9月25日にいつもの山の太い倒木の下側面に発生したシロウツボホコリに棍棒状の白い生物が発生していたことは、この前のブログで紹介しました。

 

これはシンネマと言って、この変形菌を栄養源にして繁殖するカビが自身の胞子(分生胞子)を形成するために分生子柄を伸ばした時、分生子柄同士がまとまって強く密着し束状になってその先端に胞子が丸い塊になって発生する形態です。変形菌を栄養源にして繁殖するなんて変わっているカビです。

 

これは10日後の10月5日に観察に行ってデジカメ(TG-6)で撮影した、シロウツボホコリとシンネマです。深度合成機能を使いました。朽木の窪んだところに発生して、降雨の影響をあまり受けなかったためか、変形菌とシンネマは健在です。

 

このデジカメではこれが限界なので、持ち帰って実体顕微鏡で観察しました。実体顕微鏡のカメラのイメージセンサーの方が有効画素数がずっと大きいので、子実体表面の細毛体も分かります。

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細毛体の中からシンネマが突き出ています。このシロウツボホコリでは細毛体の形は崩れていません。

 

この細毛体は、綿のようなものですので、形が不整形になります。それでもシンネマはくっ付いています。シンネマの根元に白い菌糸が根の様に伸びて細毛体を掴んでいるように見えます。

 

形が不整形になった細毛体からシンネマが出ています。シロウツボホコリではムラサキホコリの様に細毛体の中心部を軸柱が貫いていないので、シンネマは細毛体を支持体にするしかありません。

 

更に細毛体がほぐれて密度が薄くなりましたが、シンネマはくっ付いています。このカビは細毛体を栄養源にしているのでしょうか?