本日は名護市長選挙の投票日です。

名護の隣町の住人として、
名護の利害と密接に暮らす1万人の小さな町、本部町の人々からもさまざまな意見を聴きながら、
この1週間を「バランス」の中で過ごして来ました。

僕が稲嶺市長を支持してきたのは今さら云うまでもない事ですが、
一方で今回は、スエマツ候補を支持する方々の背負うリアリティも
いつもの町の景色の見え方が変わるくらい見えて来ました。

ちょこちょこ世話になってるスタジオの社長が
「稲嶺さんもスエマツさんも昔からの付き合いでよく知ってる。
どっちにも云いたいことはあるし、どっちもよくがんばってる。
ただ「推進が悪だ」みたいな報道や言説は、偏ってると思う。」
と云っていた言葉は印象に残っているし、
地元の商工会にも所属する若者が教えてくれた、基地経済に頼って来た側の
切実なリアリティ。
遠くからみれば「甘え」だし、近くから観たら「いたしかたない」。
とても感情的で、個人的な思いだけれども、
無視できない。
国が、県が、放り投げた責任の所在が地方でシワ寄せられている。

原発立地での問題と非常に、似ています。


ですから、そうした問題をつくってきた原因(過去)を断ち、
地方が自立する未来の、具体的なビジョンと実現の仕方を、
逆巻きに地方から県へ、時にはダイレクトに国へ、そして国際政治へ
つよく発信し、つよく求め、したたかに実行していく、
そういう事の必要な時代になったんだと思います。
地方から形成される新しい経済体が、
戦争や原発事故を起こして来た旧来の経済体を
変質させる役割を担う時代になったのです。

「そんなんじゃ儲からない」という思い込みから
地方の豊かな自然の産物や、独自のユニークな産業を自ら過小評価し、
中央からセット売りされてくるインフラを用いた短期的な経済運用に
追われているうちに、自発的な「価値」を生み出す町の力を落としていく。
とりわけ失った自然環境を取り戻すには、作った10倍の金と時間がかかる。
結果的には、交付されたお金とてその多くが再び中央の業者やコンサル会社に
吸い戻されているのが現実。

僕は開発業を否定しているんじゃなくて、
開発のあり方を問うている。
破壊から再生の公共事業のためには、今の軍事予算を投下してでも取り組まなければならない。
そのためには、自衛隊の土建力もあてにしていいくらいだと思っている。

世界よ、戦争をしている場合か。
地球を取り戻せ。

これは外交上のメッセージとしても発信し、世界を巻き込む力を持つ言葉だと思う。


さて、そんなこんなで
名護市民でもない僕は稲嶺さんに入れる票もないし、
今回は努めて公平に
ただ、
「クオリティの高い選挙」
「クオリティの高い投票」
を求めて、
両候補への質問状とその回答から投票を促すビラを作って
公示前日に名護市内に配布しました。
(picnic編集部のみんなが主導)

両候補の主張が、市民の知りたい観点から公平に伝わるように、
質問はみんなで知恵を絞って作りました。

候補者の多忙、精神的重圧が理解できるだけに、
稲嶺・スエマツ両候補が、誠実に回答してくださった事に感激しました。

ありがとうございます。


フェアでクオリティの高い選挙の文化を作っていきたいです。

金に目がくらんで、
或いはプロパガンダに頭を支配されて、
取り憑かれてしまわない冷静さを保つ。

B KOOL

どちらの候補が市長になっても、
名護市が賛成・反対で分断されることなく、
選挙が終わったらまた協力しあい、話し合っていける雰囲気が
形成されていく事が、何よりも大切だと思っています。

僕はそういう部分で、
従来の選挙の手法に変革を起こしたいし、
選挙から国を変えていくことができると思っています。


最後に、今回の名護市長選に関して思った事は、
政府が公に一方の候補に肩入れして、
6万人の小さな町に金と権力の重圧をズシリと乗せるような選挙のやり方は、
今の時代の地方ではもうだんだん通用しなくなってきています。
基地の賛否に関わらず、
そういう強権的な「やり方」にほとんどの人々が辟易として憂いています。
政府としての、地方選挙へのフェアな関わり方、というのはルール作りが必要。

フェアで、クオリティが高く、そしてオープンな選挙を、求めます。



両候補・スタッフ・応援のみなさん、報道の皆さん、お疲れさまでした。