30日、東京電力福島第1原発事故後の除染で出た汚染土に関し、8,000ベクレル/kg以下の汚染土を、「遮蔽および飛散・流出の防止」を行った上で、全国の公共事業で利用できる方針を決定しました。「周辺住民などの追加被ばく量は年間10マイクロシーベルトに押さえられる」としています。
しかし、原子炉等規制法に基づく規則においては、原発の解体などによって発生したコンクリートや金属などの再生利用の基準は100ベクレル/kgとなっています。今回の環境省方針は、この80倍となります。
この検討会のもとにおかれた「放射線影響に関する安全性評価ワーキンググループ」は、非公開で実施されており、議事メモも公開されていません。そもそも、この検討会は、最終処分量を減らすため、再生利用量を増やす、ということが前提となっています。現在の無理な「除染」「帰還」路線が前提で、そのためには、国民の被ばくもやむなし、ということなのでしょうか。
環境省は、「福島の復興、さらには東北の復興と日本の再生に向けた一大プロジェクトであるとともに、その成果は世界でも前例のない経験・知見として国際的な共有財産となる」と大見得をきっています。
しかし、「遮蔽および飛散・流出の防止」と書いたところで、そんなことは絵に描いた餅です。管理型の処分場でさえ、周辺や地下水の汚染は避けられないのに、ましてや通常の公共事業の構造基盤に使うというのでは、汚染を防ぐことはできません。。
降雨、浸食、災害などによる環境中への大量放出も懸念されます。工事中においては、工事従事者も通行人も被ばくします。大地震が発生すれば、道路の陥没、崩壊などがあちらこちらで発生し、汚染土がむき出しになるでしょう。
まさに、子どもも含めて、日本中の人たちを被ばくさせるために、壮大な「ナショナル・プロジェクト」にほかなりません。断じて許すわけにはいきません。

要請事項
1.放射性廃棄物を含んだ除染土を公共事業で利用する方針の撤回を求めます。
2.「除染」「帰還」を前提とした除染土再利用の政策を見直してください。
3.除染のあり方、除染土の処分のあり方に関しては、福島県内外の各地の幅広い人たちの参加のもとでの検討を行うようにしてください。
4.「放射線影響に関する安全性評価ワーキンググループ」のメンバー、議事録、全資料を公開してください。


一次集約 2016年4月30日  二次集約5月15日  三次集約5月31日
呼びかけ団体/集約先:国際環境NGO FoE Japan(認定NPO法人)
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9    Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986


呼びかけ人の一人、国会における福島原発事故調査委員会の委員もつとめ、医学者の立場から東電や政府の隠蔽体質を厳しく追及した崎山比早子さんのコメントを紹介します。昨年、猪苗代でそして今年も那覇でお会いしました。ズバリ本質をついたコメントで分かりやすい。


崎山 比早子さん(高木学校、元放射線医学総合研究所主任研究官、医学博士)

放射性物質は人の力で消すことはできません。
なるべく環境に拡散しないよう厳重に閉じ込めておくしかないのです。
今政府が進めようとしていることはこの基本的な原則と真逆のことです。
日本中を放射能汚染地域にすることが彼らの目的なのか?失政を無いことにするため?
私たち主権者がそんなことを許したら後の世代に、世界中に顔向けができなくなるでしょう。



change.org からも署名できます。↓
https://www.change.org/p/環境大臣-丸川珠代-様-緊急署名-放射性廃棄物を含んだ除染土を公共事業で利用する方針の撤回を