今夏、またしても世界が直面させられたイスラエル・パレスチナ紛争の背景にある、中東の歴史、シオニズムの歴史、欧州や米ソの関与の歴史、を理解するにはこれがとても解りやすかったです。ここにミシェル・コロン氏の見解などを足していくと、色々見えてきました。本書は1991年、中東和平国際会議直前に記されたものです。(店主)

パレスチナ人とは?
パレスチナ人は、国を持たず、アラブ世界でも常に差別されてきた。
表面上はアラブの大義という看板の下で受けれられても、内心では決して仲間うちとしては扱われてこなかった。
またパレスチナ人は、国による保護を得られないため、個人の努力、そしてパレスチナ人同士の団結によって人生を切り開いてきた。
ある国から追放されるようなことがあっても、
命ある限りはけっして奪われることのないものに投資してきた。
つまり教育であった。
パレスチナ人の勉強熱心はアラブ社会では際立っている。
パレスチナ人は、医者であり、作家であり、画家であり、
弁護士であり、大学教員であり、ジャーナリストであり、研究者である。
ー本書よりー

1 パレスチナへ―ユダヤ人国家イスラエルの成立
2 米ソの中東進出とスエズ危機
3 イスラエルの軍事力
4 パレスチナ解放運動の変遷
5 第4次中東戦争と石油危機
6 イスラエル社会の変貌
7 レバノン戦争の構図
8 ペレストロイカの影
9 インティファーダ―占領下の民衆蜂起
10 湾岸戦争とパレスチナ問題―さまざまな「リンケージ」
11 中東和平国際会議のゆくえ

高橋和夫・著
1951年、北九州市に生まれる。
1974年、大阪外国語大学ペルシア語科卒業。
1976年、コロンビア大学で修士号取得。
1982年よりクウェート大学客員研究員。
現在、放送大学助教授。お茶の水女子大学講師、東京大学講師も兼ねる。
著書に、『燃えあがる海』――東京大学出版会――など。

『アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図』高橋和夫・著
三宅商店にて扱って〼。
https://miyakeshoten.stores.jp/#!/items/540c7777ef3377f6670017a4


アラブとイスラエル