「個」への執着 | 覚醒のひかり

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縄文時代にゆるゆる瞑想をしていた、シャンタンこと宮井陸郎(1940.3.13-2022.3.17)のブログ
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いろんな人の言の葉を、分かち合いたいと思いまあああああああす!
(貫井笑店)



 

 

「個」というものは、実は無限な広がりを持っているのに、人間は自分の知っている範囲内で個に執着するからね。



私はこういう人間やからこうだとか、あれが欲しいとか。



「個」というのは、本当はそんな単純なものじゃないのに、そんなところを基にして、限定された中で合理的に考えるからろくなことがないです。


 

「個」を大きな流れの中で考える、そういうふうに「個」を見るいうことはものすごく大事なんじゃないですかね。

 

 


河合隼雄






 



小川洋子

河合隼雄

「生きるとは自分の物語をつくること」より一部引用




河合 面白いですよ。



僕のとこに相談に来る方の中で、三対三で見合いをしたんです。



その結果、実にうまい相手を選んでるんです。

 

 

うまいというのは、一見悪いことのようにも見えるんです。



性格がまるっきり反対やとか、趣味が全然違うとか、結婚してうまくいくためには悪いことに思える。



ところが、実はものすごくええことなんです。



その人の成長という点から見たら「ええ人選んでいるなぁ」と。

 

 

小川 あまりにも「個」にばっかり執着してると、何か行き詰まってしまうんですね。

 

 

河合 そう。



「個」というものは、実は無限な広がりを持っているのに、人間は自分の知っている範囲内で個に執着するからね。



私はこういう人間やからこうだとか、あれが欲しいとか。



「個」というのは、本当はそんな単純なものじゃないのに、そんなところを基にして、限定された中で合理的に考えるからろくなことがないです。



前提が間違っているんですから(笑)。

 

 

小川 何か大きな流れの中の一部として、自分を捉えるような見方が足りないんですね。

 

 

河合 「個」を大きな流れの中で考える、そういうふうに「個」を見るいうことはものすごく大事なんじゃないですかね。

 

 

小川 日本人はもともとそういう素質はあった。

 

 

河合 そうですよ。



僕はだから、これからそういうことを真剣に考えようと思っているんです。



大きな流れの中における個人主義。



現代の日本人が考えている個人主義というのは、ものすごく小さいんですよ。



ムチャクチャに小さい。

 

 

小川 今、スピリチュアル・カウンセラーを名乗る人が持てはやされているんですね。



そういう人は人を見たときに、パッとその人の前世を言うんです。そして、「あなたの前世はこういう人だ。



だからあなたが今抱えている悩みはここから来てる」っていうふうにその人を過去からの流れで見る。



そのことによって、相談に来た人がちょっと納得出来たり、安心出来たりするんですが、その人物が大はやりなんです。

 

 

河合 それは、現代の人間があまりにも小さい「個」を基にして下手に考えて失敗ばかりしているから、それを破る力を持つということでしょうね。



でも、その破り方によってはものすごい危険も冒すことになる。

 

 

ところがうまく出来ていて、そういう話を聞いても、「そうか」と思うだけで受け入れられない人もいる。



みんながみんな支持するわけではない。



受け入れることが出来る人は、受け入れたらいいと僕は思いますね。 

 

 

小川 オウムのグルみたいに極端な人が現れて、そちらへなびいてしまう人もいた。



自分のことを永遠の流れの中の一部だなどという曖昧な捉え方をすることにどうしても耐え切れなくて、何でもいいからはっきり決めてくれっていう気持なんでしょうね。

 

 

河合 その時に決める人がおったら、それに従ってしまう。



僕の場合は、こちらは全然何も言わずに、その人の力で物語を作っていこうというんですから、来る人も大変ですよ。



自分で仕事せないかんから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 

 

 

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