ドイツZDFの話題になったドキュメンタリーで、原発事故後初期の情報コントロールの中で海外からドラスティックな視点を与えてくれた貴重な映像だった。まだ見ていないという方は、30分ほどなのでぜひこの機会にご覧になって下さい。

福島原発の真実(取材:ドイツ ZDF 2012)
https://www.youtube.com/watch?v=8A-9wcDxnVM&feature=share

ここに登場する案内人の名嘉幸照(なかよしてる)氏は、40年前からGEの社員として福島へ派遣され、以来独立して以降も福島原発の安全管理を受け持ち続けてきた方です。
沖縄県の伊是名島出身。
氏の著書『”福島原発”ある技術者の証言』は、原発に対して賛成・反対の二元論でくくれない当事者ならではの踏み込んだ反省と告発、そして提言になっている。
非常に読ませる内容になっていて、読んで以降、あなたの原発問題の語り口も少し変わるかもしれない。


“福島原発”ある技術者の証言 名嘉幸照/著
http://miyakeshoten.shop-pro.jp/?pid=86729723


氏の著書の中で、そっと触れられているが
今さら気になる記述があったので、引用しておきます。

「「3・11」の前日の2011年3月10日。宵の口に見た、不思議な光を、私は今も忘れられない。
富岡町(福島県)の自宅から、ぼんやりと外を眺めていた私は、目の前に見える第二原発から港の灯台に向かって、閃光が走るのを見た。
ー漏電か?
そう思ったが、まさかそんなはずはない。
そのときは目の錯覚だろうと忘れてしまったが、たしかに閃光はあったのだ。地震と同時に不思議な光が見えたという報告を、ときどき聞く。ひょっとしたら、「3・11」の予兆だったのかもしれない。
あれがいったい何だったか、最近、妙に気になっている。
確実に言えるのは、この光が見えた翌日、3月11日を境に、日本人と原発との格闘が始まったという事実だ。
それは、人類初ともいえる、最悪の原子力の事故を克服する戦いなのだ。」