6月12日~14日、ニュージーランドのウエリントンで開かれる「アジア太平洋緑の党大会(APGF)」に参加します。僕は相変わらず、緑の党員でもない立場ですが、同行が叶うことになりました。

APGF

【What is APGF?!】

みなさんは緑の党が、Global Greensとして世界の90カ国にネットワークを築いていることはご存知ですよね。?僕は、日本ではまだまだ希少なこの環境政党が持っている大きなポテンシャルの一つが、この国際性だと思っています。なぜなら、戦争を生み出す経済のあり方も、気候変動の問題も、国境を超えた膨大な一般市民の協力がなければ解決できないからです。

2001年「緑の党」発祥の地であるオーストラリアのキャンベラにおいて、緑の党の国際組織 Global Greens が結成され「グローバルグリーン憲章」が採択されて今の世界の緑の党の指針となりました。

→ 「グローバルグリーン憲章」では、 諸原則(理念)として、
エコロジーの知識、
社会的公正、
参加民主主義、
非暴力、
持続可能性、
多様性の尊重
の6つを掲げ

また、政治的行動(政策・行動)として、
1.民主主義
2.公正さ
3.気候変動とエネルギー
4.生物多様性
5.持続可能性の諸原則にもとづく経済的グローバリゼーションの抑制
6.人権
7.食糧と水
8.持続可能な計画
9.平和と安全保障
10.グローバルに行動すること

の行動指針を掲げています。

APGF(Asia Pacific Greens Federation)つまり「アジア太平洋緑の連盟」は、2005年京都での第一回会議で23カ国27団体を集めて、国際的なgreensのネットワークを初めて顕在化させたようです。その後、2010年台北(台湾)ではインドのバンダナ・シヴァ博士とツバル大統領とが共同で気候変動について「2℃」の危険性を訴えました。

そして2015年、14名の国会議員を擁する(議席率11.5%)ニュージーランド緑の党が迎える形での第三回APGFが開催されることになりました。サイトを見ると「ニュージーランド、オーストラリア、インド、ネパール、韓国、台湾など 十数カ国の緑の党が集まり、ワークショップや会議を通じて、気候変動、平和、核、経済などの諸問題についての解決策を討議」すると書いてあります。
APGFこれまでのあゆみ
緑の党公式サイト

【世界の緑のカラーのちがい】

ところで、世界の緑の党も地域の政治事情やお国柄によって、実はその政治的主張が食い違っていたりしますので、こうした国際会議においてはなかなかどうして「緑の党どうしのパワーゲーム」になりかねない部分もあるそうです。市民団体に毛が生えた「理念的」な地域のgreensと、ドイツのように連立政権にまで座した経験を経たgreensでは、当然ながら「政治観」も異なってくるでしょう。

おもしろいのは、ニュージーランドの緑の党は米国との自由貿易(米国による関税の撤廃)を推進しているところだったり。WIKIPEDIAの
ニュージーランド・緑の党でみつけたものをペーストするだけでも、日本の緑の党とはだいぶちがっていておもしろい。

ニュージーランド緑の党(ニュージーランドみどりのとう、英語: Green Party of Aotearoa New Zealand、マオリ語: Rōpū Kākāriki o Aotearoa)は、ニュージーランドの政治政党である。同党は、環境問題や国民生活に関する諸問題のほか、反米、反共産主義、国連指導主義を主張し、ニュージーランド労働党とコネクションを持つ左翼的政治政党である。

主な政治政策
GE遺伝子組み換え食品の研究・製造を強く反対する立場である
アメリカ合衆国との自由貿易(米国による関税の撤廃)推進の立場である
日本による捕鯨反対の立場である
アメリカ資本の鉄道をニュージーランド資本で運営するべきであると主張している
ヘレン・クラーク首相(当時)の政策の一部に賛同する立場をとり、閣外協力をしていた



経済的先進国と非先進国とで、格差もあるので、こうした大会への参加費も「途上国価格」を設けて他の国のメンバーで残りを補っていくシステムが取られていたりして、五輪やW杯のようなビッグスポンサー無しで世界中から人が集まるということの大なり小なりの色んな問題をケアしながらのGlobal Greensの運営そのものが、公正で公平な国際政治のあり方の試金石になっていくことを願います。

【日本からの参加メンバー】

今回のAPGF大会派遣団メンバー は、

松本なみほ(緑の党共同代表・国際部、環境政策コンサルタント)
八木聡(緑の党運営委員長・APGF派遣団団長、前長野・大町市議)
足立力也(緑の党国際部、APGF運営委員、コスタリカ研究家)
村松まさみ(緑の党国際部、前小平市議) *緑の党東京都本部派遣

そして、
三宅洋平(音楽家、政治団体NAU代表、2013参院選・緑の党比例候補者)


軍事を持たない国づくりを選んだコスタリカの研究家、足立力也くんが書いた『緑の思想』という本は、グローバルグリーンズ憲章の内容に沿った緑の党の理念と思想をとてもわかりやすく解説しています。正直、推薦をもらって参院選に出た時には緑の憲章なんて文言一つ覚えてなかったのですが、ただただ、自分の言ってることと緑の党の理念が、知れば知るほどチョット気持ち悪いほどに似ている部分が多いなと感じていました。そして選挙後に足立くんのこの本を読んで「マイナスあるいはゼロ成長による豊かな経済とは何か?」を追求する新しい政治的な極が必要だという部分で、ボンヤリと思い描いていたことがそういう事であるとハッキリ認識しました。


【非核声明】

日本側から持って行く非核声明の文面です。これの文案作りに、僕は今回参加していないのですが、R水素のことなど当地で盛り込めるように今から付け焼刃で勉強していきます。おもしろい報告を持って帰れるようにしたいです。


=アジア太平洋緑の党連盟(APGF)は核エネルギーからの速やかな撤退を求めます=
アジア太平洋緑の党ネットワーク(APGN)第二回大会(2010年、台湾)における決議第13号に基づいて、私たちアジア太平洋緑の党連盟のメンバーはそれぞれの国において、時には連携して、反核運動を推進してきました。私たちの努力にもかかわらず、2011年の日本における史上最悪の核災害を避けられなかったのは大いに遺憾です。
 災害発生から4年が経過したにもかかわらず、福島第一原子力発電所はいまだに自然環境、私たちの生活や健康、地域経済に深刻な影響を与え続けています。日本の人びとはヒロシマとナガサキで2度の原爆による圧倒的な被害とフクシマにおける破局的災害を経験し、放射能汚染はいまだ福島から国境を越えて広がっているにもかかわらず、日本政府は原子力発電所の再稼働だけでなく、ベトナムやインドなどアジア太平洋地域内の国にも原発を輸出することにも固執しています。
 私たちは今、核兵器も原子力発電所もないここニュージーランドに再び集まりました。ニュージーランドは電力の79%を再生可能エネルギーで供給し、非核原則を貫いています。私たちの地域(※アジア太平洋)を概観すると、いくつかの国はいまだウランを採掘・輸出し、多くの国は原子力発電所を運転しています。そろそろ、この国から環境・エネルギー政策に対する態度を学ぶ時が来ています。
 私たちAPGFは、アジア太平洋地域のすべての国において、核に依存したエネルギー政策からの速やかな撤退と、非核地域化を達成するために全力を尽くすことを求めます。

Asia Pacific Greens Federation (APGF) calls for smooth fadeout from nuclear energy
Based on the Resolution No.13 of the second Asia Pacific Greens Network (APGN) Congress in Taipei in 2010, we, the Members of the Asia Pacific Greens Federation have promoted anti-nuclear movement in each Member’s country, sometimes together. It is a great pity that despite our effort we couldn’t avoid the worst-ever nuclear disaster in Japan in 2011.
Even though 4 years has passed since the disaster, Fukushima Daiichi nuclear power plant is still affecting severely natural environment, our lives and health and the economy in our region. Although Japanese people have experienced overwhelming damage by 2 atomic bombs in Hiroshima and Nagasaki and a catastrophic disaster in Fukushima, and the radioactive contamination is still spreading beyond the boarder from Fukushima, Japanese government still sticks to restart of nuclear power plants, and moreover, plan to export them to other countries in our region such as Vietnam, India, and so on.
Now we gathered again here in New Zealand where there is neither nuclear weapon nor nuclear power plant. New Zealand supplies 79% of its electric energy from renewable resources and hold on to anti-nuclear principle. Looking out at our region, some countries are still mining and exporting uranium and many countries are still operating nuclear power plants. It is the time to learn the attitude towards the environmental and energy policies from this country.
We, APGF, strongly call for smooth fadeout from nuclear dependent energy policy in all countries in Asia Pacific region and make best effort to achieve a nuclear-free region.




緑の党では、今回の渡航費のカンパを募集しています。
6/3時点での入金状況(6/5確認)は、545,500円(目標90万円)。
http://greens.gr.jp/event-info/14743/


APGF